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賛否両論の「観音開きドア」に長い歴史あり! どれもがレア車な採用国産車6台

掲載 更新 16
賛否両論の「観音開きドア」に長い歴史あり! どれもがレア車な採用国産車6台

 Bピラーがあるとスペース的なメリットはない

 観音開きという言葉をご存知だろうか。観音堂のように両側に開くタイプのドアのことで、通常とは異なるものの、自動車史上を振り返ってみると採用しているクルマはある。Bピラーを中心にして真ん中が大胆に開くという点では、最近のスライドドアというのも観音開きの一種と言っていいかもしれない。

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 メリットはじつはあまり多くなくて、後席の人が乗り降りしやすかったり、キャッチ機能を前にもってこれるので後ろのドアの後端をシンプルにできることぐらい。あとは話題性だろうか。また、Bピラーがあるかないかの違いは大きくて、ない場合は大開口部が出現するが、あると単に後ろのドアが逆、つまり逆ヒンジになっているだけと言えたりもして、スペース的なメリットはない。

 とはいえ、Bピラーレスにすると、前のドアを開けてからでないと後ろのドアを開けることはできないこともデメリットとして出てくる。このようにメリットが微妙というのが広く普及しない理由だろう。

 Bピラーがない場合の安全性については、よく危険なのではないかという意見を聞くが、前後ドアの締結をかなり頑丈にするので、問題ない。そもそもBピラーがあっても、金属のパネルで作った筒状のものを上下で溶接しているため、想像よりは高い強度ではないのが実際だ。それでは観音開きを採用した日本車を見ていこう。

 1)トヨタ初代クラウン

 観音開きの旧車といえば、まず思い浮かぶのがこちら。後席の乗降性向上のために、観音開きを採用している。ただし実際に乗り降りしてみたことがあるが、若干後席にアクセスしやすいものの、後ろヒンジと大きく変わることもないというのが正直な感想で、2代目クラウンでは普通のドアとなっている。

 2)トヨタ・オリジン

 トヨタ自動車生産累計1億台を記念して、2000年に登場した初代クラウンリスペクト車。プログレをベースにしたもので、内装はけっこうプログレそのままだったが、外装デザインは初代クラウンに近くて、観音開きも採用していた。ただしBピラーがあるので、大開口部とはいかず、やはり普通に乗り降りする感じではあった。

 両側ピラーレスで開口部を広く取っていたモデルも存在!

 3)ホンダ・エレメント

 2003年に登場した、2代目CR-Vをベースのホンダ製クロスオーバーSUV。スクエアなスタイルで、アメリカがメインターゲットだっただけにボディサイズはビッグ。アウトドアでガンガン使えるキャラクターをアピールしていただけに、両側、ピラーレスの観音開きを採用していて、開口部もかなり大きかった。

 4)トヨタbBオープンデッキ

 2001年にbBの派生で登場したのがオープンデッキ。リヤがピックアップのようになっていて、その分キャビンにスペース的なしわ寄せがいってしまったことに対する苦肉の対応策として採用された感はあった。実際、右だけにしかリヤドアはなく、サイズも小さかった。

 5)マツダRX-8

 2003年に登場したロータリースポーツ、RX-8は観音開きでも話題になった。クーペスタイルを残しつつ、後席への乗降性をアップさせるということで採用された。サイズそのものが小さいので楽に体を通すことはできなかったが、観音開きのメリットを生かしたとは言える。

 6)マツダMX-30

 SUVながら、クーペスタイルも取り入れているのが持ち味だけに、RX-8と同じ目的で採用されている。あくまでもデザインを崩さないことが前提だけに、サイズ、機能ともに最小限ではある。ちなみにマツダでは、MX-30の観音開きドアをフリースタイルドアと呼んでいる。

 以上が、日本車で採用していた車種だが、輸入車ではサターンやミニのクラブマンが採用している程度で、どちらもスタイルを損なわずにリヤドアを設けるための苦肉の策といった感じもしてくる。やはり世界的に観音開きはブレークスルーしきれない、スタイルなのかもしれない。

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