現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 58年ぶり10回目のル・マン制覇、フェラーリにとって「忘れられない1日となった」【ル・マン24時間】

ここから本文です

58年ぶり10回目のル・マン制覇、フェラーリにとって「忘れられない1日となった」【ル・マン24時間】

掲載 6
58年ぶり10回目のル・マン制覇、フェラーリにとって「忘れられない1日となった」【ル・マン24時間】

2023年6月10日~11日(現地時間)に行われたWEC(世界耐久選手権)第4戦ル・マン24時間レース決勝は、50年ぶりにスポーツカーレースの最高峰に復帰したフェラーリの劇的な優勝で終わったが、トヨタ8号車の猛追により、最後の最後まで優勝の行方はどうなるかわからなかった。レースを終えたフェラーリチームから、その劇的なレースの舞台裏が発表された。

フェラーリ51号車も最後のピットストップでトラブルを抱えていた
伝統のル・マン24時間レース100周年大会、フェラーリはフリー走行、予選から好調だった。予選グリッドを決めるハイパーポールでは、50号車がトップタイムをマークすると、51号車が2番手に続き、フロントロウを独占してみせた。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

6月10日(土)午後4時にスタートが切られた決勝レースは、コースの一部が雨で濡れているという状況から2度にわたって豪雨に見舞われ、アクシデントが続出し順位がめまぐるしく変わる展開となったが、フェラーリの2台は快調だった。

フェラーリにとって不運だったのは、その後、首位を走る50号車がエネルギー回生システムの冷却装置の一部であるラジエーターを石で破損し大きく遅れたこと。それでも最後まであきらめず、結局5位でフィニッシュしているが。

レース中盤、トヨタの8号車とフェラーリの51号車の一騎討ちとなっていく中、首位のトヨタ8号車がフロントスプリッターにダメージを負うとともにリアタイヤのパンクに見舞われて2位へと後退したことが、優勝争いのひとつのポイントになった。

これでフェラーリ51号車がトップに立ったが、トヨタ8号車は大きく差をつけられることなくコースに復帰、20時間を過ぎた時点でも、2台の差はわずか3秒という僅差だった。

残り2時間、優勝の行方はまだわからない状況だったが、トヨタ8号車の最終ドライバーの平川亮がアルナージュコーナーで痛恨のコースオフ。これでフェラーリの51号車がギャップを3分近くに広げた。これで勝負ありかと思われたが、実は51号車も最終ピットストップでエンジン再始動で手こずり、どうなるかわからない状態になっていた。

電源のオン/オフでなんとかその時は解決したが、「再び時間を失う可能性があった」という。結局その後大きな問題は起こらず優勝を遂げることになるが、トヨタ8号車とマージンがあったのはラッキーだった。

ちなみにフェラーリ51号車とトヨタ8号車の差は最終的にわずか81秒だった。

ジョン・エルカーン フェラーリ会長のコメント
「今日は忘れられない日となりました。50年を経て、私たちは、私たちの物語とすべてのモータースポーツの歴史の中心に位置する耐久レースの最高カテゴリーに参戦するために戻ってきました。 私たちは、世界で最も重要なこの種のレースの100 周年を可能な限り最高のスタイルで祝い、再びル・マンで表彰台の最上段に引き上げたことを本当に誇りに思います」

アレッサンドロ・ピエル・グイディ(51号車ドライバー)のコメント
「私たちが何をしたかを理解するには時間がかかります。 おそらく今、私たちは世界最大のブランドであるフェラーリの歴史の一部になっているのでしょう。 マシンは新しく、レースはクレイジーでした。天候は荒れ狂い、多くのセーフティカーが登場しました。 でも結局のところ、ル・マンはいつもこんな感じです。トラブルに巻き込まれないようにするか、少なくとも間違いを最小限に抑えるように努めなければなりません」

フェラーリは2022年10月に新しいハイブリッドパワートレーンを搭載したル・マン ハイパーカー「フェラーリ499P」を発表して、WECへの参戦を表明。12月に耐久テストを行い、2023年3月のWEC開幕戦のセブリングでデビューするやいきなり予選でポールポジションを獲得、第2戦ポルティマオ、ル・マンの“前哨戦”として行われたスパ・フランコルシャンと3戦連続で表彰台に上り、シリーズ参戦4戦目でル・マン24時間レースで初優勝を飾った。

