この記事をまとめると
■2023年12月の新車販売台数が自販連と全軽自協からそれぞれ発表された
ダイハツの不正で「大幅減」となった2024年1月の新車販売! 事業年度の軽自動車販売トップはスズキで決まりか!?
■軽自動車では前年同期比でマイナスとなったがダイハツの不正問題の影響は限定的だった
■登録車では前年同期比でプラス。5ナンバー車のマイナスを3ナンバー車が補った
2023年12月新車販売にダイハツ不正の影響はほとんどなかった
2023年12月単月の新車販売台数が自販連(登録車/日本自動車販売協会連合会)、全軽自協(軽自動車/全国軽自動車協会連合会)からそれぞれ発表された。2023年12月単月データが発表になると、当然2023暦年締め(1月~12月)での年間新車販売台数も揃うことになる。
まずは2023年12月単月締めでの新車販売台数を見ていこう、登録乗用車の販売台数は20万630台(前年比111%)、軽四輪乗用車の販売台数は10万941台(前年比97.5%)となった。
ダイハツの不正行為に関する第三者委員会の報告書が発表されたのは2023年12月20日で、同時にすべてのダイハツ車の出荷停止も発表された。2023年の仕事納めは12月28日。軽自動車は車庫証明が必要な地域でも「事後申請(ナンバープレートを取得してから)」となり、登録車より新規届け出(軽自動車は登録ではなく届け出)に必要な日数が短いこともあり、年末ギリギリまで販売台数を積み上げるために、自社届け出(ディーラー名義などで販売先のない車両にナンバープレートをつけること)が活発に行われるのが一般的ともいえる。
12月20日より出荷停止となっているので、12月末ギリギリまで販売台数の積み上げこそできなかったが、2023年12月単月統計におけるダイハツ不正問題の影響は限定的といえる。ただし、2024年1月以降のデータでは、ダイハツ単体だけではなく、軽自動車販売全体へ悪影響が出ることは十分に考えられる。
軽自動車全体の販売台数を見ると、登録車全体は納期遅延も改善傾向にあり、前年同期比プラスなのに対し、軽自動車全体では前年同期の実績を下まわっている。登録車より2022年における納期遅延が深刻ではなかったということもあるが、やはり第三者委員会の報告書が公開される前からジワジワとダイハツ製軽自動車の新車購入を控える動きがじわじわと出てきていたことも否定できないものといえる。
2024年の新車販売にどれほど影響を及ぼすかは予測不能
事実、販売現場ではダイハツ以外のメーカー系ディーラーからも、「ダイハツのようなことがほかのメーカーでも行われていたのでは?」として、入れていた新車の注文をキャンセルする動きも出てきているとも聞いている。
そうはいっても、大きな声でアピールするのは難しいだろうが、2023暦年締めブランド別軽自動車年間販売台数ではダイハツがトップとなっている。ただ、2000台強の僅差とはいえ、軽四輪乗用車ではスズキがトップとなっている。軽四輪貨物自動車販売がダイハツの総合トップを支えたのは2022年と同様。
しかし、2024年は前代未聞ともいえるスキャンダルを抱えながらダイハツはスタートをきっている。軽四輪乗用車は一般消費者の買い控えがどこまで顕著になるかが心配となるのは必至。
さらに、前述した自社届け出した車両を引き取り、「届け出済み未使用軽中古車」として販売する業者も、店頭に並べてもなかなかダイハツ車を買おうという人が出てこないのは容易に想像できるので、出荷再開となっても、不正発覚前並みに仕入れるとはなかなか思えない。2024年の軽自動車販売でのダイハツトップ維持は「茨の道」ともいえよう。
登録乗用車では普通乗用車(3ナンバー車)は2023暦年締め年間販売台数でみると、前年同期比プラスだが、小型乗用車は前年比をわずかに下まわっている。
ボディサイズの拡大で、いまや「5ナンバー車」がラインアップ数で見れば少数派となっていることもあるが、世の中の所得格差の拡大、それに伴い3ナンバー車のほうが短いサイクルで乗り換える傾向が目立つなど、普通乗用車のほうが販売台数を伸ばす要素が豊富にあるともいえよう。
影響はそれほど大きくはないものと信じたいが、すでにダイハツ以外のメーカー系ディーラーでも、今回のダイハツのスキャンダルを理由にしたキャンセルが出てきている。納期遅延はかなり改善傾向にあるのだが、2024年はこのダイハツスキャンダルの影響が新車販売市場で、どこまで暗雲として垂れ込み続けるかが気になるところといえよう。
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みんなのコメント
生産を止めなければいけない案件でしたよね!
影響を最小限に食い止める段取りは社内でできていたのでしょう!