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なぜ? トヨタの激レアSUV「ヴェンザ」が沼津で売っている? 米版「ハリアー」が今後日本で登録出来ない理由とは

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なぜ? トヨタの激レアSUV「ヴェンザ」が沼津で売っている? 米版「ハリアー」が今後日本で登録出来ない理由とは

■日本未発売の「ヴェンザ」がなぜ日本で売っているのか?

 アメリカでトヨタ「ヴェンザ」というクルマが販売されています。
 
 現行ヴェンザは日本で販売中の「ハリアー」の海外版として北米や中国などで販売されている高級SUVです。

【画像】激レアSUV「ヴェンザ」が日本で発売中!? 残り1台の実車を見る!

 初代ヴェンザは2009年にアメリカで発売されましたが、初代「カムリ」をベースにしていたこともあってクロスオーバーというよりはミニバンに近い形状でした。

 初代ヴェンザは2017年モデルで販売を終了し、その3年後に2代目ヴェンザが2020年に登場。

 トヨタ現行「シエナ」と同じ日に発表されました。ヴェンザもシエナも2.5リッター4気筒エンジンを搭載したハイブリッドパワートレインのみラインナップ。アメリカでは「RAV4」と「ハイランダー」の間に位置するSUVです。

 そして初代ヴェンザはアメリカで生産されていましたが2代目ヴェンザはハリアー同様、日本国内で生産(トヨタ自動車高岡工場)されており、中国向けモデルは広汽トヨタが広州工場でヴェンザ、一汽トヨタがハリアーとして長春工場にて生産しています。

 2代目ヴェンザがハイブリッド車のみになった経緯は、同じ米国トヨタで販売されるRAV4ハイブリッドの好調な販売が影響しています。

 アメリカにおけるトヨタ製ハイブリッド専用モデルはこれまで「プリウス」のみでした。

 しかし2019年にRAV4ハイブリッドが新たにラインナップに加わってから、2019年はRAV4ハイブリッドの売り上げ(92525台)がプリウス(69718台)と、約2万3000台以上多く販売されました。その流れでシエナやヴェンザをハイブリッド専用モデルとした経緯があります。

 2代目ヴェンザは2021年に6万1988台を販売しており、これはなんと同じく2021年に米国で販売されたプリウスファミリー(日本名プリウス+アクア+プリウスPHVなど合計)の販売台数約5万9000台を上回る数字となりました。日本で生産される輸入モデルとしては非常に好調な販売台数といえるでしょう。

 そして、ヴェンザは同じくハイブリッドのみとなった新型シエナ同様、日本への並行輸入はほぼ不可能という状態です。

 アメリカで販売されるクルマを日本に並行輸入で入れる場合、基本的にFMVSS(アメリカの保安基準)を満たしていることを証明するラベルが貼られていれば日本の保安基準に適合すると認められます。

 そしてガソリン車であればさほど難しい手続きは必要ないのですが、ハイブリッド車となるとほかに電池の認証が必要となります。

 日本はハイブリッド車やEVに関わる電池の認証は国連欧州基準(UN-ECE R100 俗にいう『Eマーク』)を採用しているため、電池の部分は別途認証を受ける必要があるのです。

 日本でR100の認証を取得するためには、公的機関では1000万円以上の費用が掛かることも珍しくないため少数台数の並行輸入車では、割に合わないとなるのです。

■沼津の店舗でヴェンザが販売されている!?

 このような理由でかつては並行輸入されていたシエナ(ガソリン車)も、新型となってからはハイブリッド車専用となったため、日本への並行輸入が困難な状況となっています。

 実は現行のハイブリッドヴェンザを日本に並行輸入して販売しているお店が沼津にありました。

 話を聞いてみたところ、すでに何台か同じハイブリッドのヴェンザは日本で販売されており、今売りに出している個体が最後の1台となっているようです。沼津の自動車販売店LAPに話を聞きました。

――アメリカで販売されるハイブリッド車は電池の認証が取れないので日本への並行輸入が難しいのですよね?

 はい。確かに電池の認証を取るのが難しい、ということになるのですが、細かくいうと、電池自体の認証ではなく、過充電を回避するための装置に関する認証が取れないのです。

 取れないというより、アメリカで販売されるヴェンザのハイブリッド駆動用電池にも過充電防止装置はついていますが、それを日本国内で説明するものが存在しない、ということです。

――アメリカで販売されるハイブリッド車やEVの並行輸入が難しいのはそれが理由ですか?

 そうですね。同じクルマであってもUN/ECEの基準をクリアしており、過充電回避のための装置に関しても認証が取れているものであれば、それほど難しいわけではないと思います。

――ではなぜ、御社は並行輸入車であるハイブリッドのヴェンザの登録が可能だったのでしょうか?

 弊社はこれまでヴェンザと同じ過充電回避システムがついた30プリウス、50プリウスの逆輸入車を『指定自動車等の関連事項区分』という方法で登録してきました。

 ヴェンザとハリアーで名称が違っていても「同じ方法で認証できるのでは?」と考え膨大な資料を付け合せ当時(審査事務規定改正の猶予期間である2021年4-6月)登録が可能となりました。

――御社で現在販売されているヴェンザが「最後の1台」とはどういうことですか?

 すでに何台か現行のハイブリッド専用となったヴェンザを日本に並行輸入して販売をしてきましたが、これが最後の1台になるでしょう。

 2021年7月1日から並行輸入車の審査事務規程が一部改正されたことに関係して(並行輸入自動車の事前審査書面等の明確化など)、2021年7月以降は弊社がヴェンザを輸入したときの方法では日本で登録するのはほぼ不可能となっています。現在販売されているヴェンザは審査事務規定が改正される以前に手続きをしています。

※ ※ ※

 この先、並行輸入で日本に入ってくることはとても困難であることが予想されるヴェンザを入手する最後のチャンスかもしれません。

 ちなみに、ヴェンザとハリアーとの違いは左ハンドル車であることはもちろん、ハリアーにはないルーフレールがついていることも特徴です。

 このほかはテールゲートに貼られたグレード名と「HYBRID」のバッジがハリアーとは異なります。フロントの左右フェンダーにも貼られており、これが北米仕様であることを示す特徴となり、ヴェンザがハイブリッド専用モデルであることをアピールしている印象です。

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