現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 映画「フォードvsフェラーリ」の主役GT40にまつわるエピソード

ここから本文です

映画「フォードvsフェラーリ」の主役GT40にまつわるエピソード

掲載 更新
映画「フォードvsフェラーリ」の主役GT40にまつわるエピソード

映画「フォードvsフェラーリ」で注目が集まっているフォードGT40。ル・マン制覇を目指したフォードが総力を上げて開発し、見事にその悲願を叶えた伝説のマシンだが、意外と知られていないことも多い。ここでは映画の内容を補足する意味も込めて、GT40にまつわるいくつかのエピソードを紹介しよう。

フォードの合理主義が生んだ1960sレーサーの最高傑作

フォードは触らずにチェック? 独自のコロナウイルス感染対策を実施

なぜフォードはわずか3年でル・マン総合優勝という目標を達成できたのか?
それは自社開発にこだわるのではなく、豊富な資金力を背景に人材を集め、既存のチームごと買い取って参戦するという、フォードらしい合理主義で徹底した物量作戦を展開したからだ。

その最初の矛先がフェラーリだったわけだが、彼らとの交渉が決裂するとすぐに方向転換し、イギリスにレース専門の子会社を設立。わずか8カ月でスチール製のセンターモノコックのシンプルなシャシーに、350hpを発揮する4.2L V8をミッドシップマウントする“フォードGT”を作り上げてしまった。

そしてマシン開発やレース運営を担当する子会社FAVのマネージャーには1959年のル・マンでアストン・マーティンを勝利へと導いた名将ジョン・ワイアを起用。ブルース・マクラーレン、リッチー・ギンサーといった一流F1ドライバーを擁し、1964年のル・マンに挑む。

ところが次々とトラブルに見舞われ惨敗を喫すると、フォードは早々にFAVに見切りをつけ、GTレースで活躍していたシェルビー・アメリカンにマシンの開発とワークス活動の運営を移管する。
開幕まで90日を切ったタイミングでマシンを受け取ったシェルビーだが、見事に大役を果たし1965年2月のデイトナで初優勝。それを受けフォード本社では7L“427”ユニットを搭載するマークIIの開発を進める一方、グループ4のホモロゲーションを取得するためにFAVで50台のカスタマー仕様の生産も開始する。

このカスタマー仕様に付けられた車名が、車高が40インチであることに由来する“GT40”だ。これ以降、シリーズ全体がGT40の愛称で呼ばれるようになる。
1965年のル・マンに2台のマークII、4台のGT40を持ち込んだフォードだったが、全てトラブルでリタイア。しかしながらシェルビーらの地道な改良が身を結び、計13台で臨んだ1966年のル・マンでは見事1位から3位を独占する圧倒的な勝利を成し遂げた。

そこで手綱を緩めることなく、フォードは全面的な改良を施したマークIVを開発。1967年のル・マン2連覇をもって目標を果たした彼らはワークス活動を休止する。
でも、ここで物語は終わらなかった。FAV解散後に自身のチームを設立したジョン・ワイアは、ガルフ石油のスポンサーの元で3台のGT40を製作し、1968年と1969年のル・マンを連覇。加えて1968年のマニファクチャラー選手権の王座も獲得しGT40は1960年代後半を代表するスポーツ・レーシングカーの地位を確立した。

そしてその強さは市販車の開発にまで大きな影響を与えることとなる。その影響を受けた一人がジャンパオロ・ダラーラだ。
「ミウラのアイディアの元になったのはGT40です。当時一番強いスポーツレーサーでしたから」

主役GT40にまつわるエピソード

 

