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【比較試乗】「マツダ・マツダ3 セダン vs メルセデス・ベンツ Aクラス・セダン」日独のコンパクトセダンで都会を抜け出て温泉地へ

掲載 更新 202
【比較試乗】「マツダ・マツダ3 セダン vs メルセデス・ベンツ Aクラス・セダン」日独のコンパクトセダンで都会を抜け出て温泉地へ

クルマの本質を見極めるには、やはり距離を走ってみるのがいい。じっくりと向き合い対話することで、それまでは気づかなかった意外な一面が露わになってくるからだ。このグルメ/温泉編では、Aクラスセダンとマツダ3セダンで温泉とランチが楽しめる新城の湯谷温泉を目指した。

長距離走行がラクになるAクラスのトルク特性

【比較試乗】「アウディ A4 vs メルセデス・ベンツ Cクラス ]セダンで行くショートトリップのススメ。極上の乗り心地とともに芸術の秋を堪能

コロナ禍のまっただ中、旅に出るには慎重な判断が必要になる。まずは、移動手段だ。公共交通の利用に不安を感じている人が少なくない。そこで見直されているのが、自家用車での移動だ。そのため、クルマの販売は一気に落ち込んだが早くも回復傾向にある。

目的地も、人ごみは避けたい。散策こそ旅情感が増すものの、クルマから絶景をめでることもできる。あるいは、旅館などの宿泊先が目的地でもいい。不特定多数との接触が避けられ、趣のある料理が供され良質な温泉に浴せば心まで和む。宿泊しなくても、日帰りのひとときでの非日常の体験となる。このページでは、そんな旅を誌面で再現してみることにする。

遊び道具をたくさん積み込むならSUV、親子3世代で移動するならミニバンという選択がある。ただ、その必要がなければCセグメントのセダンが果たす役割で十分だ。いや、旅に出ないときに余計な空間を動かす必要がないだけに、積極的な選択となる。

Aクラスのセダンは、4ドアクーペのCLAとモデル内で競合しそうだが棲み分けはできている。後席の頭上スペースは十分な余裕こそないが、大柄な男性が4名乗車をしても窮屈感がない。

ただ、後席に乗員がいると路面の段差などを通過した後にフロントに対するリアの振動が一瞬だけ遅れて収束することがある。後席で確かめたところ、揺れ残りを伴うことはなくまったなく同行者が不快感を覚えずに済む。

その意味では、日帰りができる程度のショートトリップでも快適な走りが約束される。運転席での印象にしても、意識すれば気づくだけなので快適性を損なうことはない。試乗車のA250は、スポーツコンフォートサスペンションを装備するので設定は少しだけ引き締まっているが、揺れではなく路面からの衝撃が伝わる場面でも高剛性ボディがそれを抑え込む。

ステアリングは、切れ味がスムーズでいて直進時はセンターが落ち着いているので高速道路の移動距離が長くても負担にならない。2Lの直列4気筒ターボエンジンは、低回転域から充実したトルクを発揮。走行車線から追い越し車線に移り先行車を抜く過程でも、アクセルを少し踏み足せば回転数をジワッと上げつつDレンジのままでこと足りてしまう。

温泉地といえば、多くは山間部にある。そこまでのワインディングロードも、Aクラスで移動すれば旅の楽しみになる。コーナーを攻めるような走りは同行者のヒンシュクを買いかねないが、気持ちよく駆けぬけたくなる思いは伝わるはずだ。コーナリング中のボディがムダに動かないので安定性が高くクルマに対する信頼感が抱けることは、後席でも変わりがないからだ。

マツダ独自のトルク制御でコーナリングが楽しくなる

マツダ3も、ワインディングロードを駆けぬけることが楽しくなるセダンだ。マツダ独自のGベクタリングコントロールにより、ステアリング操作に対してエンジンのトルクを制御。たとえば、コーナー進入時はトルクを抑え荷重をフロントに移すことでより正確な応答性を実現している。ただ、制御感はまったくない。それでも、ステアリングを切った通りに曲がってくれるため、マツダが追求する「人馬一体感」が確かめられる。

さらに、マツダは以前からシート設計にこだわっている。かつての日本車は、オーナーがどんな座り方をしても文句を言われないことを重視していたが、マツダのシートは違う。エンジニアが意図する最適な座り方に自然と誘うように、シートに深く腰をかけてしまう。結果的に背中から大腿部にかけてシートにフィットするので、後席を含めドライバーがコーナーを駆けぬけても同乗者の体がグラつきにくくなる。また、背もたれの下部で腰を支えるのでうっ血が抑えられ、長時間座っていても疲労度が軽減される。

