国産初の歩行者保護エアバッグとアイサイトを全車に標準装備
これまで海外ショーで披露されてきたスバル最量販車のCセグメントモデル「インプレッサ」。その日本仕様がプロトタイプながら、ついに国内で発表された。
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「ダイナミック・ソリッド」という新しいデザインテーマのスタンス感のあるボディを、新世代「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」に載せたというカタチの新型インプレッサだが、そのお披露目の席はいまどきの新車発表とは異なる様相だった。なにしろ、その開発のキーワードとして挙げられたのは「愛でつくるクルマ」というものだったのだ。
インプレッサだから頭文字にちなんで『アイ』で作るというダジャレではない。エンジニアの愛を込めたニューモデルというわけだ。
1992年に初代モデルが誕生して以来、確実に存在感を増してきたが、4代目となった現行モデルが大いに人気を集めることになったインプレッサだけにキープコンセプトとなるのは当然。しかし5代目は、少しだけレベルアップするというのではなく、ユーザーの満足度を全方位で高め、「とことん喜んでもらえる」ために、あらゆる点で妥協なく性能アップを目指したのが新型インプレッサである。
そのために、スバルの次世代プラットフォームとなる「SGP」を採用するなど、骨格の基本から生まれ変わっているのだ。
2013年3月から始まったという開発に妥協はない。スバルが新しいステージへとレベルアップするという意気込みで、持ち得る技術をすべて注ぎ込んだCセグメント車となっている。その象徴といえるのが、国産車として初採用となった「歩行者保護エアバッグ」の全車標準装備であろう。
すでに先行しているメーカー(ボルボ)のシステムはボンネットをポップアップするシステムとの併用だが、スバルはボンネットとフロントウインドウの隙間にエアバッグシステムを仕込むことで、ローコストかつ幅広い保護エリアを実現した。
とくに衝突安全ボディの肝として強度の高くなってしまうAピラーを効果的に覆っているのは、歩行者保護に大いに効いてくるという。
こうした安全性能を示すキーワードは「10年先を見据えたゼロへの責任」だ。交通事故、事故死者をゼロにすることを目的に、歩行者保護エアバッグはもちろん、アイサイトを初めてFWDグレードにも設定するなど全車に標準装備した。
さらに危機回避能力を高めるべく、1/1000秒のフィーリングを数値化することでハンドリングを作り込み、動的質感を高めているとアピールポイントも見逃せない。総合的な安全性能は、ドライバーの歓びにもつながるというわけだ。
なお、国土交通省の認可前ということもあり、いまどきの新型車としては珍しく燃費性能についてのアピールは少なかったが、エンジンは従来型と同じFB20(水平対向4気筒2リッターエンジン)ながら、燃料噴射システムを直噴化するなどして環境性能も最新レベルとしているのは間違いない。
さらにいえば、カタログ燃費よりもリアルワールドでの燃費性能にこだわった補機類の工夫などもなされているという。詳細は秋の発売に向けて、徐々に明らかにされるだろう。
新型インプレッサのボディバリエーションは、従来同様に4ドアセダン「G4」と5ドアハッチバック「SPORT」の二種類。トランスミッションはチェーン式CVTの「リニアトロニック」、駆動方式はFWD(前輪駆動)とAWD(全輪駆動)が用意されると発表されている。
(文:山本晋也)
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