1980年代、「クロカン」ブームを支えた4WDが、各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第15弾は「日産 サファリ」だ。
サファリのクロカン列伝は「パトロール」から始まった
「西部警察」の特殊車両や、「北の国から」の中畑のおじさんが自慢していたマイカーなどで、度々ドラマに登場していた日産サファリは、消防仕様や輸出用ピックアップなどの設定もあり、現場で働くタフなイメージが強かった。
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サファリ誕生のきっかけは、1950年に警察予備軍、現自衛隊で使用する車両の要請を受けたことだった。納車は三菱ジープに決まったが、翌年、サファリはランドクルーザーと共に国家警察(現警視庁)に納車をする。サファリは「パトロール」、ランドクルーザーは「トヨタジープ」と呼ばれていた時代だ。
初代パトロール(4W60)はウィリス・ジープの印象を強く残すシルエットでデビューした。1955年には独特のフェイスを持つ4W61、通称「鉄仮面」が登場して話題になった。その後8人乗り前向きシートを備えたモデルも追加し、那須の御用邸に御料車としても採用された。
そして1980年、パトロールはパーソナルユースをターゲットに国内向けの名前を「サファリ」に変更し、ランドクルーザー60より2カ月早く初期型サファリ(160系)を投入した。ショートとロングのクローズドボディで、バンながらも4ナンバー枠に収まるサイズだった。無骨だった内外装も一新することで近代化を図ったが、ランドクルーザーの人気に陰りはなかった。サファリが花開くのは今回紹介する2代目「Y60系」からだった。
サファリ初のAT仕様もラインナップされた
1987年、Y60は曲線をうまくアレンジし、風格あるプロポーションで登場。ボディ形状は、ロングの標準ルーフとハイルーフ、そしてショートの3タイプを設定した。上下開きや5:5観音開きだった歴代モデルのバッグドアは、非対称の観音開きに改め、右ドア側にスペアタイヤを背負うスタイルで統一された。そしてパワーユニットは、扱いやすさを優先してあえてNAとした4169cc直6ディーゼルエンジン「TD42型(最高出力135ps/最大トルク28.5kgm)」を搭載した。
2代目サファリで大きく変わったのは足まわりだ。これまでの歴代モデルはリーフリジッドサスペンションを採用していたが、2代目はスタビライザー解除装置付きのコイルリジッドに変更された。加えて、タイヤの動きを規制しないタイヤハウス、対障害物を意識したボディ形状も加わり、トップレベルのオフロードの走破性を獲得した。これと同時にオンロード性能も格段に向上し、多くのクロカンファンを虜にした。
1988年には歴代モデル初の4速ATを追加設定し、さらにデュアルウェイフリーランニングハブやリアデフロックなどをオプション設定した。ちなみにデフロックはリアのみだったが、ランドクルーザーは前後に設定していた。しかし、機械接続だったのに対し、Y60はバキュームアクチュエーター式を採用したことで操作性は優れていた。
7人乗りの3ナンバーワゴンも追加された
1991年には5速MTのみながら3ナンバーワゴンを追加。ロングは7名、ショートは5名乗員とした。そして同年、これまで輸出仕様に搭載していた直6ガソリンエンジン「TB42E型(最高出力175ps/最大トルク32.6kgm)」を国内モデルに投入した。加えてTD42型はターボを装着したTD42-T型に換装された。
さらに1994年には、欧州仕様の2825cc 直6ディーゼルターボ「RD28T型(最高出力125ps/最大トルク26.0kgm)」を改良し、国内のショートモデルに新グレード「スピリット・タイプII」を新設定した。また、このマイナーチェンジで、ディーゼル車の電装品電圧を24Vから12Vへと変更した。以降、細かいモデル変更が実施され、1997年に2代目へと引き継がれた。
サファリはランドクルーザーとよく比べられた。しかし、その販売台数の違いから「悲運のクルマ」などと言われたこともあったが、中身の濃さで両車の優劣の差はほとんどなかった。いまオフロード性能に特化した2代目サファリを見返すと、時代に流されない信念の強さや、筋の通ったこだわりをひしひしと感じる。
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みんなのコメント
国内最終型でハチマルに追いつき追い越したけど、トヨタは斜め上に向かい、サファリだけCCVの大地に取り残された感があった。今の新型は中東で活躍してるらしいからデザートキングとして頑張ってほしい。