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マニアもクルマのプロも知らないってどういうこと!? 日本人の大半が聞いたことすらない世界の自動車メーカー【ヨーロッパ編】

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マニアもクルマのプロも知らないってどういうこと!? 日本人の大半が聞いたことすらない世界の自動車メーカー【ヨーロッパ編】

 この記事をまとめると

■日本ではほとんど知られていない世界の自動車メーカーを紹介

【フォードだけじゃない】残念ながら日本から撤退した輸入自動車ブランド4選

■日本でもメジャーなドイツやフランスにも誰も知らないような自動車メーカーがある

■オランダ、スペイン、チェコ、スイス、ベルギー、ルクセンブルク、ルーマニアにも自動車メーカーがあった

 世界各国にさまざまな自動車メーカーが存在!

 日頃からモータージャーナリストなどといいう肩書を名乗っているが、俺もその存在すら知らないメーカーが多々ある。とくにスーパースポーツメーカーの新興勢力はタチが悪い。プロトタイプを完成させたと思ったら、すぐにお金がなくなって倒産してしまったりするからな。ここでは一応、ある程度の台数を現在でも生産している自動車メーカーにかぎって、自分の頭の限界に挑戦することにしたい。

 まずはドイツを本拠とするふたつのメーカーを紹介しよう。ひとつは2013年に一度倒産したものの、2018年に復活した「ヴィーズマン」。復活後には個性的なスタイルのボディにBMW製のエンジンを搭載して「GTMF5クーペ」と「MF4ロードスター」を、また2019年にはM5のエンジンを用いた「MF6」を搭載したさらに高性能なモデルをデビューさせるなど、より積極的な活動を行ってきた彼らが次なるプロジェクトとしたのは世界初のEVロードスターを主張する「プロジェクト・サンダーボール」。航続距離は500kmを可能にする期待のBEVスポーツだ。

 同じくドイツの「YES!」は、コンパクトなロードスターを少量生産しているメーカー。1.8リッターと3.2リッターの両エンジンの選択が可能で、後者は自然吸気とターボの選択ができる。ターボ仕様の0-100km/h加速は3.9秒と魅力的だ。

 その隣国、フランスに1984年に設立された「MVS」は、フランス語でスポーツカー製造会社の略。その車名どおりに1980年代半ばから1990年代にかけて、ミッドシップスポーツのMVSヴェンチュリーなどを生産するが、2000年に倒産。その後モナコのギルド・バランカ・パストールによって買収され、モナコでEVスポーツカー、フィティッシュの生産を行うほか、「MSG」へとブランドを変更し、フォーミュラーEへの参戦も計画している。

 F1の世界では長い歴史と実績を残したリジェは、2018年にリジェ・オートモーティブに社名を変更。現在でもスポーツプロトタイプに象徴されるレーシングカーのほか、カスタマーのリクエストを反映したワンオフモデルの製作などを行っている。小型のシティ・コミューターの生産も、最近の同社にとっては重要なビジネスのひとつだ。

 そのフランスではクアドリシクルと呼ばれる小型マイクロカーは、現在では運転免許証がなくても乗ることができるということで人気を博している車種。日本ではまったくその名を聞かない「エクサム」社は、このマイクロカーの市場では圧倒的なシェアを誇るメーカーで、現在ではBEV仕様もラインアップされているという。

 次はこの国に自動車メーカーなんてあるの、という疑問を持つ人も多いと思うオランダ。ここにも「スパイカー・カーズ」、「ドンカーブート」、「ヴァンデブリンク」といったメーカーが存在している。

 スパイカー・カーズの設立は1997年。かつて第二次世界大戦前に存在したスパイカーと同社は一切の関係はないが、飛行機のプロペラと車輪をモチーフとしたエンブレムには、過去の歴史が物語られている。2010年にはGMからサーブ・オートモービルのブランドを取得。社名はスウェーディッシュ・オートモービルへと変更されるが、結局サーブの不振は続き2011年には倒産。その後中国のヤングマンからの出資を受け入れたことで破産は撤回された。現在ではスウェーデンのケーニグゼグからエンジンの供給を受け、高性能クロスオーバーを含めた3台の新型車を発表する予定だという。

 ドンカーブートは、かつてのロータス・セブンのコンセプトを現代の技術で進化させたモデルを1978年から生産しているメーカー。最新作はアウディ製のTFSI直列5気筒ターボエンジンを搭載するD8シリーズを主力商品としていたが、今年の12月10日には、ウエイトが800kgを切るというスーパースポーツ、F22が発表される予定だ。

