「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ポルシェ ボクスターだ。
ポルシェ ボクスター(2012年:3代目フルモデルチェンジ)
初代のポルシェ ボクスターが登場したのは1996年。それまでのポルシェ車は数字だけの車名がほとんどだったが、水平対向エンジンを表す「ボクサー(BOXER)」とオープンカーを表す「ロードスター(ROADSTER)」をかけ合わせた造語を車名にしたというのは、クルマ好きなら誰でも知っているだろう。
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911の廉価版として登場したボクスターが、1990年代前半に経営難に陥っていたポルシェの救世主となったのは有名な話だ。その後、2004年に第2世代に移行。さらに、第3世代となるタイプ981が、今年(編集部註:2012年)6月より日本に導入されている。ポルシェではそれまで、914や924/944/968といったエントリーモデルが作られたが、いずれも長続きはしなかった。
だがボクスターは時代の波に乗った。当時、世界的に支持を集めていたオープントップモデル専用で開発されたことが功を奏して、3代目まで継続している人気モデルとなった。それどころか、ボクスターの姉妹車として2代目ボクスターをベースにクーペ版のケイマンも登場し、こちらも人気を集めている。ポルシェは過去の苦難を乗り越えて現在があるだけに、再び苦い思いをしないよう力を注いでいることも人気の要因だろう。
3代目となったボクスターの車両価格(税込)は、584万円から774万円。いちばん安い911カレラ(MT)でも1115万円することを考えると「911は高嶺の花だけど、ボクスターなら何とか手が届く」という人は少なくないだろう。閑話休題、さっそく乗り出してみることにしよう。
アルミを多用して軽量化されたシャシの効果も大
3代目となった新型ボクスターは、従来型の2代目よりホイールベースを60mm、トレッドを前40mm/後ろ18mm延長して、操縦安定性や快適性を高めている。サイズ的には全長が32mm長く全高が13mm低くなったが、車両重量は今回試乗したボクスターSで35kgも軽量化されている。
エンジンは2.7Lと3.4Lの水平対向6気筒で、ボクスターSは後者を搭載している。回転フィールは、極めてスムーズだ。しかもシャシにアルミを多用して軽量化されたことや、ミッドシップならではのハンドリングの良さを感じさせる。重心の低さと、何のストレスもなくステアリングホイールを操作したとおりに向きを変えることに感服してしまった。これ、文字にすると当たり前のように思われるかもしれないが、これを本当の意味で実現できているクルマは数少ない。ボクスターは、そんな貴重な1台なのだ。
試乗車はオプションの20インチタイヤを装着していたのだが、これまた薄いサイドウオールのハンデを感じさせない、しなやかな乗り心地をもたらしていた。さらに、PSM(ポルシェ スタビリティ マネージメント)、PTV(ポルシェ トルクベクタリング)、PASM(ポルシェ アクティブサスペンション マネージメント)、PADM(ポルシェ アクティブ ドライブトレーン マウント)といった電制デバイスの効果も大きい。ボクスターは、かなりハイテクなスポーツカーなのだ。
オープンカー専用モデルとして3代目となるだけあって、オープンカーとして作り慣れてきたなという印象もある。ソフトトップの開閉はシンプルで速いし、閉じたときのスタイリングや視界、さらには荷物を積めるスペースも十分に満足できる。ところで、ボクスターが新しくなったということは、それをベースとする新しいケイマンもそう遠くないうちに出るはず。こちらも試乗できる日を楽しみにしたい。
ポルシェ ボクスターS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4380×1800×1280mm
●ホイールベース:2475mm
●車両重量:1360kg
●エンジン:水平対向6 DOHC
●総排気量:3436cc
●最高出力:232kW(315ps)/6700rpm
●最大トルク:360Nm(36.7kgm)/4500-5800rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●燃料・タンク容量:プレミアム・64L
●JC08モード燃費:10.0km/L
●タイヤサイズ:前235/40ZR19、後265/40ZR19
●当時の車両価格(税込):727万円
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