この記事をまとめると
■2024年問題が物流業界に悪影響を及ぼしている
「ちょんまげ」「月光仮面」「墜落」「ガッチャマン」! 携帯電話もSNSもない時代のトラック乗りが使っていた「無線用語」が謎すぎる!!
■いま低床4軸の大型トラックが脚光を浴びている
■積載できる荷物を増やすことができる点が大きなメリットだ
走行時の安定性にも優れる
2024年になり、物流の世界は大きく変化しようとしている。それはトラックドライバーを守るための策であると行政の側は捉えているようだが、現場の人間からは歓迎されていないのが現状だ。
労働時間の短縮が、肉体的疲労を減らすことにつながるのは事実。だが、それは同時に(賃金体系がそのままでは)収入にも大きく響いてしまう。長距離を走るトラックドライバーの稼ぎを時給で換算したとき、国が定める最低賃金には遠く及ばない。4時間走行したら30分の休憩を取らなければならないという規制に縛られているなかで労働時間まで削られようものなら、まともな生活ができなくなるドライバーが続出するだろう。たたでさえ人手不足で悩まされている業界にもかかわらず、稼げないという追い打ちをかけられてしまうことで物流業界のさらなる衰退が想像される。
昭和の時代では稼げたトラックドライバーだが、平成期の後半からは稼げない職業になってしまった。毎月の売り上げはいいとしても賞与がないのが一般的であるため、年収としてはサラリーマンに及ばないケースが多々見受けられる。それでいて、仕事内容はハードにさえなっている。
荷物を積んで、目的地まで運ぶ。内情を知らない人には簡単な仕事だと思われがちだが、現場によっては倉庫内への納品も指示されることがある。本来は荷受け側の仕事であるにもかかわらず、ドライバーに押し付けられることも多々あるのである。
もちろん悪態をついたり文句をいおうものなら、出入り禁止になりかねない。それに加えて納品時間を細かく指定されるなど、いまのトラックドライバーたちはとても生きにくい環境に置かれているのだ。
低床4軸の大型トラックが注目されている!?
わたしたちが快適に暮らせているのは、大型トラックのおかげだといっても過言ではない。とても重要な業種であるのだが、その扱いはお世辞にもいいとはいえない。ハードな仕事でありながら稼げないからこそ若い人のなり手が少なく、高齢化がどんどん進んでいる。そこに件の2024問題が押し寄せるのだから、今後さらなる窮屈さに苛まれることだろう。さて、前置きが長くなったが、そんな現状だからこそ、低床4軸の大型トラックが脚光を浴びているのだ。
大型トラックは、もともと高床3軸と呼ばれるスタイルが一般的だった。やがて、フロントタイヤ以外を小径のタイヤにした低床4軸が開発される。現代の低床4軸では総輪が同じ小径サイズのタイヤとなっているが、低床4軸の大型トラックは物流の世界で広く採用されるようになったのである。
その理由はなんなのか。簡単にいえば、積載できる荷物の数(量)を増やすためだ。大型トラックにおいては、地上高が3.8m未満と規定されている。つまり、大きなタイヤを履かせた高床よりも小径タイヤの低床のほうが、荷室内の高さを稼ぐことができるのだ。そして車体が低いぶん、荷物の積み下ろしがしやすいというメリットも存在する。小まわりはきかなくなるが重心が低く4軸構造となっていることから、走行時の安定性にも優れている。
低床トラックに載せられた箱型の荷台は大きいため、迫力感も凄まじい。しかし、リヤバンパーの位置が低くなってしまうため、デコトラ愛好家には不人気なスタイルでもある。飾るにはバランスのいい高床3軸の大型トラックが人気を集めているのは変わらないのだが、運送会社はこぞって低床を選択する傾向にある。
合理化といえば聞こえはいいかもしれないが、それも同時に、人手不足にあえぐ現代のトラック業界を如実に表しているといえるのかもしれない。
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みんなのコメント
低床4軸は荷室容積をたっぷり取れて走行安定性もよく、様々な現場で活躍できる反面、取り回し性やコストの面では高床3軸のほうが優れるかな。