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「ヴィッツの在庫が」「売り方がわからない」混乱するディーラー現場の声! トヨタ全店で全車取り扱い化のその後

掲載 更新 32
「ヴィッツの在庫が」「売り方がわからない」混乱するディーラー現場の声! トヨタ全店で全車取り扱い化のその後

 増えすぎた車種の整理が徐々にスタートした

 トヨタは2020年5月に、日本国内の正規トヨタブランドディーラーすべてにおいて、全トヨタ車(JPNタクシー、コースター、センチュリーを除く)を扱う、“全店併売化”を行った。この全店併売化は販売チャンネル(トヨタ、トヨペット、ネッツ、カローラ)の統廃合は原則行われず、それまで専売であったりした兄弟車などの統廃合も乗用車系は行わずにそのまま全店併売化となった(商用車では5月1日のハイエース改良のタイミングでレジアスエースが廃止、その後ライトエース、サクシードが廃止となっている)。

トヨタ・ライズが爆発的ヒットも喜べない新車セールスマンの複雑な胸中

 つまり、同じ店舗でアルファードとヴェルファイア、ノアとヴォクシーそしてエスクァイア、といった兄弟車がそのまま扱われることとなった。「それでは、同じ店舗で兄弟車同士を競わせれば値引きが……」と考えるひとも多いだろうが、「商談を始めるときに、例えばアルファードとヴェルファイアのどちらかをお客さまに選んでもらってから商談を始めるようにしております」とはトヨタ系ディーラーのセールスマン。

 前述したように商用車系ではすでに兄弟車の統廃合が目立っている。乗用車系でも9月にルーミーがマイナーチェンジしたタイミングでタンクが廃止され、近々にはポルテ&スペイド両車が廃止になるとされている。兄弟車の統廃合や、兄弟車ごと廃止など意外に早いペースで車種整理が行われていきそうだが、兄弟車の統廃合をしただけではまだ扱い車種が多く、販売現場では混乱が続いていくものと考えられる。例えばコンパクトカーならば、ヤリス、パッソ、ルーミー、アクア、スペイド、ポルテ、カローラ スポーツがいまもラインアップされている(10月26日現在)。

 先日取材も兼ね、ヤリスを見に来たとしてトヨタディーラーを訪れた。そのとき、ヤリスのカタログと一緒にセールスマンが取り扱い車種すべてが掲載されている総合カタログを持ってきて、それを開き「ヤリス以外にもコンパクトカーは種類がありまして……」と説明を始めた。お客が“ヤリス”と指名しているのになぁと違和感を覚えながらも説明を聞いているうちに、しつこいほど説明をする背景が見えてきた。

 たとえば、お客の指名だからといってヤリスだけ商談を進め、契約となったあとに「ほかにもパッソやルーミーといったクルマもあったじゃないか」というクレーム回避のために説明しているのだと悟った。つまり、「ヤリス以外にも同クラスモデルの存在を説明したが、お客自らがヤリスを選んだ」という事実を作りたいのだと強く感じたのだ。

 コンパクトクラスではタンクやポルテ&スペイドを廃止しただけでは混乱は収束しそうにない。ヤリスにハイブリッドがある現状では、アクアはモデル末期で値引きについてはヤリスよりアドバンテージが高いという点では存在意義はあるが、モデルチェンジするとヤリスハイブリッドとほぼ並列となってしまうので、今後の動きははおおいに気になるところである。

 ヴェルファイアもピンチ! 車種の取捨選択は続く可能性大

 さらにやっかいなのが、ヴィッツを専売で扱っていたネッツ店のなかには、いまも大量のヴィッツの未登録在庫車を抱えているという情報も入っている。「知り合いがネッツ店へ行ったときに、『ヴィッツの在庫車まだありますよ。しかもボディカラーも選べます』とセールスマンが切り出してきたそうです」(事情通)。ヴィッツの在庫車も加わると、ますますコンパクトカーの選択肢が増えてしまっている。さらなる“交通整理”は不可避といえるだろう。

 ただすでに統廃合へ向けた動きもあるようだ。例えばアルファードは自販連統計によると、2020年単月の販売台数は6月6835台(前年比134.3%)、7月8448台(前年比135.6%)、8月7103台(153.5%)、9月1万436台(前年比160.0%)と、コロナ禍でも絶好調となっている。しかし一方でヴェルファイアはいずれも前年比で6月51.5%、7月38.4%、8月59.4%、9月36.6%と絶不調に見える。「全店併売後に専売だったトヨペット店以外の店舗でも、アルファードの大判ポスターを店舗内に掲示するように指示がきたそうです。すでにアルファードありきで販売現場は進んでいるようです」(事情通)。

 さらに事情通によると、アルファードは破格の値引き(70万円引き)も飛び出しており、さらに残価設定ローンでの残価率もかなり良いので、ローンを組むとノアの上級グレードと月々の支払い額がほぼ変わらないこともあり、ノア系の購入希望客も取り込んでいるようだ。結果的に、販売現場で意図的にアルファードへ誘導している様子は販売統計からも伝わってくる。

「新しくプレミオ&アリオンを扱う店舗のなかには、『あまりにご長寿モデルでもあるので、どうやって売っていいかわからないし、そもそもカローラがある』として、カタログをラックに置かないところもあると聞きます」(事情通)。

 ノア系やアルファード&ヴェルファイアはモデル末期なので、フルモデルチェンジのタイミングで整理されるだろう。ただし、コンパクトカーはヤリスについては統計上販売は好調に推移しているし、ルーミーは名実ともに大ヒットモデルとなっている。アクアやパッソもそこそこ販売台数を確保しているので、コンパクトモデルの統廃合は悩ましいところもあり、思うように進まず販売現場の混乱が長引くかもしれない。

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みんなのコメント

32件
  • ヴィッツは、タイムズ等のレンタカー カーシェア等に格安で譲れば良い。
  • 売り上げ好調と言ってるけど、本当はヤバい状況
    崩れると一気だからな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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