進化し続ける自動車関連技術、必要十分な状態はどれくらい?
リクルート自動車総研が行っている『 中古車購入実態調査』において、中古車に求めるものは「年式の新しさ」であると答えた人の割合が年々減ってきています。 実は中古車の年式選びにおいて2015年くらいが一つの目安だと考えています。
21世紀に入り各社燃費、環境性能を意識するようになり、その後20年以上の改善を続けて現在に至りますが、2010年を過ぎたあたりから改善幅も落ち着きを見せています。燃費向上に欠かせないハイブリッド技術なども特定のモデルに限らず、幅広いモデルやグレードに採用されてきました。
その後、先進安全装備と言われるような衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなど、最初は上級グレードやオプションだったものが徐々に標準装備化。その技術の多くが時間経過とともに改良フェーズに入ります。
つまり、そこまで最新を追いかけずとも、2015年以降を目安に選ぶことで「必要十分な性能を備えている状態」が中古車で簡単に手に入るようになりました。結果、過度に新しいものを求める必要性が薄れてきているのです。
中古車市場は宝の山! 未来に向けて選択肢は日々拡大中
加えて、昨今のレトロブームや、カーボンニュートラルに向けた機運の高まりも手伝っているのでしょう。
もうこんなモデルは二度と出てこないな、とか、ガソリンエンジンってなくなるのかな、など、古い車や今存在している車への見方や価値観が日々変容してきています。つまり、車の購入において「新しいものが常に最良である」という考えが絶対的ではなくなってきているのです。
また、欧州メーカーを中心に、サプライヤー側もプロモーションやSNSなどを通して、ヒストリックなモデルを大切に扱う様子を発信しているケースが増えてきているように感じます。 最新の現行型から古いモデルまで幅広く検討が可能な中古車市場はまさに宝の山。ますます目が離せませんね! 文/西村泰宏、写真/ポルシェ、トヨタ、岡村昌宏、篠原晃一リクルート自動車総研所長西村泰宏カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。
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よほど新しいのに走行距離が異常に多かったり事故車だったら最初から避けるけど。