2023年のF1世界選手権が閉幕。今シーズンは、レッドブルとマックス・フェルスタッペンが圧倒的な強さを見せ、フェルスタッペンが22戦19勝、レッドブルは22戦21勝……いずれも年間のF1最高勝率記録を更新する、ものすごい強さだった。
レッドブルは日本GPの際にコンストラクターズタイトル獲得を早々に決定。一方でランキング2位以下の争いは、最終戦まで激戦となった。
■レッドブルF1代表、姉妹チーム・アルファタウリと関係強化も悪名高き“コピー版”の「ピンクメルセデスにはならない」
なぜ各チームがコンストラクターズランキングを最後まで血眼になって争うのか? それは、ランキングがひとつ違うだけで、チームが手にできる”賞金”の額が、10億円以上も違ってくることもあるからだ。
最終戦まで争いがもつれたのは、メルセデスとフェラーリによる2位争い、マクラーレンとアストンマーチンによる4位争い、そしてウイリアムズ、アルファタウリ、アルファロメオ、ハースによる7位争い……つまり1位レッドブルと5位アルピーヌを除けば、その他の全てが最終戦まで決していなかったのだった。
F1における賞金は、F1全体の商業権収入の約50%が充てられ、”分配金”と言われることが多い。その分配金の配分比率は秘密だが、いくつかの情報を総合すると、ほぼ正確な金額を算出することができる。
ただ、この分配金の配分比率を決めたコンコルド協定には、一定以上の収益が得られた際には、F1マネジメント(FOM)の取り分が増えるよう規定されていると言われていて、F1チームがF1の総収入の50%を常に獲得できるわけではない。例えば2022年に関して言えば、F1全体の収入は25億7000万ドル(約3807億4500万円)だったが、そのうち11億5700万ドル(約1714億9500万円)がチームに分配されている。これは収入全体の45%に相当する額だった。
分配に充てられる金額も、全チームに平等に配分されるわけではない。コンストラクターズランキングによって額が増減するし、フェラーリなど歴史的にF1に貢献してきたチーム、過去に多大な実績を収めてきたチームに関しては、ボーナスが割り当てられる。
今季のF1の収益は最大で10%増加したと見られており、これを考えると、チームへの分配金総額は12億5000万ドル~13億ドル(1851億8700万円~1925億9500万円)になるものとみられる。
では、各チームの分配金額はいくらくらいになるのだろうか? 以下に算出してみた。なお下記の数字は、分配金の総額を10億ドルとして見積もった額であり、今季の実態とは差があることをご留意いただきたい。
1位:レッドブル 推定1億4000万ドル(約207億4000万円)
コンストラクターズタイトルを圧倒的な強さで獲得したレッドブルは、分配金総額の14%にあたる1億4000万ドルを稼ぎ出した。この金額は、予算制限の上限よりも多い金額だ。
その強さは歴史的であり、22戦中21勝。これは、1988年のマクラーレン・ホンダが記録した伝説の16戦15勝を上回る、最高勝率記録である。
ただレッドブルは2021年のコスト上限ルールに違反したと判断され、2023年の空力開発が10%削減され、その上700万ドルの罰金が科されている。チーム代表のクリスチャン・ホーナーによれば、その影響はまだ明らかになっていないとして、2024年シーズンには僅かながらも不安が残っている。
2位:メルセデス 推定1億3100万ドル(約194億1000万円)
メルセデスは、フェラーリを僅か3ポイント差で抑えて1億3100万ドルを獲得した。その違いをもたらしたのは、メルセデスの信頼性と、レースペースの安定性だったと言えよう。
ただメルセデスは、ランキング2位になったことで、2024年の空力開発がフェラーリよりも少なくなることとなり、これが今後に影響を及ぼすことも考えられる。
3位:フェラーリ 推定1億2200万ドル(約180億7500万円)
フェラーリは、2023年で唯一レッドブル以外で勝ったチームである。そのレースとはシンガポールGP。突如としてレッドブルが苦戦し、その隙を突いてカルロス・サインツJr.が勝利を手にした。
しかしその一方で、今季のフェラーリは信頼性が不足し、無得点で終えたレースも少なくなかった。また、タイヤのデグラデーション(性能劣化)が大きく、レースにおいて苦戦することも多かった。