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

オコン&ガスリーの幼なじみペアがダブル表彰台に感無量「最終ラップ、カート時代に思いを馳せた」アルピーヌは6位に
オコン&ガスリーの幼なじみペアがダブル表彰台に感無量「最終ラップ、カート時代に思いを馳せた」アルピーヌは6位に
AUTOSPORT web
F1がまだ「めちゃくちゃ」だった頃の話 ひどいチームで溢れかえった80~90年代 歴史アーカイブ
F1がまだ「めちゃくちゃ」だった頃の話 ひどいチームで溢れかえった80~90年代 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
ジャガー、英国で新車販売終了 ラインナップ総入れ替え 2026年まで中古車のみ
ジャガー、英国で新車販売終了 ラインナップ総入れ替え 2026年まで中古車のみ
AUTOCAR JAPAN
特別な青を纏ったベントレー「ベンテイガS」完成! 英国ファッションデザイナーとコラボした限定車は、電動化延期が影響していた…!?
特別な青を纏ったベントレー「ベンテイガS」完成! 英国ファッションデザイナーとコラボした限定車は、電動化延期が影響していた…!?
Auto Messe Web
ホンダ新型「スーパーカブ×ハローキティ」初公開! サイドカバーの「飛び出すキティ」が凄すぎ! 超人気の「2大巨頭」奇跡のコラボで発売へ!
ホンダ新型「スーパーカブ×ハローキティ」初公開! サイドカバーの「飛び出すキティ」が凄すぎ! 超人気の「2大巨頭」奇跡のコラボで発売へ!
くるまのニュース
スペックはディーゼルに見劣りするトヨタ「ランドクルーザー250」のガソリン車 “気になる街中での印象”は? 充実した装備類で“コスパは最強”
スペックはディーゼルに見劣りするトヨタ「ランドクルーザー250」のガソリン車 “気になる街中での印象”は? 充実した装備類で“コスパは最強”
VAGUE
真夏も真冬も車内で寝る必要があるトラックドライバー! アイドリングが御法度なイマドキの「冷暖房」事情
真夏も真冬も車内で寝る必要があるトラックドライバー! アイドリングが御法度なイマドキの「冷暖房」事情
WEB CARTOP
F1の新規ファンが増えない根本理由 75周年を機に開かれる未来への道筋とは?
F1の新規ファンが増えない根本理由 75周年を機に開かれる未来への道筋とは?
Merkmal
「僕よりも大変な人たちがいる」アロンソ、激痛襲われるもサンパウロ完走でマシン修復のチームや豪雨被害バレンシアに勇姿見せる
「僕よりも大変な人たちがいる」アロンソ、激痛襲われるもサンパウロ完走でマシン修復のチームや豪雨被害バレンシアに勇姿見せる
motorsport.com 日本版
【BMW 1シリーズ 新型】色々なボディカラーで楽しんで
【BMW 1シリーズ 新型】色々なボディカラーで楽しんで
レスポンス
PPのノリス、赤旗で後退しタイトル争いにも打撃「ライバルはラッキーだったが、僕は不運だった。戦略に誤りはない」
PPのノリス、赤旗で後退しタイトル争いにも打撃「ライバルはラッキーだったが、僕は不運だった。戦略に誤りはない」
AUTOSPORT web
「“暗い色”増えたなぁ…」 自動車カラーのトレンドが一気に“地味化”へ!? “とにかく明るい色”から一転のワケ
「“暗い色”増えたなぁ…」 自動車カラーのトレンドが一気に“地味化”へ!? “とにかく明るい色”から一転のワケ
乗りものニュース
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
くるまのニュース
小さいジープはいかが? ブランド最小のSUV「アベンジャー」がEVで登場! 【新車ニュース】
小さいジープはいかが? ブランド最小のSUV「アベンジャー」がEVで登場! 【新車ニュース】
くるくら
[音を良くするコツをプロが指南]何はなくとも「スピーカー」を換えれば音は変わる!
[音を良くするコツをプロが指南]何はなくとも「スピーカー」を換えれば音は変わる!
レスポンス
サプライズは失敗したけど……セナに憧れたハミルトン、マクラーレン・ホンダMP4/5Bドライブに感激「これでレースに出れたらいいな笑」
サプライズは失敗したけど……セナに憧れたハミルトン、マクラーレン・ホンダMP4/5Bドライブに感激「これでレースに出れたらいいな笑」
motorsport.com 日本版
なんと電動過給のV型3気筒エンジン!! ホンダが全く新しい内燃機関搭載コンセプトモデルを発表!
なんと電動過給のV型3気筒エンジン!! ホンダが全く新しい内燃機関搭載コンセプトモデルを発表!
WEBヤングマシン
トヨタが劇的勝利でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得!ドライバーズタイトルは6号車ポルシェに【WEC最終戦バーレーン8時間】
トヨタが劇的勝利でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得!ドライバーズタイトルは6号車ポルシェに【WEC最終戦バーレーン8時間】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村