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【10年ひと昔の国産車 15】トヨタ プリウスのNo.1ハイブリッドの座は揺るぎなしのようだった

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【10年ひと昔の国産車 15】トヨタ プリウスのNo.1ハイブリッドの座は揺るぎなしのようだった

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「トヨタ プリウス(3代目、プロトタイプ)」だ。

トヨタ プリウス(2009年:3代目プロトタイプ)
正式発売目前の新型プリウスのプロトタイプにテストコースで試乗する機会を得た。用意された試乗車は、15インチタイヤ&ホイールを履くモデルと、ツーリングセレクションと呼ばれるパッケージオプションの17インチを履くモデル。17インチ装着車はフロントストラットのアッパーマウント硬度を高めるなど、専用のチューニングが施されている。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

まずはデフォルトのノーマル モードで無造作に走ってみる。エコ運転を意識せずに、けっこうラフなアクセル操作でコースを1周してみた。燃費低減を支援するエコドライブモニターには目もくれず、適当に走った結果は18.4km/L。10・15モード燃費のおよそ半分くらいだが、急な登坂路をアクセルベタ踏みで上ったりした結果だから、こんなものかもしれない。

2周目はちょっと反省して、エコモードスイッチをオンにして走ってみる。このモードではアクセルワークに対する反応がやや鈍くなるが、結果は33km/Lと、カタログ燃費にグンと近づいた。ただし、前述のようにアクセルレスポンスを意図的に鈍くしている感もあり、登坂路ではちょっとじれったさを感じるかもしれない。

そこで、平坦路や下り坂ではエコモードで走り、登坂路手前でパワーモードのスイッチをオン、登り切ったところでオフにするという走り方をしてみた。結果は28km/L。ちょっとしたゲーム感覚だが、大きく燃費が変わる。エコランに長けた人ならば、EVドライブモードもうまく併用して、カタログ燃費を大幅に上回る燃費を出せるだろう。

続いて、ショートサーキットでスポーツ走行してみる。燃費はまったく無視して、ガンガン走ってみたが、どんなに頑張って攻め込んでも7km/Lを切ることはなかった。エンジン/モーターともにフル稼働状態にもかかわらずこの燃費である。しかも二次バッテリーはほとんど常時放電状態だから、実質的なアシスト量はほとんどない状態であろう。

このテストでは、従来型よりシャシとブレーキが格段に進歩していることがわかった。かなり改善されたとはいえ、従来型ではやはり回生ブレーキ固有の癖が残っていたが、それが見事に改善されている。とくにブレーキングを終えてペダルを緩める時のタッチがもの凄く自然になった。かなりのハードブレーキングでも音を上げない。

ハンドリングは安定性重視でアンダーステアが強めにセットされているが、スポーツグレードもしくは、オプションでスポーツサスペンションの設定などがあっても面白いかもしれない。基本的にはオーリスのシャシをベースにしているから、かなりハンドリング指向の乗り味に仕上げることも可能だろう。

今回はあくまでクローズドコースという特殊な条件下、しかも車速や走らせ方もバラバラなので、燃費はあくまで参考値にとどめて欲しいが、実際公道に出たときにも、かなりの好燃費が期待できそうだ。

いわば小さな発電機を内蔵するプリウス。発進時にはモーターだけで走り出せるだけに、とくに都市部の燃費では他車を圧倒することは間違いない。ハイブリッドのパイオニアとしてのプライドと、その完成度にはまたしても隙がないようだ。

■トヨタ プリウス(プロトタイプ) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4460×1745×1490mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1350kg
●パワーユニット種類:直4 DOHC+モーター
●排気量:1797cc
●エンジン最高出力:73kW<99ps>/5200rpm
●エンジン最大トルク:142Nm<14.5kgm>/4000rpm
●モーター最高出力:60kW<82ps>/2770-4000rpm
●モーター最大トルク:208Nm<21.2kgm>
●システム最高出力:100kW<136ps>
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●JC08モード燃費:38.0km/L

[ アルバム : トヨタ プリウス(3代目プロトタイプ) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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