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31号車TOYOTA PRIUS apr GT スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

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31号車TOYOTA PRIUS apr GT スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

2018 AUTOBACS SUPERGT
ROUND3鈴鹿サーキット
開催地:鈴鹿サーキット(三重県)/5.807km

5月19日(予選)天候:晴れ
コースコンディション:ドライ 観客数:20,000人
5月20日(決勝)天候:晴れ
コースコンディション:ドライ 観客数:33,000人

【動画】スーパーGT新名物? こだわり抜いた31号車プリウスのドライバーズ・アピアランス

 予選21番手からの大追走で9位フィニッシュ。この2ポイントが最後に生きることを信じて全8戦で争われるスーパーGTシリーズの第3戦、『SUZUKA GT 300km』が鈴鹿サーキットで開催された。今年もaprは2台のトヨタ・プリウスZVW51を走らせ、#31 TOYOTA PRIUS apr GTを、新たにコンビを組むことになった、嵯峨宏紀選手と平手晃平選手に託すこととなった。

 開幕戦こそリタイアしてしまったものの、この時2番手まで上がったパフォーマンスは誰にも記憶に新しいはずだ。これならば、と思わせた、富士での第2戦では期待を裏切らなかった。
 
 悪天候のためスケジュールが大幅に改められ、一発勝負となった予選こそ7番手に甘んじたものの、しっかり天候も回復した決勝レースでは激しい追い上げを見せ、中盤に2番手に浮上すると、2回目のピットでタイヤ無交換に討って出て、なおポジションを最後までキープしたからだ。
 
 新コンビ結成2戦目にして、早くも表彰台に上がれたことで、ドライバーだけでなくチーム全体のムードが向上しているのは明らか。これをこのまま維持していきたいところだ。第3戦の舞台は鈴鹿サーキット。従来は1000kmレースとして夏の終わりに行われていたが、今年から5月に移され、300kmレースとして開催されることとなる。
 
 そのため、時期の違いによるコンディションの変化もあれば、今までのようなピット戦術の妙が大きく結果を左右することはなくなったとはいえ、2016年には予選、決勝ともに2位につけ、速さを極められた経験もあるだけに、2戦連続の活躍も期待できそうだ。

公式練習 5月19日(土)9:00~10:25
 数日前の天気予報では土曜日は雨が降ると伝えていたものの、実際に降ったのは未明から早朝までで、このレースウイーク走り始めとなる公式練習が行われる頃には、サーキットの上空には青空が広がり、路面も一部にウエットパッチを残すだけとなっていた。
 
 今回、最初に#31 TOYOTA PRIUS apr GTに乗り込んだのは平手選手。スタートと同時にピットを離れ、最初の確認を行った後、ピットイン。その間に赤旗中断があったが、10分目の再開と同時に本格的な走行を開始することとなった。まもなく1分59秒台に入れた平手選手は、さらに2回の赤旗中断を挟みつつ、勢力的に周回を重ね、1分58秒505をマークしたところでピットイン。ラスト10分間のGT300単独セッションから、嵯峨選手の走行となる。
 
 セッション終了まで走り続けた嵯峨選手は、最後に1分58秒969をマーク。続いて行われたサーキットサファリは嵯峨選手が1周だけの計測で、平手選手にバトンタッチ。チェッカーまで走り続けて、予選に向けた最終チェックを完了させた。
公式予選Q1 5月19日(土)14:35~15:00
 今回、予選Q1に挑んだのは平手選手だ。コンディションは引き続きドライながら、それまでも吹いていた風はより勢いを増し、ホームストレートに対して追い風となっていた。これがストレートで最高速を伸ばし、逆に向かい風となったS字などでより強いダウンフォースを発生させたことから、予選はレコードラッシュとなったが、#31 TOYOTA PRIUS apr GTはその恩恵を授かることは許されなかった。
 
 セッション後半に路面状態が向上すると判断し、開始から5分ほど経過したところからの走行開始とし、入念にウォームアップを行ったところからアタックをかけたのだが、その最中に赤旗が出されてしまったのだ。そこで終了とされてもおかしくないタイミングではあったが、残り6分間のカウントで再開されたのは不幸中の幸い。
 
