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「スカイラインGT-R」を凌駕するパワーを獲得 ランエボ第2世代の劇的進化を振り返る

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「スカイラインGT-R」を凌駕するパワーを獲得 ランエボ第2世代の劇的進化を振り返る

■自主規制上限の280PSに達したエボIV

 1995年10月に三菱自動車は5代目となる「ランサー」をフルモデルチェンジしました。それにともない、これまでと同様にランサーをベースとした「ランサーエボリューション」が設定され、「ランエボ」は第2世代へと生まれ変わりました。第2世代では“エボIV”“エボV”“エボVI”が登場しました。

すべては勝つためのエボリューション 三菱「ランエボ」第一世代の変遷を振り返る

 1996年8月に「ランサーエボリューションIV」(エボIV)が発売されました。大きな特徴として、新たにツインスクロールターボを採用した4G63型2リッター4気筒ターボエンジンが、当時の国内自動車メーカー各社にあった最高出力自主規制の上限値である280PSまでパワーアップしました。

 駆動系にも、電子制御で後輪の左右の駆動力をアクティブに変化させる「アクティブ・ヨー・コントロール」(AYC)を三菱独自の旋回性能向上システムとして初搭載。このエボIVから電子制御化が始まります。

 さらに空力特性を改善し、フロントゼロリフト、空気抵抗係数(Cd値)0.30を実現するエアロパーツの装着。これにより、年々高速化するラリーフィールドでの空力合戦に対応していきます。

■シリーズ初の3ナンバーにより大きく進化したエボV

 1998年1月に「ランサーエボリューションV」(エボV)が発売されました。エボIVと同様の4G63型2.0リッター4気筒ターボエンジンですが、タービン変更や燃調制御の緻密化により最大トルクは38.0kg/3000rpmまで高められました。これは、国内最速を誇っていた「スカイラインGT-R」(R33型)を凌ぐ高トルクでした。

 エボVのボディは、エボIVまでの弱点とされていた『パワーを伝えきれないタイヤサイズ』を改善するため、より幅の広いタイヤを収められるようワイドボディとなり、シリーズ初の3ナンバー・ボディとなりました。

 ワイドボディ化やタイヤサイズのアップにともない、ブレンボ社製の4ポット対向ブレーキキャリパーを採用。また、競技用ベース車両となるRSグレードには、世界初のトルク感応式フロントヘリカルLSDを装備し、旋回性能をさらに高めました。

 走行性能や旋回性能が格段に向上したエボVは、WRC(世界ラリー選手権)でも各タイトルを獲得し、同時に三菱初となるマニュファクチャラーズチャンピオンも獲得しています。

■正常進化しWRCで好成績続出のエボVI

 エボVが発売された1年後の1999年1月には、WRCのレギュレーションに対応すべく「ランサーエボリューションVI」(エボVI)が登場します。

 基本的なエンジンスペックは、エボVから変更はありません。主な改良点としては、オイルクーラーの大容量化など冷却系の改善によりエンジンの耐久性を向上させました。

 モータースポーツ向けの「RS」グレードには、ターボチャージャーのブレード慣性力を低減させるためにチタンアルミ合金製タービンを採用して、エンジンのレスポンスを改善しました。当時考えられる『速く走るための技術』を惜しみなく投入しています。

 外見上の特徴としては、ラジエータなどの空気取り入れ効果を向上させるため、フロントのナンバープレート位置を中央から左にオフセットさせました。同時にフォグランプの小径化など空力パーツに改良が施されています。

 また、2000年1月には三菱自動車のWRCワークスドライバーだったトミ・マキネン選手の4年連続ドライバーズ・チャンピオン獲得を記念して、「ランサーエボリューションVI トミ・マキネンエディション」が特別仕様車として発売されています。

 こうして第2世代のランサーエボリューションは、エンジンのパワーアップ、電子制御などの革新的な技術の投入、空力の改善により格段に進化しました。また、ラリーでの活躍で『WRC=三菱』というイメージを定着させたモデルでもあります。

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