「オープン」×「ライトウェイト」×「2シーター」のスポーツカーは、ちょっと頑張れば手が届きそうな身近な存在だ。魅力的な4モデルを、あらためて乗り比べてみよう。
モダナイズされた“人馬一体”感
【Tipo】70’sグランドツーリングカーの夜明け。FWD最速を目指した究極のハイドロ・シトロエン『シトロエンSM』編
初代ユーノス・ロードスターは敢えてそのシャシー性能を煮詰めすぎず、限界を低く置いたことでスポーツカーの持つべき根源的な魅力を再び世界に甦らせた。それは、クルマを操っている! という実感で、そこが最大の功績だとボクは思っている。タイヤのグリップも低く、パワーも少ないから、こうした乱暴なやり方が成り立った。また時代もよかったのだと思う。
【写真10枚】モダナイズされた“人馬一体”感、マツダ・ロードスターの詳細を写真で見る
ここからロードスターはNB、NCと成熟し、NDでは遂に先祖返りを果たしたが、その走りは安定したグリップの中で初代のようなヒラリ感を実現させようとしたことが大きく異なる。もちろん限界を超えてからのコントロール性は相変わらず高いのだが、その限界自体はスポーツカーの熟成や安全性という言葉と共に引き上げられた。
それでもNDが楽しいのは、FRというクルマがどんな風に走ればよいのかを、マツダが知っているからだよね。未だにカミソリのような操舵応答性や、剛性感より軽さを優先することで生まれる華奢なコーナリングフィールが見え隠れするけれど、だからこそ“ヒラリ”が生まれると彼らは思っているのだろう。いわばこれは味だ。
そして絶対忘れちゃいけないのは、オープンカーであること。だからこそこの小ささが許され、2シーターが許され、価格設定が許され、走りの魅力は保たれた。自分で開けることができ、操作感が恐ろしく軽いソフトトップ。ワンハンドで閉められるその出来映えには感服する。ロードスターに乗れば、ボクたちは空を手に入れられるんだ。
(アバルト124スパイダー編に続く)
【Specifications】マツダ・ロードスター
■全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm
■ホイールベース:2310mm
■トレッド(F/R):1495/1505mm
■車両重量:1020kg
■エンジン:直列4気筒DOHC
■総排気量:1496cc
■最高出力:132PS/7000rpm
■最大トルク:15.5kg-m/4500rpm
■サスペンション(F/R):ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
■ブレーキ(F/R):Vディスク/ディスク
■タイヤ(F&R):195/50R16
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みんなのコメント
妻もよく言っていますが「乗った人でなければわかって貰えないよね」‥と。 その為に何かを諦められるかどうかで、オープンカーの敷居もいつの世もちょっと高くなってしまっているのでしょうけれど。
てもそんな中、30年間造り続けていてくれたマツダさんには感謝しかありません。 若者の車離れが話題になったりしますが、いつの世もその良さがわかる方は居続けると思います。