現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > FRの2シリーズ登場を喜ぶ BMW M240i x ポルシェ718ケイマン x AMG CLA 45 3台乗り比べ 後編

ここから本文です

FRの2シリーズ登場を喜ぶ BMW M240i x ポルシェ718ケイマン x AMG CLA 45 3台乗り比べ 後編

掲載 6
FRの2シリーズ登場を喜ぶ BMW M240i x ポルシェ718ケイマン x AMG CLA 45 3台乗り比べ 後編

勢いを維持する走りこそケイマンの喜び

ポルシェ718ケイマンのパワーステアリングはアシストが弱く、ダイレクト感も若干低い。しかし、感触と重み付けはリアル。50km/hも出せば、操舵感は夢見心地だ。シャシーの精巧さが現れる速度域へ迫ると徐々に重さが増し、印象は一層良くなっていく。

【画像】FRをキープした2シリーズ・クーペ 718ケイマン、AMG CLA 45Sと写真でも比較 全90枚

不足ないパワーを得るには、高い回転数を保つ必要がある。だが、その勢いを維持しながら走らせることこそ、718ケイマンの喜びでもある。

フロントノーズの向きが僅かに変化するだけでも、サスペンションへ掛かる負荷の推移を感じ取れる。巧みなクッション性を備えつつ、1度か2度、ささやかにボディがロールする。とても品がいい。

コーナーの曲率などに関わらず、アウト側の2本のタイヤが公平に荷重を受け持つ。最初にフロント側へ負荷が掛かり、それからリアへシフトしていくBMW M240i xドライブ・クーペとは好対照。718ケイマンは、とてつもなく直感的だ。

BMWもクルマとの意思疎通がしやすく、偽りがない。しかし、ボディがひと回り大きく重いことを、雨の下り坂でジワジワと感じる。右側には白線が迫り、左側には水の溜まった路肩が近い。自然と、少し早めに速度を絞っている。

筆者はポルシェ911 ターボより、ベーシックな718ケイマンこそ、チャレンジングな雨の郊外の道を楽しむ究極のモデルだと思う。より小さく有機的で、挙動がクリア。望み通りのスポーツクーペだ。

926ポンド(約15万円)の、トルクベクタリング機能付きリミテッドスリップ・デフがあれば完璧。今回の718ケイマンには、しっかり備わっていた。

AMGの技術力が集結したCLA 45S

まるで身体の延長のように、極僅かな入力のやり取りが面白い。初めて旋回するカーブでも、入り口でステアリングホイールの角度を決めれば、その後に切り増しする必要もない。ポルシェ以外のモデルでは、同じ体験は難しい。

そして、それと明らかに味わいが違うのが、メルセデスAMG CLA 45S 4マティック+ クーペ。分厚いビーフステーキに、ニンニクがたっぷり掛かったようなクルマだ。

ドアを開くと、スーパーカー級のバケットシートが高い位置に並んでいる。ハッチバックが起源であることを匂わせるように、フロントガラスが近い。

フロントには、 M139型と呼ばれる2.0L直列4気筒エンジンが載り、ターボの位置は後方。インテークマニホールドが前方にレイアウトされ、効果的に吸気を冷やし、ターボラグを減らしている。最高出力は、2台を圧倒する422psだ。

メルセデスAMGの技術力が集結している。コーナーでの姿勢制御は、息を呑むほどにフラット。軽快で鋭く反応するステアリングと、ワイルドな加速力。安全性を担保しながら、リアタイヤを思い切り振り回すことすら受け入れてくれる。

M240i xドライブの、グランドツアラー的フィーリングとは異なる。718ケイマンの、ドライバーと一体のような巧みなハンドリングも得てはいない。圧倒的に鮮烈で、ナンセンスさすら感じてしまう。それが魅力でもあるのだが。

10人中7人はM240iを選んで幸せ

AMG CLA 45Sのドライブフィールは、古いスバル・インプレッサWRXと新しいアウディR8とを掛け合わせたようなもの。スーパーカー級の能力を、コンパクトなボディに秘めている。

同時に、やみくもにスピードを追い求めない限りは、穏やかなCLAのようにも振る舞う。ポルシェとBMWは、速度域に関係なく特別な気分を味わえる。普段使いで、運転を楽しめる。

今回の3台の乗り比べ。それぞれの個性に順番を付けるなら、10人中7人は、BMW M240i xドライブ・クーペを選んで幸せを感じるだろう。長距離移動を快適にこなせつつ、腕のなるワインディングでは、ドライバーの期待にしっかり応えてくれる。

秀でたコーナリング性能を備えているが、片道400kmの自動車旅行でも疲れない。BMWのジュニアMとして、もう少しルックスの差別化は欲しいところだが、総合的な訴求力は相当に高い。

残りの3人のうち、2名はポルシェ718ケイマンに満足するだろう。純粋さと質感に、心が奪われるはず。M240i xドライブに劣るパワーと快適性にも、納得できると思う。

