ピュアEV(電気自動車)ブランドへ変貌を遂げるジャガーにおいて、内燃機関搭載モデルの魅力とはいかに? アップデートされた「FペイスSVR」をテストドライブした、小川フミオがリポートする。
良いエンジン、良いクルマ
パワフルなワーゲンバスが欲しい人へ──新型フォルクスワーゲンID.Buzz GTX試乗記
マルチシリンダー(多気筒)エンジンの良さが忘れられない……そんな自動車ファンには、まだ喜びが残されている。2024年1月にパワーアップしたV8を搭載したジャガーFペイスSVRは、良いエンジン、良いクルマなのだ。
パフォーマンスSUVと銘打たれている、ジャガーFペイス。改めて今回、トップモデルのSVRに乗ってみて、エンジンをはじめとする魅力にやられた。わくわくする運転感覚をもったモデルなのだ。
Fペイスの発売は2016年にさかのぼる。2875mmのホイールベースをもつシャシーに4700mmを少し超える車体。「XF」と「XE」というジャガーのセダンと同じプラットフォームを使ったクロスオーバーというコンセプトが良かった。
とくに、2024年1月の改良で、スーパーチャージャーをそなえた5.0リッターV8エンジンは、出力が550psから575ps(423kW)へと向上した。
2.0リッターエンジン向けに開発されたようなシャシーなのに、Fペイスには5.0リッターV8がずっと設定されていた。あらためてドライブしてみると、バランスが良く、なにより運転が楽しめるのに感心。同時に、SVRは装備が充実した。列記すると下記のものが追加された。
・固定式パノラミックルーフ
・ヘッドアップディスプレイ
・プライバシーガラス
・リアシートリモートリリースレバー
・JaguarDriveコントロール(アダプティブサーフェイスレスポンス付)
実をいうと、Fペイスがデビューした直後、私はジャーナリストのなかで海外でまっさきに試乗した経験をもっている。あいにくそのときは、操縦性に大きな感銘を受けなかったのだけれど、年を追うごとにいいクルマになってきているのは知っていた。
今回のモデルの車名にあるSVRは、ラインナップ中もっともハイパフォーマンスなグレードを意味する。ハイパフォーマンスといっても定義はさまざまで、単に排気量が大きいから? という声も聞こえてきそうだけれど、繰り返しになるが、このV8モデルの場合、違う。多気筒エンジンの魅力を堪能させてくれるのだ。
良いところは、アクセルレスポンスの良さ。ペダルの踏力の調整からはじまって、右足とエンジンが直結しているような感覚だ。700Nmもの最大トルクをもつので、右足に軽く力を込めると、グーっと前へと出ていく。
かつ、この最大トルクは3500rpmで発生する設定なので、エンジン回転が上がっていくにつれて、もりもりと力が出ていく。そこもまたよい。
かつては大きなエンジン音を響かせていたものの、昨今ではパスバイ・ノイズ(通過騒音)規制が厳しくなって、だいぶおとなしくなった。そこがつまらないという人もいそうだけれど、このクルマには、ゆっくり走っても気持ちいいという“おとなっぽい”魅力があるので、これはこれで悪くない。
スポーティさとエレガンスさの両面性という点では、インテリアのデザインにも注目だ。
ヘッドレストレイント一体型シートは、全体のシェイプはレースカー的、ただ素材はラグジュリアスというもの。後席も、前席同様のカタチというのが、デザイン的にもしゃれている。
素晴らしいSVRであるが、ちょっと悲しい側面もある。このV8エンジンとも、もうすぐお別れかもしれないからだ。ジャガーはまもなく完全ピュアEVのメーカーへと変わる計画を立てている。早ければ2024年中に新世代のEVが姿を見せるかもしれない。
バッテリーEVとエンジン、両方というわけにはいかないものか……FペイスSVRに乗って、つくづくそう思った。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
もはや“ミニ”Sクラス──新型メルセデス・ベンツCLA詳報
なぜ「免許センター」を「電車で行けない場所」に作ってしまうのか…SNSで共感の声多数!?「栃木やばい」「京都も遠すぎ」不便な立地には「納得の理由」があった!?
約“7000cc”の「V型12気筒/ツインターボエンジン」搭載! 超パワフルな「新型セダン」発表! 斬新すぎる「大神殿グリル&豪華内装」採用した新型「ゴースト・シリーズII」ロールス・ロイスが発売!
京都~敦賀が「無料でほぼ信号ゼロ」に!? 北陸最短ルート「琵琶湖西縦貫道路」工事どこまで進んだのか 「激烈渋滞エリア」4車線化もまもなく!?
赤信号を無視した女、警察官に「緊急のオペがある。人が死んだらどうする」と説明… その後再三の出頭要請に応じず逮捕! 一体何が起きた?
「うわぁ!懐かしい!」 “腕回しバック駐車”は過去の話? 昭和で当たり前だったけど“令和で消えそう”な「クルマ運転あるある」5選!
軽の「黄色いナンバー」を「普通の“白い”ナンバー」に変えられる!? 「黄色は恥ずかしい…」「むしろかわいい」意見も? 軽専用の「目立つナンバー」に反響あり
使える!遊べる!もっと自由なクラウン「エステート」公開。大人の好奇心に応えるロングツーリング性能も磨かれている。
レクサス「LBX」が「スピンドルグリルをぶっ壊した」理由とは?【レクサス・インターナショナル プロジェクトチーフデザイナー袴田浩昭氏:TOP interview】
赤信号を無視した女、警察官に「緊急のオペがある。人が死んだらどうする」と説明… その後再三の出頭要請に応じず逮捕! 一体何が起きた?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?