この記事をまとめると
■日本で一番売れている自動車のジャンルが軽自動車のハイトワゴンだ
しょせん軽……なんてバカにする時代は終わった! 新東名の120km/h区間を余裕で走れる軽自動車6選
■軽ハイトワゴンは背が高い形状ゆえに横風の影響を受けやすい
■安全性と安心感を確保するためにメーカーが施す横風対策を紹介する
形状はいかんともしがたいが対策のしようはある!
いま、日本でもっとも売れているジャンルのクルマと言えば軽ハイトワゴンだ。軽自動車というランニングコストの安い規格に、高い全高で広々とした室内空間、利便性の高いスライドドア、といった具合で、端的に言えば「安い、利便性が高い、小さく運転しやすい」がウケている理由だ。しかし、高速道路などで横風に弱そうな印象があるが、そのあたりの対策はどうなっているのだろうか?
日本一売れているN-BOXを例に見る
日本で一番売れているホンダのN-BOXを例に見てみよう。N-BOXは2022年の1年間で20万2197台という販売台数を記録し、普通車も含めて唯一の20万台超えとなった。
そんなN-BOXは10月にフルモデルチェンジされた。基本的なデザインはそのままに、運転支援システムを充実させ、視界にも心血を注いで運転しやすさをさらに改善した。そして、今回の話題の中心である横風に影響のある、操縦安定性や直進安定性などに関する部分も進化させてきた。
メカニズム的な変更点としては、サスペンションまわりの見直しが行われた。イニシャルトーを中心にアライメントを適正化し、サスペンションの締結を最適化している。また、電動パワーステアリングは操舵速度のフィードバック制御を見直したほか、ターボモデルはショックアブソーバーの減衰力を変更した。
このように、軽ハイトワゴンはトレッドも大きく取れず、ボディ形状的に横風に対して不利になってしまうので、サスペンションまわりを中心に横風の対策を行っていく方向にある。
また、N-BOXの場合は、先代のマイナーチェンジで採用されていた(FF車)が、ロールを抑えるメカニズムであるスタビライザーの採用なども、横風対策の1種と言える。ひと昔前は、スタビライザーを装着する軽自動車はあまりなかったが、近年は増えてきた印象だ。
ホイールベースでの対策も
そして、これは軽自動車全般的に言えることかもしれないが、とくに軽ハイトワゴンは直進安定性を確保する目的もあってか、ホイールベースを長く確保する傾向にある。
ホイールベースは長いと直進安定性が増して、反対に小まわりが利かず軽快なハンドリングも苦手な傾向になる。軽快なハンドリングに関してはサスペンションの設計も関係するため一概には言えないが、基本的にはこのような方向性だ。ホイールベースが短いと得意不得意が逆転する。
軽ハイトワゴンのホイールベースを見てみると、以下のとおりだ。
N-BOX:2520mm タント:2460mm スペーシア:2460mm eKクロススペース:2495mm
近年はプラットフォームを共有していることもあるため、ほかのボディ形状の軽自動車と比べてホイールベースを大きく取るといったことも減ってきたが、軽ハイトワゴンのホイールベースは基本的に2450mm以上となっている。
先代からN-BOXは軽ハイトワゴンとしては直進安定性に関して高い評価を受けてきたが、その理由のひとつはホイールベースにあるのだろう。現行の軽自動車としてはもっとも長いホイールベースを有している。
このように基本的なメカニズム側からのアプローチ、サスペンションのセッティングを変更するといった細かなアプローチ、さまざまな創意工夫で横風対策をしているのだ。
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みんなのコメント
不安定に慣れてしまっているだけ
車重が重いSUVや低重心のセダンに乗ってしまえば
どれだけ軽ハイトワゴンが不安定なのかが分かる