この記事をまとめると
■2022年7月に新型シビック TYPE Rが世界初公開された
いまどきの高性能スポーツ車は4WDだらけ! それでもホンダの「タイプR」がFFを貫くワケ
■そんなシビック TYPE Rがスーパー耐久の最終戦でレースデビュー
■デビュー戦にして念願の表彰台獲得を成し遂げた
新型シビック TYPE Rが公式レースに参戦!
2022年11月27日で誕生から30周年を迎えた「 TYPE R」は、Hondaの走りへの情熱を具現化したモデルとして、多くのファンを獲得してきました。初の TYPE Rとなった初代NSX-Rの開発責任者を務めた上原 繁さんは、「中途半端なものは作らない」と腹を括った上での開発だったと当時を振り返っています。
そんな TYPE Rの13台目のモデルとして2022年7月21日に世界初公開されたのが、新型シビック TYPE R。1997年に登場した初代シビック TYPE R(EK9)から数えて、6代目のモデルとなります。Honda独自のVテックターボエンジンを磨き上げ、パワーアップ。痛快なドライビングフィールを追求しつつ、TYPE R専用のデータロガー「Honda LogR」を搭載するなど、新たな挑戦も見られるモデルです。
すでに多くの注文が殺到し、納期は1年半後になるとも言われている新型シビック TYPE R。今回、そのシビック TYPE Rが世界で初めて公式レースに参戦! FT-2クラスで2位表彰台を獲得する好発進となり、ドライバーをはじめメカニックやクルーが男泣きするシーンが多くの感動を呼んでいました。
デビュー戦の舞台となったのは、11月27日(日)、ちょうど TYPE R30周年当日に開催された、2022スーパー耐久シリーズ最終戦の鈴鹿ラウンド。本田技術研究所と本田技研工業の社員による自己啓発チーム、「Honda R&D Challenge(HRDC)」としての参戦で、ドライバーはシビック TYPE Rの開発責任者を務めた柿沼秀樹さん、チーム代表で本田技研工業広報部の木立純一さん、先進パワーユニットの研究や開発ドライバー育成を担当している石垣博基さんに加え、今回からインディレースなど世界的に活躍している武藤英紀選手をアドバイザーとして迎えています。
まず、参戦に向けて急ピッチで製作されたマシンのシェイクダウンは、11月10日のモビリティリゾートもてぎフルコースで行われました。ノーマルモデルとの違いを聞いたところ、エンジンは変更なく2リッターVTECターボエンジンのままで、排気系をトラスト製に変更。外観ではフロントスポイラーが無限(M-TEC)のカーボン製になり、形状もこのマシン専用の試作品とのこと。ボンネットもカーボンに変更され、ホイールはBBS。ノーマルより幅広い、260/66R18というサイズが装着されており、タイヤ銘柄はS耐指定のハンコックです。リヤにまわると、アンダースポイラーは純正でマフラーはトラスト製。無限のリヤスポイラーが装着されており、これはノーマルよりかなり高い位置で幅の広いデザインで空力に大きな効果が期待できるとのこと。
こだわりは燃料タンクの位置で、2019年から参戦していた先代モデルではトランクに搭載されていたのですが、新型ではリヤシートの下に移設。これは車両の重量バランスを考えた上での変更ですが、給油口がリヤにあり、ホースが長くなったため給油に時間がかかるのではいう懸念がありました。でも実際に給油してみると、高さと長さのおかげか燃料の入りがスムースになり、結果的に給油時間が短縮されたというのは興味深い話です。
サーキット走行で感じた新型シビックTypeRの底力
世界で初めてサーキット走行をしたドライバーとなった石垣博基さんは、先代との比較として全体的な走りに落ち着きがあり、操りやすくなっているとコメント。続いて走行した木立純一さんも、ロールが大きく感じるところはあったものの、トルク特性が低速からきれいに引き出せるので乗りやすく、セットアップを煮詰めていくことで本番も期待できるとコメントしていました。
また、プロとして冷静に見極めた武藤英紀選手からは、まだリヤが暴れるようなスネーキングが見られるものの、全体的な感触は良かったことが告げられ、チーム一同、S耐デビューに向けて手応えのあるシェイクダウンとなったようです。
そして迎えた本番。S耐最終戦は5時間耐久レースということで、まだロングランのテストができていないことが、いちばんの不安要素だったと言います。しかし練習走行のなかでセットアップを煮詰め、順調にタイムを短縮。予選ではクラス4位となったものの、ST-2クラスでは唯一の17秒台となる、2分17秒980というタイムを石垣選手が叩き出し、全体では51台中31番グリッドからのスタートとなりました。ガチライバルは、四駆で安定したコーナリングとターボエンジンによる速さを武器とするGRヤリスや、熟成されたバランスと一発の速さをもつランサーエボリューション。ですが、ゼッケン6のランエボをドライブする大橋選手に新型シビック TYPE Rの印象を聞いたところ、「後ろから見ててすごく安定してると思います。コーナー立ち上がりからが速くて、追いつけない」と驚いている様子でした。
最終戦は序盤からFCY(フルコースイエロー)が頻発する荒れたレースとなり、スタートドライバーの柿沼さんが順調に周回を重ねつつ、FCYのタイミングでライバルがピットインしたため、シビック TYPE Rもドライバーを石垣さんにチェンジ。安定した速さでクラス1位に上り詰めたところで、木立さんにバトンをつなぎます。ところが前方で起こった大クラッシュのあおりを受け、リヤにダメージを負ってしまうと、振動が大きくなりタイムダウン。レース終盤、ラスト1時間を切ったところで武藤選手にマシンを託します。すると、プロの腕を見せつけるかのようにクラスベストを更新するウルトラタイムを連発。ジリジリとライバルを追い詰め、ついにクラス3位に浮上。このままいけば1位にも届くかとチームが湧いた矢先、レース残り時間10分を切ったところでまたしてもFCYが……。50km/hの速度制限が敷かれ、これ以上の追い上げは望めないと肩を落とします。それでも、武藤選手の怒涛の追い上げにより、ラスト1周でWRX STIを抜き去り2位に浮上! デビュー戦にして念願の表彰台獲得を成し遂げたのでした。
レースを終えて、柿沼さんは「先代では見えなかった景色を新型は見せてくれました。でもまだ、2位というところがミソ。これから来シーズンに向けて、今日の経験をマシンにフィードバックしてもっと強くしていきたいと思います」と涙ながらにコメントしてくれました。
Hondaの走りへの情熱を背負い、見事な勇姿を見せてくれた新型シビック TYPE R。来シーズンのスーパー耐久シリーズへの本格参戦にぜひ期待しましょう!
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みんなのコメント
ゴミ
って言ってる人がいるけど
FFのごみに負けてる車はどーなん?
ごみ以下だろ。