無骨でタフ ランクル300に「GR」
執筆:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
【画像】ラリーの血が通う【ランクルGRスポーツとGRヤリスを比較】 全157枚
編集:Taro Ueno(上野太朗)
8月2日に待望の新型が発表となったランドクルーザー。
発表とともに公開となった公式サイトには、早くも「納期1年以上」という案内が掲載されるほどの人気ぶりとなっている。
300系と呼ばれる新型モデルは、歴代と同じく強固なラダーフレームを採用しながらも、トヨタの新世代設計思想であるTNGAを採用したGA-Fプラットフォームを投入。
剛性を確保しながら200kgもの軽量化を実現したことも話題となった。
そんな新型ランドクルーザーの最大のトピックといえるのが、「GRスポーツ」の設定ではないだろうか。
トヨタのスポーツコンバージョンモデルにつけられるブランド名のGRではあるが、今回のランドクルーザーに限ってはサーキットやオンロードの走行性能の向上には主眼が置かれていない。
ではどこにターゲットを絞っているのかというと、それはオフロード走行にほかならないのだ。
そのため、外観もほかのGRスポーツモデルのようにスポーティな外観というよりは、無骨でタフな印象のブラックアウトパーツでまとめられている。
そして、通常のランドクルーザーとGRスポーツの印象を大きく変えているのがフロントグリルに備わるエンブレムだろう。
通常のランドクルーザーにはおなじみのトヨタのCIマークが鎮座しているのだが、GRスポーツには「TOYOTA」と書かれた英文字のエンブレムが備わっているのである。
これは一体どういうことなのだろうか?
すぐさまトヨタ広報部に連絡を取ったが、あいにく担当者が数日間不在ということで、まずはランドクルーザーを多く取り扱っている「FLEX」に話を聞いてみることにした。
ただの懐古趣味ではないのでは?
「FLEX」では良質なランドクルーザーやハイエースの中古車をベースに、レトロ風なテイストを盛り込んだ「Renoca(リノカ)」シリーズをリリースしており、文字エンブレムを装着したモデルも多く存在している。
同社のリノカは、高年式のランドクルーザーをベースにクラシカルな雰囲気の内外装を持つことが最大の特徴で、高年式の高い信頼性をキープしながら、当時の雰囲気が味わえるのが最大のメリットといえる。
ただ、そう考えているのはわれわれのようなカーマニアであって、実際に購入しているユーザーはそればかりでもないらしい。
FLEX株式会社の広報担当、荒氏によると、「リノカをお買い求めいただくお客さまは、そこまでクルマに詳しいわけではなく、たまたま街中や雑誌、メディアなどで見かけたことをきっかけに弊社を見つけて下さる方が意外と多いのです」
「中には中古車ベースではなく、新車で販売していると思ってお見えになる方もいらっしゃるほどですね」とのこと。
つまり、クルマにそこまでの興味のないユーザーからしてみれば、文字エンブレムを装着した車両は懐古趣味ではなく、目新しいクルマに映るというワケなのだ。
「ですからトヨタさんも、過去のモデルのオマージュで新型に文字エンブレムを装着したのではないのかもしれませんね。」とは荒氏の談。
なるほどトヨタならもっと深い理由もありそうだ。
また、すでに現行型のジムニーにおいて標準装備ではないものの、ディーラーオプションとして旧型モデルに存在していた「SUZUKI」エンブレムを装着したグリルやデカールなどをラインナップしているスズキは、ジムニーのアクセサリー全体に「ヘリテージ(伝統)」というテーマを持たせているために旧型モチーフのアイテムを設定しているとのことだった。
こちらはディーラーで購入できるアイテムでありながら、車両全体のイメージを大きく変えることができるためユーザーには好評ということで、当時を知るユーザーだけでなく、若いユーザーからすると新鮮さもあるようである。
80系前期以来 「TOYOTA」復活の意味
そして数日後、ようやくトヨタ広報部から返答があった。
その前に文字エンブレムの歴史を軽くおさらいしてみよう。
フロントグリルに「TOYOTA」のエンブレムを装着したランドクルーザーといえば、真っ先に思いつくのが40系といわれるモデルだろう。
2006年(日本発売は2010年から)にはこのFJ40系ランドクルーザーをモチーフとした「FJクルーザー」が登場したが、このモデルにも文字エンブレムが採用されていたことも記憶に新しい。
一方、本流のランドクルーザーについては1989年に登場した80系の中期モデルまでがこの文字エンブレムを使用しており、1995年1月のマイナーチェンジ以降、フロントグリルには楕円型のCIマークが装着されるようになっている。
そこから26年の時を経て復活した文字エンブレム。
トヨタ広報部からは、「オフロード、オンロード、双方の走りをさらに磨いたグレードであるGRスポーツの特別な(特長的な)意匠です」との回答を受けた。
ここからは筆者の推測となるが、近年はラグジュアリーなキャラクターばかりが先行しがちであったランドクルーザーに対し、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」というランドクルーザー本来の本質に立ち返るために、あえて最上級グレードであるGRスポーツにオフロード寄りの性格を持たせ、文字エンブレムを装着したのかもしれない。
当然ながらトヨタとしてブランドロゴマークを変える、といったことにつながる動きではないということであるが、原点に立ち返るという意味をも持たせたように感じられる文字エンブレムが、今後どのように活用されていくのか興味深いところだ。
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みんなのコメント
しかも、単なるフレックスの宣伝記事。
あんなインチキ中古車屋なんかでランクル買ったら泣きを見るぞ。