宮城トヨタグループ(Miyagi Toyota Groupで、通称MTG)は、オートサロンに出展を毎年のように続けるている。2023年も意欲的なリフトアップクラウン、そしてシエンタを発見したので見ていこう!!
文:佐々木亘/写真:佐々木亘、編集部
クラウンでキャンプもドンとこい!! 「車高アゲ」をディーラーが魅せる 車検もディーラーもOKなカスタムの魅力
■過去最高の仕上がりとなったシエンタ
MTGが今回出展したアウトドアカスタムのトヨタ シエンタ(ハイブリッドZ)
MTGが今回出展したのは2台。アウトドアカスタムのシエンタ(ハイブリッドZ)と、ワイルドカスタムと銘打ったクラウン(クロスオーバーGアドバンスド)である。
シエンタを選んだのは、「メイドイン宮城」の車種であることが大きいという。シエンタの出展するのは今回で3回目。2019年、2020年とSUVテイストにし、「道具」として使えるシエンタ(2代目)を提案してきた。
2023年のアウトドアカスタムでは、新型の3代目を使い、歴代カスタマイズシエンタの集大成とも言える仕上がりになっている。
エクステリアを中心に、様々なカスタマイズが施されているが、今回特にこだわったポイントは2つ。
一つはLX MODEと何度も打ち合わせ、新規開発したオーバーフェンダーモール。車体にマッチしたデザインであると同時に、小石等から車体を守るという役割も十分に果たす造形だ。オートサロン後には、もう一度LX MODEへ車体を運び、会場で寄せられた意見などを取り入れながら調整を行うという。
もう一つは、TEINと開発した車高上げスプリング。車高の上がり幅は約1インチだ。オーバーフェンダーと車高上げが相まって、未舗装路も苦にしないシエンタに仕上がっている。TEINのトレードマークである緑色のスプリングには、しっかりと「MTG」の文字が刻まれていた。
今回独自に開発したオーバーフェンダーと車高上げスプリングは、最終調整を行い、近々販売を行う予定だ。
ディーラーとして新車の長納期に悩まされている昨今だが、シエンタに関してはメイドイン宮城ということもあり、宮城トヨタグループにとっては他の車種よりも比較的早く納車ができるクルマである。
ベース車としての仕上がりは申し分なく、そこへMTGの色をしっかりと出せた仕上がりになったと、担当者は語ってくれた。
MTGは、クルマが生活を潤す「道具」の一つと考えている。これからも、クルマを使い切る、使い倒すための提案を、より具現化していきたいと抱負を語ってくれた。
■ワイルドに仕上げて欲しいというリクエストに応えたクラウン
MTGが今回出展した、ワイルドカスタムと銘打ったトヨタ クラウン(クロスオーバーGアドバンスド)
シエンタの隣に並べられた新型クラウン。カスタマイズのテーマは「ワイルド」だ。
ホイールをインチダウンし、ホワイトレターのタイヤを履かせた。この安定感のある足回りに、赤のブレンボ製キャリパーとビッグローターの存在が際立つ。
おそらく世界初になるであろう、新型クラウン向けのブレンボ製ブレーキは、何度もフィッティングを繰り返す苦労はあったものの、満足のいく仕上がりになったという。こちらも、最終調整を経て、販売を予定している。
クラウンのカスタマイズコンセプトは「ロングツーリング」だ。舗装路はもちろん、舗装の弱い道路でも、しっかりと走破できるクラウンを目指した。新型クラウンの「クロスオーバー」の部分に特化し、開発を続けてきた結果が形になっている。
先述のシエンタは、出展車両と同じ仕様で、お客様に注文してもらいたいと話す。対して、クラウンは、オーナーそれぞれの使い方の中で、「キャリアは付けられないのか」「ラッピングはできないだろうか」といった、相談を受け付ける窓口の一つになってほしいと話していたのが筆者の印象に残っている。
「タイヤサイズやブレーキの変更をしても、走行や車検などには支障が無いことを知ってもらいたいし、ディーラーでもここまで相談に乗ってくれるというイメージを、MTG全体に定着させていきたい」と、今後の展開も語ってくれた。
■トヨタディーラーが10年以上もオートサロンに出続ける意味とは
全国・全世界からの反応を感じることでセンスを磨き、宮城にいるだけではわからないことを知ることができるのがオートサロンに出展する意味だという
「なぜオートサロンに出展するのか」という質問は、社内からも何度もされてきた。初出展の2011年以降、毎年その答えを探しているが、明確な回答はまだ出ていないと、開発担当者は語る。
ただ、出展する一つの意義は、「社員がオートサロンという場所に来て、この空気感を感じてもらうことにある」と話してくれた。
宮城、東北の人たちの目線だけではない、全国・全世界からの反応を感じることで、自分たちのセンスを磨き、宮城にいるだけではわからないことを知ることができるのが、オートサロンに出展する意味だという。
今後もMTGは、オーナーが「実現可能なカスタマイズ」を提案し続ける。凝りすぎず、でも個人がやるのは簡単ではない、一種の憧れを抱くようなカスタマイズを、オーナーと一緒に進めていくのがMTGのスタンスだ。
実際に出展車両を見て、カスタマイズに関する相談をしてくれるオーナーも増えているという。クルマの様々な相談ができる場所がディーラーであり、その間口を広げるためにも、オートサロンという場所が十分に機能しているとGR Garage MTG日の出町の担当者は話してくれた。
MTGが目指すのは、クルマの「プロ」になるということ。ルールを理解し、明確なYESとNOを伝えながらも、様々な視点から提案を行い、オーナーからの相談に乗れるプロ集団であることが、MTGの目標であり、誇りのようにも感じられた。
確かな知識と確かな技術、そしてオーナーと一緒にクルマを楽しむという姿勢が、今回のシエンタとクラウンから伝わってくる。これからも、クルマのプロとして磨きをかけるため、宮城トヨタグループの挑戦は続いていく。
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みんなのコメント
車高ぺったんな車で行ける所もあれば、ジムニーですら行きつくことができない所もある。
別にクラウンだったら、フルノーマルで選択肢は十分広いよ。
てゆうか、40~50ミリアップした程度だったら、行ける所はたいして増えないでしょ。
それ以上アップしたら、普段使いが不便になるし。