静粛性が高いことも、マツダ3の特長だ。特に、ロードノイズの抑制はAクラスだけではなくCセグメントのドイツ系プレミアムを超えている。ザラついた路面を通過する際に聞こえるゴーッという感じのノイズの音量が低いことに加え、響きにくく異なる周波数が重なり音源が複数あるような印象とも無縁でいられる。そのため、聞こえても耳障りにならない。

ただ、制限速度が100km/hならエンジン音は耳に届かないが試験区間で120km/hになるとボーッという感じで聞こえてしまう。それは、遮音性の問題ではなく6速で2600rpmとエンジン回転数が高いからだ。一般路では、60km/h以下で6速までシフトアップされるのにその上にギアがないというのは機能として現代的とはいえないと思う。

エンジニアは、回転数が低ければいいわけではないという。とはいうものの、試乗車が搭載するマツダが世界に誇る火花点火制御圧縮着火式のスカイアクティブXは市街地で1500rpm以下を保つ場面が多くなっているのだ。

温泉と食事を嗜んだ後、帰路はクルージング&トラフィック・サポートにアクセル操作とブレーキ操作を任せる機会が多かった。だが、一定の速度を保つのに上り勾配で時に6速からダウンシフトされることが惜しまれる。中回転域にかけてのトルクは、2Lの直列4気筒エンジンとしてはより充実させたいところ。ただ、力強さの余裕を期待するなら1.8Lの直列4気筒ディーゼルターボのスカイアクティブDも用意される。

クルージング&トラフィック・サポートには、車線維持のためにステアリング操作をアシストする機能も含まれる。同種の機能は、Aクラスのアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックとアクティブレーンキーピングアシストも備えるので、多くの場面でアクセル操作やブレーキ操作の必要がなくステアリングには軽く手を添えておくだけで済む。こうした制御の精度は、技術で先行するAクラスの方が高かった。それだけに、旅の余韻にも浸りやすかったこともつけ加えておこう。

【Specification】MAZDA MAZDA3 SEDAN X L PACKAGE
■全長×全幅×全高=4660×1795×1445mm
■ホイールベース=2725mm
■車両重量=1440kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V/1997cc
■最高出力=180ps(132kW)/6000rpm
■最大トルク=224Nm(22.8kg-m)/3000rpm
■トランスミッション=6速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:トーションビーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=215/45R18:215/45R18
■車両本体価格(税込)=3,380,463円
お問い合わせ
マツダ 0120-386-919

【Specification】MERCEDES-BENZ A250 4MATIC SEDAN
全長×全幅×全高=4550×1800×1430mm
■ホイールベース=2730mm
■車両重量=1530kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1991cc
■最高出力=224ps(165kW)/5500rpm
■最大トルク=350Nm(35.7kg-m)/1800-4000rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=205/55R17:205/55R17
■車両本体価格(税込)=5,160,000円
お問い合わせ
メルセデス・ベンツ日本 0120-190-610

【Another Choice】BMW 2SERIES GRANCOUPE/2シリーズ・グランクーペ

M235iの走りは超刺激的

Cセグメントの4ドアクーペとして注目度が高まっているが、大柄な男性にとって後席のスペースに余裕を感じない。そこを割り切れれば、スポーツセダンとしての価値が高い。その中でも、 M235iの走りは超刺激的だ。

【TRIP GUIDE】
はづグループ=はづ合掌/はづ別館/はづ木/湯の風HAZU

今回、訪れたのは日帰りプランがある「湯の風HAZU」。はづグループには重厚な合掌造りの宿「はづ合掌」、古き良き民芸の宿「はづ別館」、温泉と薬膳料理が魅力の宿「はづ木」があるので、宿泊希望の方はこちらもオススメ。

住所:はづ合掌/愛知県新城市豊岡字南平18-1、はづ別館/愛知県新城市豊岡字滝上11-4づ木/愛知県新城市豊岡字滝上45-1、湯の風HAZU/愛知県新城市能登瀬上谷平4-1
電話:0536-32-1211(受付時間9:00~20:00)http://www.hazu.co.jp/




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みんなのコメント

202件
  • 旅に出るなら欧州車に限る!

    いくらベンツがAクラスでもボロでチープで乗り心地悪いマツダごときと比べるな!!
  • Aクラスは180じゃなく250なの?
    180に乗るぐらいなら国産車でいいと思うけど、250は別格。
    マツダ3では相手にならなくて当たり前、180と比べないと。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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