■アセスメントって何?
2021年5月25日、スバル「レヴォーグ」がJNCAP「自動車安全性能2020ファイブスター大賞」を受賞しました。公開された画像では、オフセット衝突実験で激しくぶつかるレヴォーグの姿が印象的です。
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さて、このJNCAPとは、いったい何なのでしょうか。
まず、読み方についてですが、自動車業界では「ジェーエヌキャップ」と呼ばれています。正式は、ジャパン・ニュー・カー・アセスメント・プログラムといいます。
アセスメントの本来の意味は、「客観的な立場から評価すること」です。
JNCAPにおけるアセスメントについては、国土交通省が次のように定義しています。
「ユーザーが安全な自動車やチャンルドシートを選ぶことができる環境を整えるとともに、メーカーによる安全な自動車等の開発を促進することによって、安全な自動車等の普及を促進しようとするものです」
つまり、アセスメントは、法律や規定という考え方ではなく、完成したクルマに対して第三者が車両を購入して、安全性についての実験をおこない、その結果を一般に向けて公開するというものなのです。
JNCAPは、国土交通省の告示に基づき、国土交通省、有識者、そして実際に試験をおこなう独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が自動車アセスメント評価検討会を開き、評価対象の選定、試験の実施、とりまとめの公表をおこないます。
さて、JNCAPの歴史ですが、実はさほど長くありません。
始まりは26年前の1995年度で、正面衝突を想定したフルラップ前面衝突試験による衝突安全性能評価とブレーキ性能に関する評価を始めました。
その後、サイドエアカーテンエアバックや後席シートベルトなど、様々な評価が段階的に加わっていきます。
そうしたなか、JNCAPでの大きな変化を迎えたのが2014年度です。この年から、予防安全性能評価が始まったのです。
これは、国内メーカーでは、スバルのアイサイト装着車の販売が好調となり、トヨタなど他メーカーも衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)の新車での装着比率が一気に上がってきた時期です。
その後、JNCAPの試験は、衝突安全性能と予防安全性能それぞれについての評価を得点化してきましたが、今回から衝突安全性能(100点満点)、予防安全性能(82点満点)、さらに事故自動通報システム(8点満点)の以上190点満点での総合評価が採用されました。
そうした新採点システム導入で、スバル「レヴォーグ」は186.91点を獲得し、ファイブスター賞の対象車種のうち最高得点となり大賞に輝いたのです。
スバルの車両安全開発部の古川寿也部長は「JNCAPは実際の事故事例をもとに、評価項目を設定しており、(今回の大賞受賞は)事故に対するより良い安全性能の証明となる」と受賞の感想を述べました。
さらに「お客様に対して安全性能を実際に伝えるのは難しい。あってはならないことなのですから。それだけに、JNCAPの存在意義は大きい」とJNCAPの重要性を強調しました。
■日本はEuro NCAPを意識
こうしたNCAP(ニュー・カー・アセスメント・プログラム)は、日本のJNCAPのほかにも世界各国でおこなわれています。
欧州でのEuro NCAP、中国でのC-NCAP、韓国のKNCAP、オーストラリアとニュージーランドのA-NCAPがあり、さらにアメリカでは運輸省道路交通安全局(NHTSA)と米国道路安全保険協会(IIHS)が併存する形です。
これらの試験方法は、それぞれの国や地域の社会状況や交通事情、また試験に対する各団体や行政機関の考え方、そして実際に発生している事故の状況に応じてそれぞれ方法に特徴があり、さほど大きくないとはいえ検査の項目や条件などに差があるのが実情です。
例えば、正面衝突を想定したフルラップ前面衝突試験をNHTSAではおこないますが、IIHSやEuro NCAPではおこなわず、オフセット前面衝突試験を重視しています。また、Euro NCAPでは電柱などポールに対する側突試験や、シートベルトリマインダーの装着有無、さらにはスピードリミッターの装着有無も試験項目に含まれています。
JNCAPについては、筆者がこれまで自動車メーカー各社と意見交換している限りでは、「Euro NCAPを意識したもの」という見解が主流にあると思います。
実際、国土交通省が公開している評価検討会の議事結果をみると、参加した委員などからEuro NCAPの動向を示唆する意見が見られます。
また、公開されているJNCAPのロードマップによると、近年中に新たに実施される試験項目は、被害経緯ブレーキによる対自転車や、交差点内での作動などが検討されていることが分かります。
今後は、運転支援技術が高度運転支援システム(ADAS)からレベル3以上の自動運転へと移行するなかで、JNCAPでは新たなる試験項目が必要になってくるでしょう。
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