ひたすら4気筒で頑張ったスズキ
教習所で大型自動二輪免許が取れなかった20年間、400ccこそが現実的に乗れる最大排気量だった。それなのに80年代には高校生バイク禁止の「3ない運動」まで始まってしまった……。ハードルが高くなるほど憧れは強くなる。だから僕らはヨンヒャクに乗りたかった!!
●文:伊藤康司 ●写真:スズキ
俺たちの青春バイク!【ヨンヒャクが熱かった!Vol.1 ホンダ編】はこちら
俺たちの青春バイク!【ヨンヒャクが熱かった!Vol.2 ヤマハ編】はこちら
「中免全盛期」王道も個性派も4気筒で揃えたスズキ
現在でもビッグバイクに乗るには、大型自動二輪免許を取るためにコストと時間をかけて教習所に通う必要があるから、相応にハードルが高い。
しかし免許制度の改正で中型限定自動二輪免許ができた1975年当時は、ビッグバイクに乗るためには運転試験場で一発試験を受けて「限定解除」するしかなかった。その合格率はわずか1~3%ほど。まさに「落とすための試験」といえた。
そもそも免許制度の改正は暴走族対策が主たる理由。そして若年層の事故や暴走行為が多いことから、1982年には全国高等学校PTA連合会が実質的な高校生のバイク禁止、いわゆる「3ない運動」を決議した。
もはや若者にとってナナハンは夢のまた夢、原付スクーターすら乗るのが困難な時代が訪れた。だからこそ中免で乗れるヨンヒャクに強い憧れが募ったのかもしれない。
今回紹介するのは、スズキのヨンヒャク。4ストロークでの400参入は遅かったが、クラス初のDOHCでスタートを切り、「中免全盛期」はすべて4気筒でバリエーションを拡大していった。
※基本的に1970年代前半から、免許制度が改正される1995年頃までに国内で販売されたロードスポーツとオフロードモデルを掲載(アメリカンは別の機会に紹介予定)。
ヨンヒャク以前の400?
スズキの市販車で最初の400は、オフロードモデルのハスラー400(TS400)。免許制度が改正される1975年以前なので、中型自動二輪免許に合わせたモデルではない。
スズキは1965年から世界モトクロス選手権に参戦し、70年に250ccクラスでチャンピオンを獲得。そして500ccクラスに挑戦するためのマシンRN71(367cc、41ps)を開発し、翌71年は250・500の両クラスを制覇。このRN71をベースに開発したのがハスラー400(TS400)だ。
―― 1972年 TS400(ハスラー400)
50~250ccまで揃うハスラー・シリーズに加わった最大排気量モデル。2ストローク396ccの空冷単気筒は34psを発揮。当時のレーサースタイルのダウンマフラーや、無接点式点火方式のPEIを採用。 [写真タップで拡大]
初の4スト400はDOHC!
スズキは1954年のコレダCO(90cc)以来、長い間4ストローク車は存在せず、免許制度が改正された1975年当時も中型クラスは2ストロークのGT380が最大排気量だった。そこで大型二輪車および400ccクラスに4ストローク車で参入するべく、1976年にGS750とGS400を発売。後発での参入だけに満を持し、GS400は当時クラス唯一のDOHCモデルだった。
それから15年ほど経った1991年に、同じ車名のGS400Eを発売。エンジンの基本レイアウトは初代GS400と変わらないが、ボア×ストロークを変更してショートストローク化している。
―― 1976年 GS400
398ccの4ストローク空冷2気筒はDOHC2バルブで36ps。180度クランクを採用し、振動を抑えるバランサーを装備し、トランスミッションは6速。78年に星形キャストホイールのGS400Eにマイナーチェンジ。
―― 1991年 GS400E
基本レイアウトがかつてのGS400と同じ空冷2気筒DOHC2バルブのエンジンを、堅牢なスチール角パイプのダブルクレードルフレームに搭載。スタイルも装備もベーシックで、39万9000円の価格は当時としてもかなりリーズナブル。
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みんなのコメント
各メーカーからレーサーレプリカという高性能マシンの開発で
これまでにないくらいバイクブームが盛り上がりを見せ始めていた時代を思い出しますね。
もちろん8耐の750ccのF1クラスと同様に国内レースシーンでは
400ccのF3も相当に盛り上がっていましたが、やはり当時スズキと言えばヨシムラであり
個人的にはヨシムラが手を入れたGSX-R400の個体が他メーカーに比べ、
なんとも桁違いにスペシャルな仕様に思えて大好きでした。
スズキが販売した素のままの市販車は実にナントモな恰好の悪さだからゆえの事だったのでしょうが
「ヨシムラがレースバイクとして手がけるとこんなに恰好良くなるんだ」と
当時はただただ驚きと尊敬の眼差しを向けていましたよ。