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軽王者「N-BOX」なぜ好調続く? 続々登場する新型車でも牙城を崩せない理由とは

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軽王者「N-BOX」なぜ好調続く?  続々登場する新型車でも牙城を崩せない理由とは

■新型軽モデル続々登場でもN-BOXの牙城を崩せない理由とは

 2019年は、軽自動車の新型モデルが多く登場しています。3月には、日産と三菱の共同開発車「デイズ/デイズハイウェイスター」「eKワゴン/ekクロス」の新型モデルが登場。その後、7月にはダイハツの新型「タント」、8月にはホンダ新型「N-WGN」が相次いでデビューしているのです。

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 また、スズキからは新型「ハスラー」の登場も予定されているといいますが、同市場で圧倒的な人気を誇るホンダ「N-BOX」の牙城を崩すモデルは現れたのでしょうか。

 前述のとおり、多くの新型モデルが登場している軽自動車市場ですが、なかでも販売台数ランキングで絶対的王者として君臨しているのがN-BOXです。

 2019年度上半期(4月から9月)における販売台数は13万6047台となり、登録車を含む新車販売台数において第1位を獲得。月間新車販売台数では、2017年9月のフルモデルチェンジ以来、25か月連続で首位を継続しています。

 では、ライバル車となる新型モデルが登場した際には、軽自動車市場にどのような変化があったのでしょうか。前述のように2019年3月28日には、日産と三菱の共同開発車デイズシリーズとekシリーズが発売されました。

 翌月の4月では5位(9513台)、5月には3位(1万1883台)となり、その間にN-BOXは約2万台前後を記録しています。6月、7月にデイズが2位まで浮上しますが、N-BOXとの差は8000台から1万台と大きく開けられています。

 そしてダイハツから、N-BOX最大のライバルとされ、同じ軽ハイトワゴンとスライドドアを備えた新型タントが2019年7月9日に発売されました。

 同7月では3位(1万4520台)、その後新型効果もあり、8月には2位(1万6838台)と販売台数を伸ばし、8月時点ではN-BOXとの差を1500台まで縮めます。しかし、9月に2位(2万1858台)という記録を残しつつもN-BOXが2万8484台と差を広げられます。

 このように、N-BOXのライバルとなる新型モデルが登場する度に、販売台数を僅差まで縮めますが首位を奪還するまでには至りません。

 なぜ、これほどまでにN-BOXが人気なのでしょうか。好調な理由について、ホンダは次のように説明してます。

「N-BOXは、軽乗用車最大級の室内空間や存在感のあるデザインに加え、全タイプに標準装備とした先進の安全運転支援システム『ホンダ センシング』や、優れた走行性能・燃費性能などで、ご好評をいただいています」

 また、地方都市でN-BOXを販売するディーラーのスタッフは、次のように話します。

「一家に何台かクルマを所有していらっしゃるお客さまの場合、メインで使っているクルマがホンダの普通車であれば、セカンドカーなどでN-BOXを検討される人が多くいらっしゃいます。

 また、親御さんがトヨタ車を乗られている場合などで、お子さまを乗せる場合に『ホンダの軽自動車』というブランドを信用して、ご検討される人もおります。

 日本一売れているN-BOXという実績やイメージから、いまや軽自動車の代名詞的存在にもなっているのか、地方都市ではセカンドカーを検討される場合に『まず、N-BOX』というイメージがあるのかもしれません」

■王者「N-BOX」を追うライバル達はどうする?

 軽自動車を開発・販売する自動車メーカーでは、「打倒! N-BOX」は一種のスローガンにもなっているといいます。走行性能、居住空間、快適装備などさまざまな部分でN-BOX同等+特徴的な装備などを備えるように開発されているようです。

 新型タントは、プラットフォームを新開発して安定性と乗り心地を向上させ、内装やシートの座り心地も大幅に改善しています。

 また、歴代モデルに共通する室内空間の広さに加え、助手席側に設けられた大開口「ミラクルオープンドア」や、車内移動のしやすい「ミラクルウォークスルーパッケージ」のほか、先進・安全装備では「次世代スマートアシスト」が採用されるなど、さらなる使い勝手の向上が図られました。

 新型タントの販売傾向について、ダイハツは次のように説明します。

「購入層は、子育てファミリーから子離れ・シニアを中心に、幅広い年齢層にわたっています。ほぼすべてのお客さまがスマートアシスト搭載グレードを選択していることが特徴です。

 新装備となる駐車支援システム『スマートパノラマパーキングパック』や『スマートクルーズパック』も、我々の想定以上のお客さまが選択しています。

 お客さまからは、ミラクルウォークスルーパッケージによるタントならではの使い勝手の良さや、次世代スマートアシストの先進的な技術、新世代のクルマづくり思想『DNGA』による新開発プラットフォームで実現した高い基本性能などで、高い評価を受けています」

※ ※ ※
 
 しかし、実際には新型モデルの新しい特徴をユーザーに認知・理解させることはなかなか難しいようです。そのため、新型モデルが登場した際には売れているモデルと比較されることが多いといいます。

 ダイハツの販売店スタッフは、「2019年7月に新型タントが発売された際には、N-BOXに乗られているお客さまが来店されて比較されたり、先代タントのお客さまが新型タントとN-BOXを比較されるなど、常にN-BOXを意識している状態でした」と話します。

 また、タントと同様にN-BOXのライバルとなる「スペーシア」など多くの軽自動車を販売するスズキの販売店は、「来店されるお客さまは、弊社の軽自動車をご検討される際、N-BOXと比較される人が多くいらっしゃいます。とくに、スペーシアはパッケージが似ていることから、N-BOXとの違いを説明することもあります」といいます。

 一度、売れているというイメージが付くと、安定的に売れる商品になることはクルマに限らず多いことです。しかし、価格帯が高く、人の命に関わるクルマに関しては、そのイメージを覆すことは並大抵のことでは無いのかもしれません。

 2年以上も販売台数の首位を維持するN-BOXの牙城を崩すライバル車は、果たして現れるのでしょうか。

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