 ヴァンデンブリンクは、独自に自動車のデザインを考案し、ベースのモデルでそれを再現する、いわばカロッツェリア的なビジネスを中心に活躍するメーカーだ。フェラーリ599をベースに、往年の250GTOを彷彿させる流麗なボディを再現したGTOなどはその代表作として知られる。

 スペインの「セアト」も忘れてはならない存在だ。同社は1982年にVW傘下に入ると、1984年にはジウジアーロ・デザインの初代イビザを発表。それは日本にも数百台が輸入されたとされるから、日本でも比較的知名度の高いブランドといえるのではないだろうか。

 このセアトと同様にVW傘下で比較的安価な価格設定のモデルを生産しているのがチェコの「シュコダ・オート」。同社はWRCなどモータースポーツにも積極的に参戦しており、それがブランドイメージを高めるために大きく貢献している。

 そのチェコには最近、新たなスーパースポーツメーカーも誕生した。2023年から、日産GT-Rに搭載される3.8リッターのV型6気筒ツインターボエンジンをさらにチューニング。最高出力を700psに、その一方で乾燥重量を982kgに抑えたという「ボヘマ」を、2023年から生産する「プラーガ」がそれだ。正式なデビューが楽しみな一台である。

 チェコ・ルクセンブルク・ルーマニアの自動車メーカー

 引き続いてスイスの自動車メーカーを調べる。スイスには大規模な自動車産業はないが、「リンスピード」や「スバッロ」など、これまでジュネーブ・ショーの常連としてさまざまなコンセプトのモデルを公開してきたメーカーが存在する。

 そしてここ最近の話題は、長く活動を中断していたものの見事に復活を遂げた「イスパノ・スイザ」。400km以上の航続距離、2.6秒未満の0-100km/h加速という性能、そして高級感の極みを備えるこの新型車を投入するという彼らの活躍には大いに期待したいところ。

 そういえばチェコには「MTX」というスポーツカーメーカーもあり、彼らはほかに警察車両や救急車両の製作も手がけている。その規模はさほど大きなものではないというが。

 ヨーロッパはまだまだ広い。まずは大陸側を一気に片づけておこう。ベルギーに本社を構える「ジレット」社は、1994年にレーシング・ドライバーのトニー・ジレット氏が設立したスポーツカーメーカー。当初はアルファロメオ製のエンジンを使用していたが、2011年以降はマセラティ製へと変更。新たに「ヴェルティゴ5スピリット」と車名も一新されている。

 ルクセンブルグの「MDI」は、こちらもインドのタタから資金提供を受けるベンチャー企業。彼らが行っているのは圧縮空気を動力源とする究極のエコカー開発。エアボッドと呼ばれるそれが実用化されれば、それは大きな話題となるに違いない。

 ルーマニアのメーカー、「ダチア」も忘れてはならない。同社は1966年に設立され、最初はルノー8をダチア1100という車名でノックダウン生産していたが、2004年に発表したロガンの成功によって一気にその評価を高めた。その後車種ラインアップも急速に広がっている。

 さて、ルーマニアまで来たのなら、どうしても避けられない次の国はロシアということになるのだろうか。ちなみにロシアで最大の自動車メーカーは「アウトヴァース」。日本でもっとも知名度のあるプロダクトは、あのラーダ・ニーヴァだ。もちろん現在では、グランタなど現代的なモデルの生産も行われている。

 2005年から現代的なSUVのパトリオットを生産している「UAZ(ワズ)」もロシアでは根強い人気を持つブランドだ。

 ほかにはロシア初のスーパーカーとなるべく、マルシャ81を開発していた「マルシャ・モーターズ」などが存在したが、多くの自動車メーカーがそうだったように、その夢が叶うことはなく倒産へと追い込まれた。

 ヨーロッパの大陸側をざっと見たところで、次はあまり足を踏み入れたくない国に進もうと思う。その名前は多くの人が想像するとおりイギリス。とにかくこのイギリスという国、大小含めて自動車メーカーの数が多すぎる。というわけで、今回はここで一時休憩。次回は残りのイギリスやアメリカなどを中心に、知る人ぞ知る自動車メーカーの紹介を続けたいと思います。たぶん、ね。

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