スタイリッシュな新型が日本にも導入? 「ラティオ」、「ティアナ」など国内生産終了が相次ぐ日産のセダンは果たしてどうなる?
セダン人気が衰退したと言われて久しいなか、日産も2016年末にラティオの国内販売を終了。また、ティアナも2019年末で生産を終え、現在は在庫販売を残すのみとなっている。
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ただ、遠藤徹氏によれば「日産は、2022年までの中期計画で国内販売の業界2位復帰を目指している」とのことで、今後の逆襲にも期待が集まる。
メイン写真はすでに海外で発表されている新型のシルフィ。なかなかにスタイリッシュだが、国内導入はいつになるのか?
以下、日産のセダン戦略の今後を遠藤徹氏が解説する。
文:遠藤徹
写真:NISSAN
【画像ギャラリー】国内モデル&国外専売車種! 日産の全セダンラインナップ
スカイライン大改良で光明も日産セダンは刷新必至
2019年のマイチェンでプロパイロット2.0を初搭載、デザインも一新するなど大幅刷新されたスカイライン
日産の国内セダン販売は極めて厳しい状況にある。
2019年7月16日にはスカイラインをビッグマイナーチェンジし、ある程度人気を復活させているが、他のシルフィ、フーガ、シーマは極端な減少傾向にあり、トータルの販売台数はホンダにも引き離されている状況にある。
こうしたなかで、2019年いっぱいでFF最上級セダンのティアナを生産中止し、商品ラインナップは一層弱体化。ますます苦境状態にある。
2020年1~3月における各車種の月販平均台数は、スカイライン:582台、シルフィ:115台、フーガ:93台、シーマ:12台となっている。
欧米、中国などグローバルの生産販売台数はこれよりずっと多いので、何とか継続を維持しているが、この状態が続けばモデル廃止に追い込まれるのは必至である。
どうしてトヨタ、ホンダに大きく遅れを取っているのか。セダン市場が国内だけでなく、グローバルで縮小傾向にあるので、フルモデルチェンジして商品ラインナップを強化する余裕がないためである。
こうしたなかでも、トヨタやホンダは主軸モデルを中心に世代交代によって商品力強化を進めているので、何とか持ちこたえている状況にある。
待望の新型シルフィ 国内投入の行方は?
2019年4月の上海モーターショーで初公開された新型シルフィ
日産はどうか。スカイラインさえ、ビッグマイナーチェンジで対応しており、フルモデルチェンジが出来ない状況にある。
中軸のミディアムクラスのシルフィは、現行モデルの登場が2012年12月5日であり、その後2015年1月22日にマイナーチェンジし、内外装のデザインを変更。現在は発売後7年半近くが経過し、マイナーチェンジしてからも4年以上が過ぎている。
それでも「今年いっぱいの新型車の投入計画に入っていない。フルモデルチェンジやビッグマイナーチェンジするとしても2021年後半以降になるだろう」と、首都圏日産店営業関係者はコメントする。
現行シルフィに対する受け止め方は、
「モデルが古いので売り方が難しい。特に最近は安全対策が強化され、自動ブレーキ・検知機能・追随走行・車線キープなどを装備したモデルが多いのにシルフィは何もついていない。
それにナビも7インチと小さく最近の大型化、高機能化に対応できていない。これではライバル車との競争には勝てない」(首都圏日産店営業担当者)とぶちまける。
トヨタは写真のカムリを筆頭に、クラウン、カローラと立て続けに新型へ刷新。この3車以外に、センチュリー、プレミオ/アリオンなども販売
トヨタやホンダは厳しいセダン市場にありながらも、着実に商品ラインアップを強化し、何とか活性化させようと躍起になっている。
生産販売している車種はカローラ、カムリ、クラウンの3本柱を設定し、2017年はカムリ、2018年にクラウン、2019年もカローラと毎年のようにフルモデルチェンジし世代交代を図り、商品ラインアップを強化している。
ホンダもグレイス、シビック、アコード、レジェンドを設定。シビックを2017年7月に国内生産で復活させ、アコードを今年2月20日にフルモデルチェンジ、今夏にはレジェンドをビッグマイナーチェンジし、態勢を立て直しつつある。
日産は国内販売2位復帰に向けセダン強化へ
新型シルフィのリアスタイル。ティアナやラティオが国内で廃止となり、新型投入への期待は一層高まっている
日産は、2022年までの中期計画で国内販売の業界2位復帰を目指しており、このままセダンのラインアップを放置し続けるはずがない。最低でもホンダ並みかそれ以上に次世代セダンの態勢を再構築するはずである。
コンパクト、ミディアム、アッパーミディアム、ラグジュアリー&プレミアムの各分野で新型車を逐次投入して行くことになりそうだ。
その筆頭格は次期型シルフィ、次いでコンパクトクラスの復活、ラグジュアリー&プレミアムは、グローバルでは「インフィニティ」ブランドが世代交代することになりそうだ。
【証言1:首都圏日産店営業担当者】
日産のセダンが低迷の一途にあるのは、商品ラインアップを強化せず、古いモデルをいつまでも放置し続けているからだ。新鮮味がないうえに安全対策の装備採用も遅れている。
ナビも7インチの小さいままで、最近のように9~10インチが選べない状況ではライバルとの競争にとても勝てる状況にない。このままだと既納ユーザーはトヨタやホンダに移ってしまい、取り返すことが難しくなる。
【証言2:首都圏日産プリンス営業担当者】
日産のセダンが復権することは難しいことではないと思う。新型に切り替えてセレナ、ノート、エクストレイル、新型軽自動車のように安全対策の充実、シリーズハイブリッドのe-POWER車を設定するようにすれば、可能になる。
トヨタのレベルまでは難しいにしてもホンダを抜き返すことはできる。2022年までの中期計画で是非実践してもらいところだ。多分、ポストゴーン体制を機に立て直しを急ぐことになると予想している。
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みんなのコメント
売れなくても他社とは違う車種投入は歓迎。
売れ筋に合わせたら皆右倣えでつまらない。
国内のミドル以下のセダンはもうダメですね。浮動層はセダン買いません。この時代で敢えてセダン選ぶ層は外車にいっちゃってます。