エンジンのハイブリッド化や、安全性能の充実、その他の影響により、クルマの新車価格は、以前よりもずいぶん高くなった。最新型のスポーツカーが欲しいと思ってはいても新車は超高額だし、中古車でも人気のモデルは高価で取引されており、できるだけ安く買って、浮いたお金で自分で手を入れて楽しみたい、と思っているクルマ好きにとっては、実に悩ましい状況だ。
ただ、なかには、100万円台で購入できる中古車スポーツカーもいくつかある。100万円台で購入できる狙い目スポーツカーをいくつかご紹介しよう。
安く買って手を入れたい!! 今なら100万円台で買えるスポーツカー6選
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:TOYOTA、SUBARU、MAZDA、NISSAN、HONDA
先代スバル「BRZ」/トヨタ「GR86」 総額90万円~
2021年に2代目へと切り替わった、スバル「BRZ」/トヨタ「GR86」。新車で300万近い価格となる両モデルは、中古車の安い個体でも280万円と、なかなか手が届きにくい状況。ただ、ともに先代モデルであれば、2012~2013年式の初期モデルが総額100万円ほどで販売されている。
クルマを操る楽しさを体感できる「手の内感」や「直感ハンドリングFR」をコンセプトに開発され、2012年に登場した、先代のスバル「BRZ」/トヨタ「86」。両車に搭載された水平対向「D-4S」エンジンは、最高出力200psを発生、空力性能に優れたフォルムと軽量化にもこだわり、スポーツ性能が高められている。
BRZ/86には、内外装のドレスアップパーツやチューニングパーツが豊富に用意されており、「自分だけの一台を楽しみながら育てる」ということもできる。ローコストでお手軽にカスタマイズを楽しめるスポーツカーは、この先もう二度と現れないかもしれない。乗るならいまだ。
2012年登場の先代トヨタ 86。現代的なデザインと装備でありながら、気軽に乗れる軽量FRカーとして人気
マツダ ロードスター(ND型) 総額150万円~
2015年5月にデビューした、現行型のロードスター(ND型)。「走る歓び」を最新の技術で具現化したモデルであるNDロードスターは、1.5L 直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」をフロントミッドシップに搭載し、前後重量配分を50:50とすることで、気持ちの良いハンドリング性能を目指したモデル。6速MTの軽い操作感と、シフト操作中の吸い込み感、節度感も気持ちよく、走りの気分を十分に高めてくれる。
そんなNDロードスターも、新車価格は268万円~341万円と、(スポーツカーとしては比較的手に入れやすい価格ながらも)簡単には手が出ない。ただ、中古であれば、2015年式の初期型が総額150万円ほどで販売されている。5年落ちの2018年式でも、190万円程だ。
スポーツカー好きならば、ロードスターは一度味わっておいてほしいモデル。2シーターのオープンモデルという贅沢なパッケージングを経済的な純ガソリン車で味わえ、しかも現行モデルが、中古で100万円台で購入できるのは本当に幸せだと思う。
ロードスターは小型オープンスポーツカーとして世界のあらゆる自動車メーカーに衝撃と影響を与えた名車だ。現行型は2015年の発売だ
先代 スバル WRX S4 総額140万円~
「スバル最高峰のAWDスポーツパフォーマンス」でありながら、総合安全性能、優れた環境性能、洗練された質感を実現したスポーツセダンである、「WRX S4」。現行モデルの新車価格は、400万~482万円となかなかの高額車で、中古車でもなかなか手が出ないモデルだが、こちらも先代モデルなら、2015年の初期型を、総額140万円ほどで狙うことができる。
先代とはいっても、2014年~2020年まで販売されていたため、現代的な装備と安全性能、パフォーマンス性能が味わえるし、搭載されるエンジンは2.0L 水平対向4気筒DOHC直噴ターボで、トランスミッションはスポーツリニアトロニックのみという組み合わせ。ハイパワー・高いトルク性能を最大限に引き出しつつ、ダイレクト感のある走りを楽しむことができる、クルマ好きにはたまらないモデルだ。
先代のスバル WRX 。まだまだモデルとしては新しく、装備も充実しているので走りも快適さでも不満はないだろう
ホンダ「S660」 総額130万円~
軽自動車規格のミッドシップオープンスポーツカー「ビート」の販売終了から、およそ19年。ビートと同じく、ミッドシップオープンスポーツカーとして、2015年に登場したのが、ホンダ「S660」だ。高剛性と軽量化を両立させた専用開発ボディに、低回転から力強いトルクを発生する専用のターボエンジンを搭載。トランスミッションには軽自動車初の6速MTを採用し、スポーツモード付きの7速パドルシフト付CVTも用意された。
2022年4月に残念ながら販売終了となってしまったため、現在は中古車でしか入手できない。2022年販売終了時の新車価格は、203万円~232万円だったが、現在中古車市場では、2015年の初期モデルが総額130万円ほどで購入することができる。
S660が生産終了となった背景には、ホンダの電動化戦略が関係していると見られるため、今後純ガソリン車で同じパッケージングのモデルが復活することは期待できないだろう。そういう意味でも、ぜひ手に入れておきたい一台だ。
軽自動車企画のミッドシップオープンスポーツ。どの速度域でも走る楽しさが味わえるのが魅力だ
日産「フェアレディZ(Z33)」 総額60万円~
日産「フェアレディZ」といえば、2022年6月に発売された新型が話題沸騰ではあるものの、524万1500円~という価格はやはり簡単には手が出せない。しかし2002年から2008年まで販売されていた5代目のZ33型なら、2002年式だと60万円、2008年式だと100万円ほどから十分狙える。ただし古い個体はダメージも少なくはないので、修理にかかるお金は確保したほうが良いだろう。
スカイライン譲りのフロントミッドシップパッケージに前後異径の幅広タイヤ、FRレイアウト、2ドアに2名乗車のみという、クーペの王道をいくスタイリングで、エンジンは3.5L V6DOHCエンジンを搭載、最高出力280psに最大トルク37.0kgmというスペックだ。
デビュー翌年には電動ソフトトップを搭載したロードスターも追加。2005年のマイナーチェンジでは最高出力を294psに、2007年の一部改良では新開発のVQエンジン搭載で313psまで出力が引き上げられ、パフォーマンス性能に磨きをかけている。
フェアレディZ(Z33)。日本が誇るスペシャルティクーペとしていつまでも憧れの存在であってほしい
◆ ◆ ◆
燃料費の高騰やインフレ、気候変動対策による規制の強化など、スポーツカーの存続にとっては強い逆風が吹く昨今ではあるが、いまならまだ、安くて楽しいモデルを買うことができる。もちろん、そのまま乗っても十分に楽しいだろうが、安く手に入れたぶん、パーツを購入してコツコツチューンを楽しむのもいいだろう。この先、中古のガソリン車が少なくなれば、中古車でもこの価格で手に入れることが難しくなるかもしれない。いまが最後のチャンスだ。
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みんなのコメント
しかもどうみても程度が悪い買ったらアカン奴。
まあ記事タイトルも100万円台ってアバウトだけど。
100万円と199万円、ほぼ倍違うけど・・