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ゴルフRに勝る加速力 MGモーター MG4 Xパワーへ試乗 ツインモーターで435ps獲得

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ゴルフRに勝る加速力 MGモーター MG4 Xパワーへ試乗 ツインモーターで435ps獲得

ツインモーターの四輪駆動で435ps

テスラ・モデルS プレイドの桁外れな加速力は惹かれる能力だが、英国価格11万3000ポンド(約1977万円)という予算は、誰しもが用意できるものではない。それでは、新しいMG4 Xパワーはいかがだろう。

【画像】ゴルフRに勝る加速力 MGモーター MG4 Xパワー 同クラスのEVは? 日産リーフも 全152枚

パッケージングは良く練られており、実用性は同等に優れる。それでいて、テスラと比較すれば比較的お手頃なお値段で、相当な動力性能を我が物にできる。

MGモーターを傘下に収める中国のSAICモーター社は、電動ハッチバックのツインモーター仕様をリリース。MGローバー時代に生み出された400psのスポーツカー、Xパワーという名を復活させ与えた。

このMG4 Xパワーは、フロントアクスル側に203psの駆動用モーターを搭載し、リアアクスル側にも231psの駆動用モーターを積む四輪駆動。システム合計での最高出力は、435psに達する。

その結果、0-100km/h加速に必要な時間は3.8秒。英国価格が4万ポンド(約700万円)を超える、内燃エンジンのフォルクスワーゲン・ゴルフ Rより加速は鋭い。それでいて、3万6495ポンド(約638万円)に抑えられている。

このパワーに対応させるため、シャシーも強化。ブレーキには、直径345mmあるベンチレーテッドディスクを前後に採用。サスペンション・スプリングのレートは、フロントで15%、リアで10%引き締められている。

タイヤサイズもワイドになり、ステアリング系にもチューニングが施された。さらに、ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能も実装する。

圧倒的ダッシュ力を求めるなら期待に応える

ただし、スポーツモデルにとって大切なアイテムの1つ、リミテッドスリップ・デフは搭載しない。マイクロスウェード素材で特別感が醸し出されているが、ハードなコーナリング中に身体を支持してくれる、彫りの深いスポーツシートも備わらない。

接地面が広げられたとはいえ、タイヤもブリヂストン・トゥランザ。高性能モデル向けというより、快適志向のコンパウンドといえる。

見た目の変化も限定的だろう。通常のMG4と見分けるには、実際に並べて比べなければ難しいかもしれない。

専用デザインの18インチ・アルミホイールと、グロスブラックのボディキット、ブラックに塗られたツートーン・ルーフなどが外観上での違い。インテリアでは、先出のマイクロスウェード生地のほか、ペダルがアルミニウム製になること程度だ。

レーシング・グリーンの専用塗装も設定される。試乗車のように。

羊の皮を被った狼的な、ホットなバッテリーEV(BEV)と呼べそうなMG4 Xパワー。実際、圧倒的なダッシュ力を求めるなら期待に応えてくれる。それでも、標準の後輪駆動のMG4の方が、バランスに長けたドライバーズ・ハッチバックだともいえる。

アクセルペダルを踏み込めば、背中がシートへ押し付けられる勢いで加速する。姿勢を乱すような荒々しい素振りはほぼ見せないが、路面に砂が浮いていたりフロントタイヤが直進状態でない場合、トラクションが追いつかなくなるほど。

強められた安全志向 好ましいサスペンション

四輪駆動システムによって、通常のMG4が持っていたオーバーステア傾向の挙動は鎮められた。腕利きのドライバーにとって、運転を楽しめる特徴の1つになっていたものの、多くの一般的なユーザーには安全志向の方が好まれるとは思う。

トルクベクタリング機能の制御は巧妙。ホイールスピンを最小限に留めつつ、カーブ内側のブレーキを操り、鋭い回頭性を引き出している。MG4が本来備える、優れたシャシーバランスは維持されている。

スタビリティ・コントロールをオフにすると、リアよりフロントタイヤの方が先にスピンし出す。コーナーからの意欲的な脱出時には、充分な状況の判断が必要だ。

サスペンションは好ましい。新体制になって以降も、MGモーターは英国の技術者チームを存続させてきた。セットアップには、多くの経験が活かされている。

ベーシックなMG4が備える、乗り心地の落ち着きと軽快な操縦性、姿勢制御との兼ね合いは、彼らの成果といえた。MG4 Xパワーでも、その強みは残されている。優れた減衰力特性も変わらない。スプリングレートが高まったことで、若干硬さが出ているが。

チューニングされたという、ステアリングラックのフィーリングに大きな違いはない。スポーツ・モード時は、少し重み付けが増したように感じられる。必要性は別として、サスペンションと同様にスポーティな雰囲気を生み出すことに貢献している。

同時にエクステンデッドレンジも登場

インテリアは、素材を除いて基本的にそのまま。空間は広々としていて実用的。ドライビングポジションも好ましい。華奢な印象のドアパネルも残されている。専用スポーツシートの設定があっても良いだろう。

Xパワーの追加に伴い、MG4全体でも小さな改良を受けている。リアワイパーが標準装備になり、リアシートの中央にもヘッドレストが用意された。

さらに駆動用バッテリーの容量が77kWhへ増え、最高出力が244psへ増強された、シングルモーター仕様のエクステンデッドレンジもリリースされた。航続距離は最大519kmまで伸びつつ、英国価格はXパワーと変わらない。

インフォテインメント・システムに含まれていたバグも、解消されたようだ。扱いやすいシステムではないものの、1度慣れてしまえば不満なく付き合えるはず。

アクセルペダルの加減だけで発進から停止までまかなえる、ワンペダルドライブ・モードも選択できるようになった。ただし、回生ブレーキが立ち上がるまでに若干のラグがある。ブレーキペダルを踏んだ方が、速度調整はしやすいかもしれない。

BEVだから、馬力が増えると航続距離は短くなる。WLTP値で384kmがうたわれる。ちなみに、標準のMG4では最大434km走れる。

電費効率は、試乗時の平均で4.8km/kWh程度。運転スタイルで、エネルギー効率は大きく変わるようだった。現実的な航続距離は、310km前後だと考えていい。

従来的なホットハッチとは異なる体験

ベーシックなMG4は、優れた電動ハッチバックとして英国編集部での評価は高い。比較的お手頃な値段で、実用性や航続距離、快適性などを高次元にバランスさせている。後輪駆動でもあり、挙動を予想しやすい繊細な操縦性も強みといえる。

理想をいえば、その特長をさらに拡張して欲しかったというのが筆者の本音ではある。パワフルな四輪駆動ではなく。

モデルS プレイドが、内燃エンジンのスーパーサルーンとは異なる運転体験を与えるのと同様に、MG4 Xパワーも従来的なホットハッチのそれとは異なる。秀でた操縦性ではなく、圧倒的な加速力がBEVとしての魅力を生むと判断されたのだろう。

MGモーター MG4 Xパワー(英国仕様)のスペック

英国価格:3万6495ポンド(約638万円)
全長:4287mm
全幅:1836mm
全高:1504mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.8秒
航続距離:384km
電費:5.3km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1800kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:61.8kWh
最高出力:435ps(システム総合)
最大トルク:61.1kg-m(システム総合)
ギアボックス:シングルスピード(四輪駆動)

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みんなのコメント

3件
  • ネームロンダリングしないでちゃんと「上海汽車MG」と表記しましょう。
  • 信頼性の低いメーカーのEVと比較するアホ記事
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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