ポルシェ953をモチーフにしたカラーリング
AUTOCARのニュースでも2022年にご紹介した、ポルシェ911 ダカール。その画像へ、強く関心を抱いた読者もいらっしゃると思う。
【画像】新次元の疾走体験 ポルシェ911 ダカール 高性能な同社のクロスオーバー 競合モデルも 全116枚
クラシックカーや経済に詳しい方なら、賢明な投資になる1台だとお考えかもしれない。生産台数は2500台に限定され、基本的には完売状態。中国向けの一部はまだ買い手が決まっていないが、単純に注文の受け付けが始まっていないだけにすぎない。
高性能なSUVやクロスオーバーへ詳しい技術者なら、既存のテーマに新風を吹き込んだ、見事なマリアージュだと評価するかもしれない。車高が持ち上げられたサスペンション構造や、180km/hでも砂漠を安定して走れる秘訣を、詳しく知りたいはず。
そんな情報通でなくても、ロスマンズカラーには目が奪われるだろう。ラリードライバーのジャッキー・イクス氏が、1984年のパリ・ダカール・ラリーで優勝したマシンをモチーフにしている。
ただし、あのマシンは911をベースとしていたが、正式には953を名乗っていた。同社として初の四輪駆動モデルでもあった。
派手なカラーリングをまとい、車高が持ち上げられた911 ダカールは、ブランドショップが立ち並ぶ都心のエリアでも相当に目立つに違いない。ちなみにお値段は、911 カレラの2倍近くもする。
携行用ジェリカンやルーフテントも
正直なところ、筆者はポルシェとラリーとの結びつきを、さほど意識してこなかった。強い憧れというものがないから、911の新種を冷静に評価できる。市場の反応や喚起されるイメージを予測しながら、現実の仕上がりを確かめられたと思う。
ボディカラーと車高を除いて、シンプルに表現するなら、このポルシェはモディファイされた992型の911 カレラ4 GTSと呼んでもいい。もちろん、上昇した価格へ見合う、多くの変更が加えられているが。
カレラ4 GTSの英国価格は、素の状態で12万800ポンド(約1932万円)と、既にお高い。一方のダカールは、17万3000ポンド(約2768万円)へ跳ね上がる。レーシングカーへ限りなく近い、GT3 RSへ残り5500ポンド(約88万円)まで接近している。
現実的には発揮しきれないような速度域でのオフロード性能を備え、他とは一線を画す容姿で仕立てられている。確かに、価格は少々強気すぎるようにも思えるが、単なるファッションではない。しっかり、能力も鍛えられている。
ポルシェらしく、アクセサリーもふんだんに用意されている。砂漠でスタックした時に役立つラダーや、航続距離を伸ばす携行用ジェリカンだけでなく、キャンプでも使えそうな水筒やルーフテントも選べる。自ずとイメージが膨らむ。
50mm増しのサスに専用のオフロードタイヤ
車体へ話題を移すと、ボディシェルと3.0Lの水平対向6気筒ツインターボ・エンジン、8速デュアルクラッチ・オートマティック(PDK)は、カレラ4 GTSと基本的に同一。ダカールの場合は、7速MTは選択できない。
最も大きな変更を受けているのが、50mm車高が増やされたサスペンション。ズブズブ沈んでいくような砂地を走る場合に備えて、最大80mmまで持ち上げることもできる。
過酷なオフロードを走破するには、有能なタイヤも欠かせない。オールテレーン・タイプは、一般的にはスポーツカーへ装着されないため、ポルシェはピレリにダカール専用品をオーダーしている。
タイヤの構造体となるカーカスは二重に巻かれ、極めてパンクしにくいという。ポルシェによると、鋭い岩がゴロゴロとある砂漠で何日もテスト走行を重ねたが、交換に迫られたのは2本で済んだらしい。
そのダカール専用のピレリ・スコーピオンはサイドウォールが分厚く、ホイールサイズは、カレラ4 GTSの標準から1インチ落とされている。すると、GTS用のブレーキが干渉するため、カレラS用のひと回り小さいディスクが装備されている。
カーボンセラミック・ブレーキのオプションも、ダカールでは選べない。もっとも、オンロードでの最高速度はタイヤの性能を踏まえて239km/hへ制限されるため、制動力が足りなくなることはないだろう。
ドライブモードへ悪路用の2種を追加
ドライブモードには、オフロードでの走破性を高めるべく、新しく2種のモードが追加された。その1つがオフロード・モード。通常は前後でほぼ50:50にエンジンのトルクが割り振られ、トラクションが最大化される。必要に応じて自在に分配も可能だ。
もう1つがラリー・モード。こちらの方が筆者好みだった。積極的にリアタイヤ側へトルクが伝達されるようになり、砂利道などを意欲的に走れる。
ダカールの能力を高めるべく、ボディ各部にも手が加えられている。ボンネットは911 GT3用のカーボンファイバー製で、エンジンマウントも同様。リアシートは省かれ、バッテリーは軽量なものに置き換えられ、ガラスは薄肉化された。
アンダーボディ・プロテクションとカーボン製のリアウイングは、ダカールの専用アイテム。フロントオーバーハングと路面との角度、アプローチ・アングルを深くするため、ラジエターの位置も変更されている。
オンロードでも走りをバックアップする、アクティブ・アンチロールバーと後輪操舵システムは標準装備となる。ポルシェが、真剣にダカールを開発したと理解できる内容だ。
それでは、実際に走ったらどうなのか。筆者がダカールの試乗場所として招かれたのは、アフリカ大陸の北西部に位置するモロッコ。アルジェリアとの国境に近い、画に書いたような砂漠地帯だった。
この続きは後編にて。
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