心臓部は拘りの2.1L+RX6タービン仕様!
内装は180SX後期仕様にフルリメイク!
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このS13シルビアを高瀬さんが手に入れたのは、今から15年近く前のこと。今では考えられない話だが、実走5万5000キロのQ’s(NAグレード)を約15万円で購入したそうだ。
それからは、街乗り用のメインカーを別で用意し、シルビアは日光サーキットメインのドリフト専用機として育成。生活環境の変化や気分などで幾度となくメインカーは乗り替えたが、シルビアを手放すことはなかった。そして結婚を機に所有車をシルビア1台に絞ることとなり、ドリフト専用からストリートスペックへの仕様変更を決意した。
リメイクの際に、内外装のテーマを“純正+α”と決めてスタンダードなスタイルを追求。そのため、エクステリアはグリル以外はあえて純正で統一しているのが高瀬さんの拘りだ。何より驚かされるのは各部のコンディション。ヘッドライトやエアロパーツのチリ、前置きインタークーラーの処理など、どこを見ても“美しすぎる”のである。
リヤまわりも純正をキープ。マフラーは柿本改の保安基準適合モデル、排気環境は触媒もキッチリと装着された車検対応スペックとなる。ちなみに、ナンバーの化粧プレートに描かれている“疾風”とは、高瀬さんが所属するチームの名前だ。
ノーマル然としたエクステリアとは対照的に、エンジンはカリカリのフルチューン仕様というのがこのマシンの面白いところ。走行4万キロのSR20DEをベースに腰下をナプレックで加工し、ワイセコピストンや東名パワードの強化コンロッドを組み込んで排気量を2.1Lまで拡大。ヘッドはS13のSR20DET用を使って、カムにはHKSのハイリフトを奢った。
組み合わせるタービンはウエストゲート式のRX-6だ。絶版の名タービンだが「30代以上のクルマ好きなら共感してもらえると思うのですが、F1タービンと呼ばれたペケロクには強い憧れがありまして」とは高瀬さん。性能度外視のターボチョイスというわけだ。最高出力は、F-CON Vプロによるエアフロレス制御で実測380psを絞り出している。
サスペンションは、しばらくGPスポーツのGマスター+スイフトスプリングの組み合わせだったが、リメイクに伴いクスコのストリートZERO-Aに変更した。アーム類はクスコのアッパーアームとトーコンロッドを投入。ドリフトに重要な切れ角は、ワンオフのショートナックルで限界まで増やしている。ホイールは5穴ハブ化した上で、BCNR33純正をセットする。
室内も拘り満載だ。パッと見は自然すぎて気づきにくいが、このシルビアの内装はダッシュボードからドア内張りに至るまで、フルで180SX後期にコンバートされているのだ。シートはBCNR33純正で、ドリフト時には以前まで使っていたブリッドのジータIIIに変更するという。ミッションはニスモ6速を奢る。
「今、NISMOのホーンボタンを狙ってるんですけど、ヤフオクで新品未使用が5万円くらいで出品されてるんですよ。昔は2000円くらいで買えたのに!」と嘆く高瀬さん。いやいや、この極上S13シルビアの価値も今では相当なものですよ!?
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