スピリットRをT618Zボルトオンターボで武装!
速さだけでは語れない質の高さを追求する
ここで紹介する車両は、これまでBCNR33GT-Rでドラッグレースを目指していたというオーナーが、“アバンス名東”と二人三脚で製作を進めたストリートチューンドだ。
コンセプトは、質感の高いストリートチューンドとして“楽しくお洒落に乗れる”こと。というのも、現在も所有するGT-Rは、“やるだけやる”という勢いでチューニングを重ねた結果、気がつくと快適装備は失われ、最終的にはナンバーレスの競技仕様となってしまった経験があるからだ。
ベース車に関しては、当時、新車で販売されていたスポーツカーを吟味。ZN6型86とRX-8を天秤にかけた結果、最後のロータリーになるかもしれないRX-8の最終型、スピリットRを選択した。
13B-MSPエンジンは、トラストのボルトオンターボキットでドーピング。タービンはT618Zで、風量的なキャパシティとしては300~350psも可能なサイズだが、ノーマルエンジンに負担なく装着できる範囲ということで、キット推奨のブースト圧0.5キロに設定。実測265psという仕様だ。RX-8の実質的なノーマル出力が200ps程度のため、パワーアップ率はハンパではない。
燃調など制御に関しては、キットに付属するeマネージアルティメイトをそのまま使用。将来的には、ブースト圧を上げることなども考えているので、その時にはフルコン化や現車セッティングなどを考えているという。
吸気、サクションパイプ、インタークーラーに関しても今回はキット品をそのまま装着。フルチューンGT-Rに慣れたオーナーにとって物足りなかった加速フィールもストレスのないものになったという。
エキゾーストマフラーは、ヒートグラデーションが美しいR1チタンのエクストラ・ゴールドリング。リヤバンパーの寸法に合わせて、テールの位置や長さをカスタムオーダーしたスペシャルだ。
ストリートのみならずミニサーキットでの全開走行まで視野に入れ、ブレーキもキッチリと強化。フロントには、370mmのローターを使ったブレンボの6ポッドキャリパーシステムを投入し、圧倒的なストッピングパワーを手にした。
リヤブレーキはローター径を拡大してキャリパーをオフセット。ちなみに、キャリパーカバーもブレンボ風に塗装して見た目を整える。
普段から18インチのアドバンA050を履き、気が乗ったその時に思いっきり攻められる足回りを目指す。足回りはHKSのハイパーマックスMAX IV GTを軸に構築する。
エクステリアは、さりげない加工を施したRマジックのフロントバンパーや、セイボンのカーボン製リヤスポ、レッグモータースポーツのリヤディフューザーなど、オーナーの好みでセレクトしたエアロミックス仕様。吟味したというだけあり、センス良くまとめられている。
現在はまだ発展途上の段階で、そのステップを1段1段登ることを楽しんでいる最中。気兼ねなく乗れてその気になればしっかりと戦えるファインスペックを目指し、これからもチューニングを重ねていくそうだ。
●取材協力:アバンス名東 愛知県名古屋市守山区太田井5-29 TEL:052-796-0271
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