業界でも自他ともに認めるクルマ好き、運転好きで有名なフリーアナウンサーの安東弘樹氏。愛車のジムニーMT車でハマっているのが林道ドライブなのだが、なぜそこまで林道に魅せられているのか、彼が熱く語る。
文、写真/安東弘樹
ジムニーでの「林道ドライブ」の愉悦は唯一無二!! 林道系ユーチューバー安東アナが熱血主張!「野を駆け抜けるべき3つの理由」
■ジムニーでの林道動画をなかなかアップできず……
ジムニーでの林道ドライブにとことんのめり込んでいるという安東アナ(「安東弘樹 / no car, no life」YouTubeチャンネルより)
最近はすっかり動画を上げられていませんが、一応、YouTubeのチャンネルを持っている私、林道にかぎらず、サーキット走行の動画なども上げていますが、いまだに最も再生数が多いのは、最初に上げた林道走行動画です(13万回再生)。
同じジムニー関連の動画でもジムニーのカスタム紹介動画は11万回再生で次に多いものの、ジムニーで木曽路を走り、奈良井宿を紹介した動画は林道動画の4分の1以下……。
やはり林道を走らないジムニーの動画は、あまり需要がないようです。
この場を借りて、まだ2回目の林道動画を上げていないことを皆様に? お詫びします!
実はほかの林道で撮った動画の素材は2種類ほどあるのですが、おかげさまで業務が立て込んでしまい、気付いたら、素材として古くなってしまいました。自分ですばやく編集できればいいのでしょうが、私の場合は現状、マネージャーに任せており、マネージャーもやはり多忙なため、編集もなかなか進まないという状態になっております。今後は専門家に編集を頼むなどして動画を上げる頻度を高めようと思っています。
■そこに林道があるからジムニーで駆け抜ける!
ひとつ目の理由として安東アナは林道を走ること自体に快楽を感じるのだと熱く主張する!
さて野を駆け抜けるべき3つの理由、まずひとつ目は……「そこに林道があるから」です。
そもそもクルマの存在自体が人間に本来備わっている能力の何倍ものスピードで移動できる道具として創り出されており、人間の根源的な願望を具現化するツールと言えるでしょう。
そのなかでも林道に多い未舗装路は特に人間が移動するには困難な環境で、徒歩では移動のスピードが著しく制限されます。
そこを人類の叡智である「自動車」で走破する。こんなカタルシス(気持ちが浄化されること)はほかにあるでしょうか?
林道を走ること自体に快楽を感じる私は、野山でキャンプやバーベキューしたいなどと思ったことはほとんどありません。なぜならキャンプやバーベキューの準備や撤収作業をする時間さえ走っていたいからです。
自分でも相当なサイコパス? だと思いますが、サーキットに行けば、走れる時間は休憩もせずに、最初から最後まで走っています。
ましてや林道はルールとマナーさえ守れば決められた時間もありませんし、少なくとも明るい時間は、ずっと走っていてもいいわけです。サーキットのように理想のラインがあるわけでもなく、路面状況や天候などによって自分でその都度ラインを考え、最適な速度、ギアポジションを見極め走破するのです。走っている時のことを思い出すだけでも、ゾクゾクしてきました(笑)。
もちろん、リスクもありますので無理はしません。私の仕事柄、何かあったら、多くの方に迷惑をかけてしまいますし、世間からも? 非難されるでしょう。
しかし、人間という存在は、ある程度の負荷を克服した時に充実感を得られる生き物であるのは確かで、その本能のようなものに突き動かされる場合が皆さんもあるのではないでしょうか?
それが私の場合は林道を走る時に得られる、ということでしょう。
■オフロード仕様でないと林道は走れない場所であること
安東アナ所有のジムニー。45台目の愛車とのことだが、ジムニーでないと林道は走行できない場所であることがふたつ目の理由だと語る
ふたつ目は、オフロード車(特に日本の林道の場合はジムニー)でしか走れない特別な場所であることでしょうか?
タイムはともかく、オフロード車でもサーキットは走れますが、レーシングカーやスポーカーでは少なくとも未舗装の林道を走るのは不可能です。もちろん、ミニバンでもコンパクトカーでも走行は困難ですから、林道はオフロード車のみに走行が許されたサンクチュアリ(聖域)なのです。
ちょっとオーバーですが(笑)、オフロード系のタイヤが路面をつかんでいる様を想像しながら走っていると、思わず頬が緩んでしまいます。また、副変速機でさらに低いギアに切り替えるタイミングを考えたりする作業自体が私を魅了してやみません。
エンジン自体が非力でもギア比で、それを補い、道なき道を走破する。何と高尚な行為でしょうか。
さらに言えば道幅が極めて狭い日本の林道を走るにはジムニーが最適なんです!!
あ、取り乱しました……(笑)。
■林道は「箱庭」ではなく、「道」だから
3つ目の理由として林道は作為的に作られたものではなく、生活や作業などのために必要であるものだからだと安東アナは主張
では最後の3つ目です。
それは林道が「道」だからです。
どういうことかと申しますと、サーキットや悪路でも、作為的に作った「コース」だと、それは道ではありません。言わば箱庭です。
しかし、林道は集落と集落を結ぶ生活道路であったり、林業や整地などのための作業路であったり、必要な「道」なのです。ですから走る時は「お邪魔します」という謙虚な気持ちが必要なのですが、必要な「道」を走る、というのが私にとっては、重要なのだと思っています。
その道を使って目的地まで移動する。すなわち林道を走ること自体が目的であり、手段でもあるのが私の理想です。遠回りになっても時間がかかっても、悪路をただ楽しむのではなく、移動手段として林道を使うことで、自然を「自然に」感じられます。時には直径2mを超える石が路上に転がっていたり、倒木が道を阻んでいたり、なんてこともあります。
その度、生活道路として使っている方にとっての移動の厳しさに思いを馳せることもできますし、季節によって通行止めになる林道が開通した時の喜びなども実感できるのです。
■林道を久しぶりに走り始めてあらためて気づかされたこと
ジムニーの存在と林道を駆け抜ける歓びを味わっている安東アナだが、燃費面だけはやや不満なんだそうな
今回、林道を走る理由についてあらためて考える機会をいただいて、いろいろと考えてみましたが、さまざまな発見がありました。
久しぶりにSUVではない本格的なオフロード車であるジムニーを手に入れたことで約25年ぶりに林道を走ろうとした時、以前と比べて未舗装の林道がかなり減っていることにも気付き、寂しい気持ちになったのと同時に、楽しむために「林道」を走る、という行為が後ろめたくなってくるのかもしれないとも思いました。
内燃機関のクルマは直接、大気を汚します。電気自動車になっても走るエネルギーを得るための環境破壊は皆無にはなりません。林道を走る、ということは環境負荷を与えながら自然を感じて走る、という矛盾している行為なのかもしれません。
でも、もし神様がいるとしたら、人類が環境負荷のないモビリティを生み出すまでの間、どうかガソリンエンジンのクルマで林道を走ることをお許しください!
その分、普段の生活ではなるべく、環境への負担を増やさないように最大限の努力を惜しみません!
最近は、そんなことを考えながら、林道を走っています(笑)。
それにしてもジムニーの燃費、もう少しよくなりませんかね。R06A型エンジンも12年ものですから。でも将来、新しいエンジンは……無理かな。
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みんなのコメント
ぼくもオフロードをジムニーで走ってみたいと思ってる方なので、羨ましくて仕方ありません
頑張って仕事してるんだから、車くらい好きな様に乗ればいいとおもいます