 だが、すでに熱が入って、冷えてしまったタイヤでは本領を発揮できず。しかもブレーキのアンバランスを訴えながらも、平手選手はコースをはみ出すほど渾身の力を込めてコースを攻め立てたものの、1分58秒593をマークするのが精いっぱい。21番手に甘んじ、Q2で待つ嵯峨選手にバトンを託せぬまま、予選を終了することとなった。

嵯峨宏紀選手
「鈴鹿は我々にとって得意ではないのは分かってましたが、朝のフリー走行の結果からも、思いのほか周りとの差が顕著でした。順当にアタックできてもQ2は微妙だったと思います。なので、この順位が我々の実力と受け止め、明日は作戦も駆使して10位以内を目標とします」

平手晃平選手
「アタックタイミングでの赤旗が、すべてでした。マシンにおいてはブレーキのバランスが非常に悪く、最後のアタックのシケインでマシンを止め切ることができなかった。厳しい予選順位となったが、明日は、11台抜けば10位、1ポイントなのでチーム一丸で全力を尽くします」

金曽裕人監督
「ここぞ! の時に赤旗。ついていない流れでした。それに加えて、ブレーキバランスが悪くコントロールは難しかったはず。元々の目標がキッチリとポイントを稼ぐことなので、何が何でも10位以内に明日は入りたい。まずは、ブレーキのアンバランス原因を調べ、明日は両ドライバーに気持ちよく決勝を戦ってもらえるようにします」

決勝レース(52周) 5月20日(日)15:20~
 本来ならば、13時05分から決勝レースのスタート進行が開始され、併せて20分間のウォームアップが行われる予定だったが、直前になってシステム調整のため、遅れが生じることがアナウンスされた。当初は20分遅れとされたが、その後40分遅れに改められた。
 
 そして、その遅れはそのままレースのスタートの遅れにも。ウォームアップはスタート担当の嵯峨選手から走行を開始し、2分2秒481をマーク。残り4分間は平手選手が走行し、2分2秒563をマークしたところで終了となった。強い陽射しはそのままに、土曜日とは異なり、風もだいぶおさまった中で開始された決勝レースで#31 TOYOTA PRIUS apr GTは好発進を遂げ、オープニングラップのうちにひとつ順位を上げて、2周目にももう1台を抜いて20番手に。
 嵯峨選手は、そのまま順調に順位を上げ続け、9周目には5番手ポジションアップの16番手に浮上する。なおも前を行く車両とは僅差とあって、そのまま順位を上げて行くことが期待されたが、13周目からセーフティカーが導入される。GT500車両がデグナー先でスピンしてコースアウトしていたためだ。

 SCラン中のピットインは禁じられているが、再スタート直後に入れば、わずかながらもロスを減らすことができる。そこでチームは#31 TOYOTA PRIUS apr GTをすぐにピットへと戻すことを決め、17周目に平手選手と交代。タイヤを換えていたため、同じタイミングで代わった車両で前にいるのは、いずれも無交換。素早くコースに送り出してくれたスタッフへの感謝を、27周目の1コーナーでのオーバーテイクで伝え全車がドライバー交代を終えると、平手選手は10番手で入賞圏内に。
 
 さらに36周目には9番手に浮上! そのままポジションを守って2ポイントを獲得することとなった。次なる舞台は海を渡って、タイのチャーン・インターナショナルサーキット。6月30日~7月1日に開催されるシリーズ第4戦でも、今回の決勝レースのようなアグレッシブな展開を期待したい。
 
嵯峨宏紀選手
「予選21位から追い上げて9位。まぁポイントは取れて良かったです。苦しい時にも確実にポイントを取るレースを今までなかなかできていなかったので、今年はそういう粘り強さをテーマに頑張ってます。次戦はタイです。プリウスと相性が良いとは言えないサーキットですが、ここも粘り強くポイントは取りたいです」

平手晃平選手
「有言実行。21番手から12台抜きで9位。やっぱりこのチーム素晴らしい。今年はやれる気がします。前半戦はプリウスの不得意サーキットが続くので耐え凌いで、勝負は夏の富士からできるように、次戦も確実にポイントを稼ぎたいです」

金曽裕人監督
「昨年の鈴鹿はリタイア。それに比べての進歩はあったが、全く速さでは勝負権が無かったです。長距離レースであれば、作戦で更なる上位はあったかも知れないが、300kmレースでは充分な結果だと思います」

「両ドライバーとメカニックと応援くださった皆様に感謝です。根本的な課題は、この鈴鹿で速さを出せるようにマシン開発が必要だということです」

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