現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【比較試乗】街乗りからオフロード走行まで可能な本格オフローダーを比較検証。タフな相棒の戦闘力は?「ランドローバー・ディフェンダー vs トヨタ・ランドクルーザー vs メルセデス・ベンツ Gクラス vs ジープ・ラングラー」

ここから本文です

【比較試乗】街乗りからオフロード走行まで可能な本格オフローダーを比較検証。タフな相棒の戦闘力は?「ランドローバー・ディフェンダー vs トヨタ・ランドクルーザー vs メルセデス・ベンツ Gクラス vs ジープ・ラングラー」

掲載 10
【比較試乗】街乗りからオフロード走行まで可能な本格オフローダーを比較検証。タフな相棒の戦闘力は?「ランドローバー・ディフェンダー vs トヨタ・ランドクルーザー vs メルセデス・ベンツ Gクラス vs ジープ・ラングラー」

ここで集めた4台は、世界を代表するリアルオフローダー。用途や出自はいろいろだが、不整地を難なく走り抜けられる走破力と、そんな道など走らぬ都会派から支持されているのが共通点。似ているようで似ていない4台を乗り比べ、個性や魅力を露わにした。

本格オフローダーのカリスマにも弱点あり

【比較試乗】ともに3列シートを擁するラージSUV。コワモテですが、走ると優しいんです♡「キャデラック・エスカレード vs BMW X7」

“ゲレンデ”の名で崇められ、カリスマ的な人気を誇る高級本格オフローダーがGクラスだ。NATOの軍用車両を起源とするこのクルマは、1979年に初代が誕生し、その後、何度もモデルチェンジを重ねながらも、直線的なフォルムやボンネットのウインカーレンズ、丸形ヘッドライト、堅牢なラダーフレーム構造といった特徴を守り、クロスカントリー車の頂点に君臨し続けている。

その最新型が、2024年に登場したW465型で、今回は上位グレードのメルセデスAMG G63をテスト。試乗車はローンチエディションと呼ばれる特別仕様車で、バンパーやアンダーガードなどの一部にカーボンが使われているのはそのせいである。

ガチャリとドアを閉じ、運転席に陣取ると、ひときわ高いアイポイントと間近に迫るフロントウインドーがオフローダーらしさを印象づける一方、最新のMBUXをはじめとするモダンなコクピットデザインに一瞬戸惑った。

そんなG63には、AMG自慢の4L V8ツインターボが搭載され、最高出力585ps、最大トルク850Nmの実力を誇る。その加速は、低速から圧倒的に力強く、しかも、48Vマイルドハイブリッドの電動アシストにより、低回転域でもエンジンが素早く反応するのが実に気持ちがいい。もちろん、アクセルペダルを踏み込めば派手なV8サウンドとともに怒濤の加速を見せ、王者の風格に浸りきることができる。

いまやラック・ピニオンのステアリングが搭載されるだけに、ステアリグ操作に対する反応も正確。乗り心地もマイルドでしなやかだが、スピードが上がると前後、左右の細かい揺れが目立ち、落ち着きが足りないのが弱点。それでも、圧倒的な人気を集めるGクラスには、ただただ驚くばかりだ。

現代のテクノロジーで伝説の名前が復活!

Gクラスのライバルとして、このところ人気急上昇中のランドローバー・ディフェンダー。

その歴史は古く、1948年、当時のローバーが発売したランドローバーシリーズに始まり、その後、後継モデルのランドローバー110や同90が、1990年にディフェンダーの名を手に入れている。2016年には生産が終了したが、2019年に現代のデザインとテクノロジーで蘇ったのが現行のディフェンダーなのだ。

短い前後オーバーハングと直立したフォルムが伝統を受け継ぐ一方、デザインも中身も、すべてが新しい現代のディフェンダー。オフローダーでは常識のラダーフレームと決別し、アルミモノコック構造を採用するのもその一例だ。

レンジローバーにも通じるモダンさと、ディフェンダーらしいシンプルさを併せ持つエクステリアに見とれながら運転席のドアを開けると、エクステリアが負けないほど潔いデザインのコクピットが迎え入れてくれる。シンプルなのに上質さに溢れているのも、このクルマの印象を良くしている。

試乗車は2024モデルとして日本に導入されたスーパーチャージャー付きの5L V8ガソリンエンジンを搭載するディフェンダー110V8で、動き出しこそ穏やかだが、2000rpmあたりから大排気量エンジンの本領を発揮する太いトルク。さらに回せば6000rpm超えまで気持ちのいい吹け上がりを見せる。

走りについては、目地段差を超えた際など、ショックの遮断がいまひとつということもあるが、概ね快適な乗り心地で、フラットさもまずまずで、今回の4台のなかではもっとも心地よい仕上がり。全長5m弱、全幅2mというボディは、広大なキャビンスペースを誇る一方、街中ではやや手に余ることも。それさえ気にしなければ、楽しく付きあえる一台である。

新型のインテリアは親しみやすい雰囲気に

オフローダーの代名詞といえばジープ・ラングラー。その歴史は1987年にスタートしたが、起源は1941年のウィリスと古い。現行型は、2018年に発売された“JL”と呼ばれる4代目で、この2024年にはフェイスリフトが実施されている。

独特のフォルムに加えて、7スロットグリルや丸目のヘッドライト、台形のホイールアーチといった伝統を受け継ぐことで、ひとめでラングラーとわかるのも人気の秘密。かつては3ドアも選べたが、現在は5ドアのみの販売になり、その中から今回はエントリーグレードのアンリミテッド・スポーツを引っ張り出した。

見慣れたエクステリアとは対照的に、最新のラングラーのコクピットは、横長のタッチスクリーンやダッシュボードを覆うソフトパッドなどにより、これまでよりも親しみやすい雰囲気に仕上がっている。それでも、水平基調のダッシュボードやドライバーに迫る直立したウィンドシールドが、オフローダーらしい独特の雰囲気を醸し出している。

搭載されるエンジンが2L直4ガソリンターボというのが、いまどきのクルマらしく、その排気量から想像する以上に豊かなトルクを低回転から発揮する。

最高出力はたった272psとはいえ、車両重量1990kgのこのクルマを活発に走らせるには十分の性能である。

ラングラーの走りは、細かいピッチングが伴うものの、ロールはよく抑えられている。路面によってはショックを伝えがちだが、十分快適なレベルに仕上がっているのも見逃せない。取り外し可能な3分割ハードトップを採用することもあり、そのきしみ音や風切り音が気になるが、見た目ほどスパルタンでないところが、いまなお多くのユーザーを獲得する秘訣なのかもしれない。

忘れてならないのは日本を代表するランクル

ここまで、ドイツ、イギリス、アメリカを代表する本格オフローダーを紹介してきたが、忘れてならないのは日本を代表する“ランクル”こと、トヨタのランドクルーザー。これまで、最上級グレードの200シリーズ、中核モデルのプラド、そして、伝統の70シリーズというラインナップだったが、現在は最上級モデルを300、プラドの後継を250と変更することで、それぞれのポジションが明確になった。今回はついに日本でも発売された250から、2.8Lディーゼルを搭載する最上級グレードのZXをチョイス。試乗車は丸目ヘッドライトがクラシカルな雰囲気を醸し出す限定車のファーストエディションである。

このランドクルーザー250ではラダーフレームを用いるGAーFプラットフォームを採用し、フロントがダブルウイッシュボーンサスペンションであるのに対して、リアはリジット式となる。

そんな本格的なスペックからはスパルタンな乗り味を想像してしまうが、実際はとても扱いやすく、日常で乗りやすいクルマに仕上がっていた。走り出すと、乗り心地はマイルドで、コーナリング時のロールはやや大きめだが、ピッチングはうまく抑え込まれている。電動パワーステアリングが装着されるおかげで操舵力は軽めで、ステアリングのギア比もスローすぎず、乗用車とかわらぬ感覚で操縦できるのがうれしいところだ。

204ps、500Nmを発揮する2.8Lディーゼルはややノイズが目立つものの、低回転からトルクの太さが自慢。2000rpm手前あたりから力強さを増し、街中から高速までストレスとは無縁である。物理ボタンを多く配置するコクピットは一見煩雑だが、使い勝手は良く、日常の足として気軽に乗るには打ってつけの一台といえるだろう。

最新リアルオフローダーのメカニズム解説

最新のリアルオフローダーはオフロード性能の高さはもちろん快適性にもこだわって開発されているのが特徴。ここでは、各モデルの4WD性能やシャシー、搭載するパワーユニットについて解説してみる。

MERCEDES-BENZ G-CLASS

LANDROVER DEFENDER

JEEP WRANGLER

TOYOTA LAND CRUISER 250

【SPECIFICATION】MERCEDES-AMG G63 LAUNCH EDITION
■車両本体価格(税込)=30,800,000円
■全長×全幅×全高=4690×1985×1985mm
■ホイールベース=2890mm
■車両重量=2570kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V+ツインターボ/3982cc
■最高出力=585ps(430kW)/6000rpm
■最大トルク=850Nm(86.7kg-m)/2500-3500rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション=前:Wウイッシュボーン、後:リジッドアクスル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ=前後:285/45R21
問い合わせ先=問い合わせ先=メルセデス・ベンツ日本 TEL0120-190-610

【SPECIFICATION】LANDROVER DEFENDER 110 V8
■車両本体価格(税込)=16,270,000円
■全長×全幅×全高=4945×1995×1970mm
■ホイールベース=3020mm
■車両重量=2450kg
■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V+スーパーチャージャー/4999cc
■最高出力=525ps(386kW)/6000rpm
■最大トルク=625Nm(63.7kg-m)/2500-5500rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション=前:Wウイッシュボーン、後:マルチリンク
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ=前後:275/45R22
問い合わせ先=ジャガー・ランドローバー・ジャパン TEL0120-18-5568

【SPECIFICATION】JEEP WRANGLER UNLIMITED SPORT
■車両本体価格(税込)=7,990,000円
■全長×全幅×全高=4870×1895×1845mm
■ホイールベース=3010mm
■車両重量=1990kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1995cc
■最高出力=272ps(200kW)/5250rpm
■最大トルク=400Nm(40.8kg-m)/3000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション=前:リジット、後:リジット
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ディスク
■タイヤサイズ=前後:245/75R18
問い合わせ先=ステランティスジャパン TEL0120-712-812

【SPECIFICATION】TOYOTA LAND CRUISER “250”ZX First Edition
■全長×全幅×全高=4925×1980×1935mm
■ホイールベース=2850mm
■車両重量=2410kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ディーゼルターボ/2754cc
■最高出力=204ps(150kW)/3000-3400rpm
■最大トルク=500Nm(51.0kg-m)/3000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション=前:Wウイッシュボーン、後:トレーリングリンク
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ=前後:265/60R20
■車両本体価格(税込)=7,350,000円
問い合わせ先=トヨタ自動車 TEL0800-700-7700

こんな記事も読まれています

【車名がプラドからランクル250に】ガソリンモデル試乗で見えたランクルの原点!
【車名がプラドからランクル250に】ガソリンモデル試乗で見えたランクルの原点!
AUTOCAR JAPAN
約537万円! スバルが「“新”オフロードSUV」発表! 地上高アップで悪路性能スゴい! 本気の「フォレスター」米国で登場
約537万円! スバルが「“新”オフロードSUV」発表! 地上高アップで悪路性能スゴい! 本気の「フォレスター」米国で登場
くるまのニュース
ボディタイプやパワートレイン、インフォテイメントなど、その時代を映す鏡となってきたラグジュアリーカーの今昔物語
ボディタイプやパワートレイン、インフォテイメントなど、その時代を映す鏡となってきたラグジュアリーカーの今昔物語
LE VOLANT CARSMEET WEB
ホンダ最強「タイプR」の“VTECエンジン”搭載!「GT-R」に並ぶ“超加速”実現する「爆速スポーツカー」に反響殺到! 日本でも手に入る「アトム」が凄すぎる!
ホンダ最強「タイプR」の“VTECエンジン”搭載!「GT-R」に並ぶ“超加速”実現する「爆速スポーツカー」に反響殺到! 日本でも手に入る「アトム」が凄すぎる!
くるまのニュース
「頼むから日本でも売って」 北米で進化したスバル「クロストレック ウィルダネス」は“迫力のルックスと抜群の機能性”が話題のコンパクトSUV
「頼むから日本でも売って」 北米で進化したスバル「クロストレック ウィルダネス」は“迫力のルックスと抜群の機能性”が話題のコンパクトSUV
VAGUE
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
AUTOCAR JAPAN
“オーバーフェンダー”が高性能車の証! メルセデスAMGのド迫力クーペ「CLE53」はサーキットも視野に入れた「生まれながらの武闘派」
“オーバーフェンダー”が高性能車の証! メルセデスAMGのド迫力クーペ「CLE53」はサーキットも視野に入れた「生まれながらの武闘派」
VAGUE
エレガントな“4人乗りオープンカー” 新型メルセデスAMG「CLE53カブリオレ」発売 449馬力エンジン搭載の高性能モデル
エレガントな“4人乗りオープンカー” 新型メルセデスAMG「CLE53カブリオレ」発売 449馬力エンジン搭載の高性能モデル
VAGUE
なぜマクラーレンはクルマ好きを魅了するのか? 新型プラグインハイブリッド「アルトゥーラ スパイダー」の絶妙な味わい。【試乗レビュー】
なぜマクラーレンはクルマ好きを魅了するのか? 新型プラグインハイブリッド「アルトゥーラ スパイダー」の絶妙な味わい。【試乗レビュー】
くるくら
【オフロードでは不思議体験!】メルセデス・ベンツ伝統のGクラスにEVはアリ?
【オフロードでは不思議体験!】メルセデス・ベンツ伝統のGクラスにEVはアリ?
AUTOCAR JAPAN
“エンジンルーム”に「謎のスピーカー」搭載!? なんのため? 新型「Gクラス」に備わるユニークな機能とは
“エンジンルーム”に「謎のスピーカー」搭載!? なんのため? 新型「Gクラス」に備わるユニークな機能とは
くるまのニュース
ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり
ど派手なガルウイングだけど走ればガチもんのピュアスポーツ! 単なるSL300のリバイバルじゃない「SLS AMG」の韋駄天っぷり
WEB CARTOP
新型「フォルクスワーゲン・パサート」発売!ボディサイズを拡大、最先端技術を数多く導入
新型「フォルクスワーゲン・パサート」発売!ボディサイズを拡大、最先端技術を数多く導入
LE VOLANT CARSMEET WEB
フィアットが電動化とスタイルでさらに前進! 「フィアット500e ジョルジオ・アルマーニ・コレクターズエディション」、英国で受注開始
フィアットが電動化とスタイルでさらに前進! 「フィアット500e ジョルジオ・アルマーニ・コレクターズエディション」、英国で受注開始
LE VOLANT CARSMEET WEB
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
メルセデス・ベンツ「Gクラス」の電動仕様「G580」のスゴさとは? 戦車みたいに“その場”で旋回! BEV化にて舗装路も悪路も「走りが格上」に
VAGUE
トヨタが新型「RAV4!?」公開! タフ感アップな「カクカク」デザイン採用! 斬新「RAV-X」が示すのは最上級「本格モデル」や新開発「ターボエンジン」か? 米に登場の新モデル何を意味するのか
トヨタが新型「RAV4!?」公開! タフ感アップな「カクカク」デザイン採用! 斬新「RAV-X」が示すのは最上級「本格モデル」や新開発「ターボエンジン」か? 米に登場の新モデル何を意味するのか
くるまのニュース
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
くるくら
3万7000台も売れたロールス・ロイス! 10年の予定が30年以上も貢献した「シルバーシャドウ」とは一体どんなクルマだった?
3万7000台も売れたロールス・ロイス! 10年の予定が30年以上も貢献した「シルバーシャドウ」とは一体どんなクルマだった?
Auto Messe Web

みんなのコメント

10件
  • tok********
    G63と他車を比較する意味が分からない。実際に冬の山道ではまずG63はみかけないですね。ランクル全般はよくみかけます。現実的な実用性からすると他車の方が優位かと。馬力も600超も日常では必要ないですし、トヨタは作る技術があっても敢えて作らない領域のクルマですね。
  • natuob
    戦闘力??どこで何と戦うんだよ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村