2023年WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間決勝
1位 51 フェラーリ499P(グイディ/カラド/ジョビナッツィ) 148周
2位 8 トヨタGR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮) +81.793s
3位 2 キャデラックVシリーズ(バンバー/リン/ウエストブルック)+1周
4位 3 キャデラックVシリーズ(ブルデー/サンデ/ディクソン)+2周
5位 50 フェラーリ499P(フォコ/モリーナ/ニールセン) +5周

2023年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第4戦終了時)
1位 ブエミ/ハートレー/平川亮(トヨタ) 107
2位 グイディ/カラド/ジョビナッツィ(フェラーリ)82
3位 バンバー/リン/ウエストブルック(キャデラック)70
4位 フォコ/モリーナ/ニールセン(フェラーリ) 67
5位 コンウェイ/小林可夢偉/ロペス(トヨタ)66

2023年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第4戦終了時)
1位 トヨタ 126
2位 フェラーリ 108
3位 キャデラック 70
4位 ポルシェ 54
5位 プジョー 35

[ アルバム : WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間 はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

約183万円! 三菱「新型“5ドア”軽SUV」発表に反響多数! 「走りがいい」「好き」の声!半丸目もカッコイイ「ミニ」が話題に
約183万円! 三菱「新型“5ドア”軽SUV」発表に反響多数! 「走りがいい」「好き」の声!半丸目もカッコイイ「ミニ」が話題に
くるまのニュース
新車99万円! ダイハツ「“最安”ワゴン」どんな人が買う? イチバン安い「国産乗用車」は装備が十分! 超お手頃な「ミライース」支持するユーザー層とは
新車99万円! ダイハツ「“最安”ワゴン」どんな人が買う? イチバン安い「国産乗用車」は装備が十分! 超お手頃な「ミライース」支持するユーザー層とは
くるまのニュース
2025年は赤・黄・黒の3色 スズキ「V-STROM 250SX」2025年モデル発売
2025年は赤・黄・黒の3色 スズキ「V-STROM 250SX」2025年モデル発売
バイクのニュース
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
レスポンス
KTM1390スーパーデュークGT発表!カテゴリーで最も過激なスポーツツアラーを標榜するGTが1390系エンジンでバージョンアップ
KTM1390スーパーデュークGT発表!カテゴリーで最も過激なスポーツツアラーを標榜するGTが1390系エンジンでバージョンアップ
モーサイ
新しい2.2Lディーゼルエンジンと8速ATを搭載したいすゞ「D-MAX」および「MU-X」がタイでデビュー
新しい2.2Lディーゼルエンジンと8速ATを搭載したいすゞ「D-MAX」および「MU-X」がタイでデビュー
カー・アンド・ドライバー
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
AutoBild Japan
紀伊半島の「最南端」に大変化!? 無料の高速「串本太地道路」工事進行中! 関西エリアの交通を一変する「巨大ネットワーク計画」とは
紀伊半島の「最南端」に大変化!? 無料の高速「串本太地道路」工事進行中! 関西エリアの交通を一変する「巨大ネットワーク計画」とは
くるまのニュース
ホンダ、栃木県とスポーツ振興協定を締結…ラグビーとソフトボールで地域活性化へ
ホンダ、栃木県とスポーツ振興協定を締結…ラグビーとソフトボールで地域活性化へ
レスポンス
軍用車マニアはたまらない!? 大戦中の1942年に製造された“フォード製ジープ”をオークションで発見 フォード「GPW」ってどんなクルマ?
軍用車マニアはたまらない!? 大戦中の1942年に製造された“フォード製ジープ”をオークションで発見 フォード「GPW」ってどんなクルマ?
VAGUE
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
WEB CARTOP
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
くるまのニュース
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
バイクのニュース
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
レスポンス
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
motorsport.com 日本版
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
モーサイ
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

6件
  • これがフェラーリの歴史と強さと凄さでありトヨタとの差だな
  • 半世紀以上も未出場で完走どころか総合優勝なんてミラクルとしか言いようがない
    どこのワークスも成し遂げた事の無い離れ技
    今後もこんな事は起こりえない
    凄すぎる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村