そして残りの1人は、メルセデスAMG CLA 45Sに惚れるだろう。カリカリに熱いクルマを望むドライバーのためのクルマだ。ワープするような加速力を、称賛しないわけにはいかない。ただし、英国価格は5万9479ポンド(約955万円)と1番高価でもある。

これは多数決ではない。筆者の場合? その10名では、2名のなかに含まれる。

718ケイマンに240i CLA 45S クーペ3台のスペック

ポルシェ718ケイマン PDK(英国仕様)のスペック

価格:4万8540ポンド(約776万円)
全長:4379mm
全幅:1801mm
全高:1295mm
最高速度:273km/h
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:10.9-11.2km/L
CO2排出量:201-208g/km
車両重量:1365kg
パワートレイン:水平対向4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/6500rpm
最大トルク:38.6kg-m/2150-4500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

BMW 240i xドライブ・クーペ(英国仕様)のスペック

英国価格:4万5795ポンド(約732万円)
全長:4537mm
全幅:1838mm
全高:1390mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.3秒
燃費:11.4-12.2km/L
CO2排出量:186-200g/km
車両重量:1690kg
パワートレイン:直列6気筒2998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:373ps/5500-6500rpm
最大トルク:50.9kg-m/1900-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

メルセデスAMG CLA 45S 4マティック+ クーペ(英国仕様)のスペック

価格:5万9479ポンド(約955万円)
全長:4688mm
全幅:1830mm
全高:1439mm
最高速度:270km/h
0-100km/h加速:4.0秒
燃費:11.2km/L
CO2排出量:189g/km
車両重量:1695kg
パワートレイン:直列4気筒1991ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:422ps/6750rpm
最大トルク:50.9kg-m/5000-5250rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
レスポンス
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
AUTOSPORT web
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
乗りものニュース
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
くるまのニュース
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
motorsport.com 日本版
スズキ『V-STROM 250SX』がカラーリング変更、新価格は59万1800円
スズキ『V-STROM 250SX』がカラーリング変更、新価格は59万1800円
レスポンス
約3000万円で落札されたポルシェ「911 カレラRS アメリカ」は何か変! 実は新車の頃からシュトロゼックのボディキットが装着されていました
約3000万円で落札されたポルシェ「911 カレラRS アメリカ」は何か変! 実は新車の頃からシュトロゼックのボディキットが装着されていました
Auto Messe Web
フォード、伝統のバハ1000で『ブロンコDR』と『レンジャー・ラプター』が主要部門を制覇
フォード、伝統のバハ1000で『ブロンコDR』と『レンジャー・ラプター』が主要部門を制覇
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、出鼻を挫くパンクは「大きな衝撃がなかった」と驚き。DAY2は”抑えめ”の走りに|WRCラリージャパン
トヨタ勝田貴元、出鼻を挫くパンクは「大きな衝撃がなかった」と驚き。DAY2は”抑えめ”の走りに|WRCラリージャパン
motorsport.com 日本版
最強の4気筒「メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Final Edition」は限定300台
最強の4気筒「メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Final Edition」は限定300台
AutoBild Japan
アイオニック5からコナへ!【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート5】
アイオニック5からコナへ!【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート5】
AUTOCAR JAPAN
走行中、後ろから緊急自動車が! 譲らないと「違反」に!
走行中、後ろから緊急自動車が! 譲らないと「違反」に!
くるくら
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」登場! 豪華“ウッド”&茶内装が超カッコイイ! 充電システム×エアコンも完備のケイワークス「アーチザン Type I」お台場で実車公開
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」登場! 豪華“ウッド”&茶内装が超カッコイイ! 充電システム×エアコンも完備のケイワークス「アーチザン Type I」お台場で実車公開
くるまのニュース
【ヤマハ】Netflix の新作SFアニメ「Tokyo Override」にヤマハがデザインしたバイク「Y/AI(ワイエーアイ)」が登場!
【ヤマハ】Netflix の新作SFアニメ「Tokyo Override」にヤマハがデザインしたバイク「Y/AI(ワイエーアイ)」が登場!
バイクブロス
キャンプ・災害に備える手のひらサイズの携帯浄水器「Greeshow GS-288」のセール実施中!
キャンプ・災害に備える手のひらサイズの携帯浄水器「Greeshow GS-288」のセール実施中!
バイクブロス
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
くるまのニュース
クシタニが2024-25FWガーメントを発売! 暖かさと運動性の高さを両立した防寒パンツ・ブーツ・グローブをラインナップ
クシタニが2024-25FWガーメントを発売! 暖かさと運動性の高さを両立した防寒パンツ・ブーツ・グローブをラインナップ
バイクのニュース

みんなのコメント

6件
  • 本音はポルシェだけど、定員や使い勝手や世間体その他でBMWやAMG、ってトコじゃない?
    ただ、そうなると2シリーズより3シリーズの方が相応しいけど。
  • A45Sって今一遅いんだよな。スペック程の速さを感じない。2Lエンジンで無理しているのがアリアリ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

871.01878.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

429.93400.0万円

中古車を検索
718 ケイマンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

871.01878.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

429.93400.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村