もくじ
どんなクルマ?
ー 現時点では最強バージョン
高級SUV対決 ヴェラールとドイツの強敵、Q7/カイエン 前編
どんな感じ?
ー 回るほどにレーシーさが光るエンジン
ー 走りは満足 質感やフィールは及第点レベル
「買い」か?
ー 競争力は高いが、待ちたい追加装備もあり
どんなクルマ?
現時点では最強バージョン
510psのクアドリフォリオが来年登場するまで、この280psの直4ターボがステルヴィオの最強ユニットということになる。フィアット・クライスラーのバロッコ・テストコースでは試乗済みだが、英国にこれを持ち込むのは今回が初めてだ。
このオールアルミの2.0ℓユニットは、ジュリア・ヴェローチェに搭載されるのと同じものだが、このほかに200ps仕様も設定される。生産はV6ツインターボとともに、テルモリ工場で行われる。
ステルヴィオの他グレード同様、ZF製8段トルコンATが組み合わされ、プロペラシャフトはカーボン素材を使用。前後のトルク差配は多板クラッチで行うが、これは4WD仕様のステルヴィオでは全車共通だ。通常は40.8kg-mすべてを後輪に伝達し、状況に応じ最大50%まで前輪へ配分する。
今回の試乗車は、限定モデルのミラノ・エディツィオーネ仕様。210psディーゼル搭載車にも設定されるが、280psガソリンとの組み合わせはラインナップ中の最高額モデルとなる。20インチのホイールや、前席にヒーターと電動調整が備わる革張りスポーツシート、ヒーター付きステアリングホイール、アルミの大振りなシフトパドル、前後パーキングセンサー、リアビューカメラ、ナビと装備は満載。電動テールゲートやヒルディセント・コントロール、DNAドライブセレクターなど、ステルヴィオ全車に共通のアイテムが備わるのはいうまでもない。
どんな感じ?
回るほどにレーシーさが光るエンジン
このエンジンの好ましい点は多く、スポーティなキャラクターのステルヴィオにマッチしてもいる。おとなしく走っていれば比較的穏やかで素直なエンジンで、DNAセレクターを「ナチュラル」の略だというNに入れ、市街地や高速道路を無理なく走る限りは、トランスミッションもそうしたエンジンの性格を後押ししてくれる。110km/h程度でのクルージングでも、満足のいく静粛性を示す。ちなみに、「アドバンスト・エフィシエンシー」のAでは、ドライブトレインがあまりにもおとなしくしつけられすぎる。
しかし、その実力が輝き出すのは、やはりペースを上げ、2000rpmを超えレブリミットの6000rpmに至るまでの領域で、力強い加速を見せたときだ。ターボラグは完璧に制御され、健全な出力特性が得られる。アルファの歴史を振り返れば、サウンドはベストアルバムに収録されることはなさそうだが、回転が上がるほどレーシーになり、長所に数えるには十分だ。
DNAセレクターを「ダイナミック」のDに入れると、エンジン性能がフルに発揮され、スロットルレスポンスは向上。シフトチェンジは活発さを高めた楽しめるものとなり、シフトアップ時にはもっと背の低いスポーティなクルマで味わうような小さく心地よいショックが伝わってくる。
左のパドルを引きっ放しにすれば、ギアは連続的に落ち、右を引き続ければシフトアップの後に自動変速モードへ移行する。空吹かしするなら、左右のパドルを同時に引いて、ギアボックスをニュートラルに入れておこう。ステアリングホイールにはスターターボタンも設置され、背の高い5ドアのSUVとしては他にないくらい、気分を高めてくれる。
走りは満足 質感やフィールは及第点レベル
0-100km/h加速は5.7秒という、なかなかの数値がアナウンスされているが、乗った感じもそれに偽りなしと思える。そのパフォーマンスを駆使しつつステアリングを切ると、コーナリングのスキルもなかなかのものだと気付かされる。
ロールはよく抑えが利いていて、グリップは四輪とも強力。コーナリング中の挙動も実に甘美だが、これには50:50を謳う前後重量配分と、アルミ部材の多用による1660kgの車輛重量が寄与しているのだろう。
このクラスにしては非常にクイックなステアリングは、非力なエンジンを搭載した仕様よりもこちらにマッチしている印象。しかし、フィールは限定的で、重さは決してヘビーではないが、ナチュラルさやプログレッシブさは感じられない。
ジュリアから多くを受け継いだサスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。ダンパーやスプリングはジュリアから変更されているが、セダン並みの乗り心地を生み出すことはできなかった。決して不快なわけではないが、スムーズに見える路面でもややせわしない。波打った路面ともなればそれにかなり反応するので、時にスピードを落としてしまったほどだ。ブレーキは強力だが、電子制御アクチュエーターを用いており、ペダルのフィールには慣れが必要だ。
パッケージングは従来通り、キャビンもラゲッジスペースも広い。マテリアルはまあなんとかプレミアム物件のそれといえる程度で、それ以上の質感はない。ドライビングポジションと操作系のレイアウトは上々。敢えて注文を付けるなら、不足気味なリアの視認性や、やや頭を前に押し出すヘッドレスト、実用性は十分だが独特な操作性のインフォテインメント・システムなどは改善を望みたいところだ。
「買い」か?
競争力は高いが、待ちたい追加装備もあり
このエンジンを積む仕様ならば、データーで見るステルヴィオの魅力は多岐にわたる。この価格帯ならば、300psのガソリンユニットを積むジャガーF-PACEに速さでも経済性でも勝り、ポルシェ・マカンSとパフォーマンスは同等だが居住性やエミッションでは凌ぐ。
アウディQ5 2.0 TFSIの252ps仕様もこのステルヴィオほど速くないが、そのほかの部分ではおおむね同等で、もっともシンプルなグレードを選べば英国の場合、数千ポンド節約できる。
運動性能はクラストップのマカンに及ばないが、背中が見えないほど引き離されているわけではない。リアLSDやアダプティブダンパーなどを含むパフォーマンスパックの開発も進行中で、特に後者は発売を待つ価値ありと言っておこう。
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.0 280 Q4 AWD ミラノ・エディツィオーネ
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