タイヤのデグラデーションについては置いておくとしても、信頼性がもう少しでも高く、無得点のレースが1回でも少なくなっていれば、ランキング2位をメルセデスから奪うことができたはずだ。
4位:マクラーレン 推定1億1300万ドル(約167億4000万円)
マクラーレンは2023年シーズン中に奇跡的なカムバックを果たした。シーズン当初は、下位チームの一角に過ぎなかったマクラーレンだが、アップデートが大成功して中盤戦以降は大きくパフォーマンスを上げ、一気に表彰台の常連となった。
これにより、シーズン終盤でアストンマーチンを見事に”差し切り”、ランキング4位を手にした。
5位:アストンマーチン 推定1億400万ドル(約154億円)
アストンマーチンは今季、フェルナンド・アロンソの活躍もあって開幕8戦で6回の表彰台を獲得するなど、大躍進を遂げた。当初は、レッドブルに次ぐ2番手チームと言っても過言ではなかった。しかしその後のアップデートが他のチームほど効果を発揮せず、メルセデスやフェラーリ、そしてマクラーレンに抜かれ、最終的にはランキング5位に終わった。
とはいえアストンマーチンは、レーシングポイントから名称を変更して以降、ランキング7位以上でシーズンを終えたことはなかった。そういう意味では、最も成功したシーズンとも言え、チームとしては過去最高額の分配金を受け取ることになった。
6位:アルピーヌ 推定9500万ドル(約140億7500万円)
アルピーヌは堅実に中団チームの座を確保し、9500万ドルを手にした。しかしこれは、2021年にルノーからブランド名を変更して以来最低の成績だった。同チームは2021年はランキング5位、2022年にはランキング4位だった。
ただモナコではエステバン・オコンが、そしてオランダではピエール・ガスリーが表彰台を獲得。ふたりのドライバーがいずれも表彰台を手にしたというのは、ポジティブなことだったと言えよう。
7位:ウイリアムズ 推定8700万ドル(約128億8900万円)
この5シーズンで4回もシーズン最下位を経験したウイリアムズは、ランキング7位で2023年を終えた。終盤にはアルファタウリの猛追を受けたものの、最終的にはなんとか凌ぎ切った。
このことは、特にウイリアムズのようなチームにとっては重要だ。現在の彼らは、運営に大手自動車メーカーが関与しておらず、予算的にも厳しい状況にある。そのため、少しでも多くの分配金を手にできることは、大いに重要である。
8位:アルファタウリ 推定7800万ドル(約115億6000万円)
激動の1年を過ごしたアルファタウリ。角田裕毅は1年を通じてマシンをドライブしたが、そのチームメイトはニック・デ・フリーズ→ダニエル・リカルド→リアム・ローソン→リカルドと目まぐるしく入れ替わった。
それだけではなく、シーズン開幕当初は厳しい戦いを強いられ、なかなかポイントを積み重ねることができなかった。
当初はコンストラクターズランキング最下位のままシーズンを終えるかとも思われたが、シーズン終盤に投入したアップデートが大成功。特に角田はシーズン最終盤5戦で3回の入賞を重ね、一気に14ポイントを獲得。この中で日本人3人目のファステストラップ、日本人2人目のラップリード、そして日本人初のドライバー・オブ・ザ・デイを記録した。
ただ、ウイリアムズには3ポイント届かず。900万ドル(約13億3400万円)を取り逃がすことになった。
9位:アルファロメオ 推定6900万ドル(約102億2700万円)
アルファロメオは今季の獲得ポイント16にとどまり、ランキング9位となった。これで推定6900万ドルの分配金を受け取ることになるが、これは同チームにとって2021年以来最低の順位である。
なお、アルファロメオは今季限りでザウバーのタイトルスポンサーを終了する。そのため、この分配金はザウバーが手にすることとなる。
10位:ハース 推定6000万ドル(約88億9000万円)
ハースの獲得ポイントは、2022年より25ポイントも少なかった。特にレース中のデグラデーションが大きく、苦しんだ。結局5戦でしかポイントを獲得できず、シーズン後半はシンガポールでの1ポイントのみに終わった。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント