ロシア事業撤退で損失も、利益率アップ
ルノー・グループが2022年、1台あたりの営業利益率が過去最高を記録したことについて、同社のルカ・デ・メオCEOは「後戻りすることはない(No turning back)」と述べた。
【画像】ルノー・グループを支えた新型車【ルノー・アルカナ、メガーヌEテック・エレクトリックなどを写真で見る】 全76枚
2022年中の売上高は、前年比11.4%増の464億ユーロ(6兆6480億円)となった。営業利益は26億ユーロ(約3700億円)で、前年比14億ユーロ(約2000億円)増となった。
アフトワズ株67.69%の売却をはじめ、ロシア事業の撤退で23億ユーロ(約2860億円)の損失を出したにもかかわらず、このような結果となった。
デ・メオCEOは次のように述べた。「2022年は、約束を十二分に果たすことができました。当初の目標や市場の期待を上回る結果を出し、(ルノーリューション戦略における)『復活』フェーズを予定より3年早く完了させることができました」
「この業績は、ロシア事業売却、半導体危機、コストインフレという強い逆風に直面しながらも、ルノー・グループのチームのエネルギーと努力の結果です」
「ルノー・グループのファンダメンタルズは徹底的にクリーンアップされ、もう後戻りすることはないでしょう」
同社は好調の要因として、ルノー・アルカナ、ルノー・メガーヌEテック・エレクトリック、ダチア・ジョガーといった新型車の発売に支えられた強力な製品構成を挙げている。
メガーヌは欧州全体で3万3000台、ジョガーは5万7000台、アルカナは8万6000台の販売を記録した。スポーツカーブランドのアルピーヌも、3546台のA110を販売し、過去最高の販売台数を記録している。
このような需要により、ルノー・グループの受注台数は現在、過去最大となっている。
ルノー・グループは、電動化も進めている。ルノーのハイブリッド車およびEV(電気自動車)は、欧州販売全体の39%を占め、クロスオーバーのアルカナでは65%に達した。
昨年夏に発売されたメガーヌEテック・エレクトリックは、今年下半期にフランスで最も売れたEVとなった。
ルノー・グループは業績回復を踏まえて、2023年の営業利益率を昨年の5.6%から6%に伸ばすことを目標としている。また、自動車事業のフリーキャッシュフローは、昨年21億ユーロ(約3000億円)に増加したことから、20億ユーロ(約2865億円)以上を維持することを目標とする。
さらに、日産自動車との提携関係を再構築し、日産への出資比率を43%から15%に引き下げる。一方、日産はルノーの電動化部門であるアンペール(アンペア)に最大15%を出資する予定だ。ルノーは決算発表で、アライアンスパートナーの三菱自動車も同部門への出資を検討していると述べた。
ルノーは、アンペールの株式公開は早ければ2023年後半に実施される可能性があるとしている。
また、欧州、インド、中南米で新たな価値創造プロジェクトに着手する。ルノーと日産は今週、インドに6億ドル(約800億円)を投資し、6つの新型車を同地域に投入すると発表した。
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