アルピーヌA110が復活したのは2016年のこと。日本へは2018年末に導入開始、その類い希な運動性能が認められ、高い評価を獲得している。今回は、3つのグレード体系に再編された最新のA110の、それぞれの個性と特徴を検証してみた。(Motor Magazine 2022年8月号より)
グレード体系をA110、A110GT、A110Sの3グレードに改変
いまさらモンテカルロラリーなど世界ラリー選手権(WRC)での勝利やル・マン24時間レース、F1での活躍を引き合いに出さなくても、アルピーヌのクルマづくりにはモータースポーツのDNAがとても濃く現れている。
2022年WEC開幕戦でトヨタ敗れる。アルピーヌA480が緒戦を制す【セブリング1000マイル】
それはA110に試乗すると、クルマの至る所から感じられるのである。そして、サーキットを走りたくなる気にさせるのだ。今回、改良が施されたA110のハンドルを握った時も「思う存分、走らせてあげたい」と思ってしまった。
A110の改良点は、グレード体系だ。これまでのピュア/リネージュ/Sから、A110/A110 GT/A110 Sという3グレードに変わったのだ。さらにA110 GTは最高出力48ps/最大トルク20Nm、A110Sは8ps/20Nmアップされている。
3グレードを簡単に整理すると
【A110】最高出力252ps/6000rpm、最大トルク320Nmm/2000rpm、0→100km/h加速4.5秒、「アルピーヌシャシー」、車両重量1110kg
【A110GT】最高出力300ps/6300rpm、最大トルク340Nm/2400rpm、0→100km/h加速4.2秒、「アルピーヌシャシー」、車両重量1130kg
【A110S】最高出力300ps/6300rpm、最大トルク340Nm/2400rpm、0→100km/h加速4.2秒、「シャシースポール」、車両重量1120kg
ちなみにA110は全車、ボディを含む全体の約96%がアルミ製となり軽量化され、前後重量配分は理想に近い44対56となっている。サスペンションは、前後ともにダブルウイッシュボーンを採用するが、これはタイヤの接地性に優れるからである。
今回の改良では、3グレードの特徴も明確にされ、A110は俊敏性と快適性をバランス、A110 GTはまさしくグランドツーリングを楽しむため、そしてA110 Sは、クローズドコースでのパフォーマンスの追求という個性が与えられた。
搭載するのは、1.8L直4ターボエンジンである。これをミッドシップとすることやダンパー内にセカンダリーダンパーを備えたハイドリックコンプレッションストップを採用するといったところは、従来から変更はない。
メインで試乗したのは、A110S。鮮やかなオレンジのボディカラーとブレーキキャリパーがとても印象的である。
A110GTとA110Sでは乗り心地が違っている
走り出してすぐに頬が緩んだ。低速域から高速までクルマとの一体感がとても強いからだ。右足を踏み込めば、背後から聞こえてくるエキゾーストノートともに瞬時に回転計が跳ね上がる軽快なフットワークを見せる。
ドライブモードをスポーツにするとまた別の一面を見せてくれる。さらにエキサイティングなドライブフィールとなるのである。コーナリング時の姿勢変化も少なくオンザレール感がとても強い。終始安定しているところなど実にスポーティ、否、リアルスポーツカーである。
A110 GTにも試乗した。なるほど、こちらはA110 Sよりも乗り心地がマイルドだ。これは、シャシースポールかアルピーヌシャシーの違いだろう。だからといってA110らしさは、少しもスポイルされていない。
箱根のワインディングロードであれば、これで十分にエキサイティングな走りが楽しめる。つまりA110との違いはサーキットに持ち込みたくなるか、サーキットで楽しめるかに尽きると思う。
実は試乗が終わってもなかなか興奮が収まらなかった。少し気持ちを落ち着けてからクルマから降りたのだが、A110Sから、もっと走ろう、限界まで走ろうと語りかけられているかのように感じられたからだ。アルピーヌが長年にわたり蓄積してきたモータースポーツのDNAがそうした気持ちにさせるのかもしれない。(写真:井上雅行)
アルピーヌ A110S 主要諸元
●全長×全幅×全高:4230×1800×1250mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:1120kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1798cc
●最高出力:221kW(300ps)/6300rpm
●最大トルク:340Nm/2400rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:MR
●燃料・タンク容量:プレミアム・45L
●WLTCモード燃費:14.1km/L
●タイヤサイズ:前215/40R18、後245/40R18
●車両価格(税込):897万円
[ アルバム : アルピーヌA110S はオリジナルサイトでご覧ください ]
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
1.5リッターエンジンで「300馬力」オーバー! 超パワフルな「小さな高級車」発表に驚きの声! リーズナブルな「低価格」も実現した新型イヴォークとは
トヨタ新型「スポーティ“セダン”」実車公開に反響大! 迫力エアロ&パワートレイン強化で「マジ速そう」と評判に! マットブラックの新型「ミライ“スポーツ”C」独に登場
トヨタのカスタマイズ子会社がコメント発表 公正取引委員会は下請法違反で勧告へ
スズキ「斬新“タフ仕様”軽トラ」実車公開! 超カッコイイ「精悍“黒”顔」&「専用カスタム」! 新「スーパーキャリイ」アウトドアショーに出展
カローラより小さい!? トヨタの「小型クーペセダン」実車公開! スポーティカスタムがカッコいい「Yaris ATIV」タイでお披露目
いつも通る「一方通行」を違う時間に走ったら「逆走」ってマジか!? 違反車が多数出てしまうのに「逆転式一方通行」はナゼ存在する?
家電屋さんがクルマを売る!? ヤマダ電機が[ヒョンデ]の販売開始へ
トヨタ“次期型”「ハイエース」いつ登場!? デビュー20年目の「大人気“商用バン”」どうなる? “超静音モデル”化に期待か
スズキが「本格“軽”SUV」実車公開! 次期「スペーシアギア」!? 超カッコイイ「“ジムニー”顔」&「斬新内装」のアウトドアカスタムお披露目
三菱の「ランエボ“SUV”」!? 高性能4WD&パワトレ搭載の「スポーティモデル」! 斬新ドアも採用の「e-EVOLUTION C」が今でも話題に
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?