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美車フェラーリ「F355」が3000万円! 走行1万3000キロの渋色跳ね馬はこの先二度と出てくることはない!?

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美車フェラーリ「F355」が3000万円! 走行1万3000キロの渋色跳ね馬はこの先二度と出てくることはない!?

世界中でコンディションの良いF355を探すフェラーリのファンは多い

2023年も8月に開催されたモントレー・オークションでは、さまざまなトピックスを提供してくれたRMサザビーズ。だが、その興奮もまだ冷めない中、同社は早くもそれに続くオークションを、インターナショナル・サンモリッツ・オートモービル・ウイークで賑わう、スイスのサンモリッツで開催した。今回のサンモリッツ・オークションの傾向は、全106ロットのうち93ロットが、スイスのプライベート・コレクション、「ザ・イセリ・コレクション」からの出品となったことで、実際に出品車リストを見ても特に高額なコレクターズカーというよりも、クラッシックカーの入門用といったモデルが目立ったのが印象的だった。

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F1マシンに使用されるチタン素材などを惜しみなく使用したエンジン

だがその中でも、やはりフェラーリというブランドだけは別のようで、とりわけ注目できる存在だったのは、1995年式の「F355ベルリネッタ」。それまでの348シリーズの後継車として1994年にまずクーペのベルリネッタと、着脱式ルーフを備えるGTSの2モデル体制でデリバリーが始まったF355は、翌年半ばにはフルオープンのスパイダーを加えてラインアップを完成させた。348からF355への進化は当時非常に大きな話題となったことが記憶に新しい。

その象徴的な例といえるのは、やはりミッドに搭載された新開発のV型8気筒エンジンだろう。F129型と呼ばれたそれは、348のF119型とは技術的にはほとんど互換性はなかった。1シリンダーあたりインテークに3本、エグゾーストに2本のバルブを持つ5バルブヘッドを採用し、総排気量は348のそれからストロークを2mm延長することで3496ccを得るに至った。構成部品の軽量化もさらに徹底され、F1マシンに使用されるチタン素材などを惜しみなく使用。最高出力は380psを発揮したが、同時に注目したいのは、その発生回転数が8250rpmと非常に高回転に設定されていることに驚く。ちなみに348のファイナルモデルでは320psが7200rpmで発揮されていたのだから。

組み合わせるトランスミッションが6速化されたこと(後に2ペダルのF1タイプのセミATが1997年に追加される)や可変ダンパーシステムの採用、あるいは徹底したエアロダイナミクスの追求などにより、まさにフェラーリの新時代を知らしめたF355。今回RMサザビーズのサンモリッツ・オークションに登場したのはグレーのエクステリア・カラーにブラックのインテリア・カラーという、実にシックな雰囲気を醸し出した一台だ。

シャシー、ギアボックス、エンジンのナンバーはもちろんマッチングしており、ピニンファリーナのマウリツィオ・コルビとそのチームが担当したスタイルは、現在の目で見ても十分に魅力的に感じられる。そしてそれは単に造形の美しさだけではなく、1300時間を超える風洞実験によってエアロダイナミクス性能を追求。デザイナーとエンジニアは、共同作業によって新しいデザインから魅力的なダウンフォースを引き出すことに成功したのである。

走行距離は1万3294kmと少ない

このF355のオーナーは、F355に魅了されフェラーリ・スイスに新車をオーダー。1995年5月3日にこのモデルはオーナーに引き渡された。ギアボックスはもちろんまだこの時期は3ペダルの6速MTであるが、最近ではそちらの方が人気を集めているのは周知のとおり。彼の手によって定期的に使用されたため、現在の走行距離は1万3294kmを刻む。車両はフェラーリのマニュアル一式とともに提供されたが、その中には2012年、2013年、2015年、2018年にサービスを受けた記録が付属の保証書に記載されている。

このような低走行距離の、しかもミント・コンディションに近いF355は、探してもそう簡単に見つかるものではない。それはまさに一期一会の存在。そう考える入札者も多かったのだろう。入札額は18万6300スイスフラン(邦貨換算約3044万円)にまで至った。世界中でコンディションの良いF355を探すフェラーリのファンは多い。このリザルトは、はたしてひとつの参考になるだろうか。

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みんなのコメント

1件
  • dgc********
    やはりこの写真はジャミロクワイのコズミックガールを意識したものか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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