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なぜ? ド迫力「アメ車」が車検に通らない事も 時代と地域で違うカスタム事情とは

掲載 更新 25
なぜ? ド迫力「アメ車」が車検に通らない事も 時代と地域で違うカスタム事情とは

■日本への進出がアメ車を変えた? 昔と今の違いとは

 大きな車体、そして独自の世界観を持つことから、アメリカ車(アメ車)は人気を集めています。しかし、ひと昔前ではアメリカから輸入したままの状態では日本の車検に受からないアメ車も存在したようです。

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 なぜ、昔のアメ車は車検に通らないことがあったのでしょうか。

 かつてのアメ車が車検に通らなかった理由として、アメ車はもともとアメリカの法規に合致するようにつくられているから、という事情があります。

 軍用車両「ハンヴィー」の民間車として販売されていたハマー「H1」や、ピックアップトラックなどに見られる「オレンジ色のルーフライト」(ルーフマーカー)は、日本の保安基準に適合しない装備のひとつです。

 日本におけるクルマの装備などの規則を定めた「道路運送車両の保安基準」では、クルマのライト(灯火類)に関するさまざまな制限が記されています。

 そのなかでは、ウインカーの燈色やブレーキランプの赤色について、設置する場所や照らす方向が厳密に決められ、アメリカでは問題のないタイプのルーフマーカーも、日本では車検に受からなくなることがあります。

 また、日本からアメリカに輸出されるクルマのなかには、「日本仕様には存在しない」ものの「北米仕様には存在する」装備が装着されている場合もあります。

 三菱を代表するスポーツカーとして知られる「ランサーエボリューション」の北米仕様車には、現地の法律や規定に適合するよう、リアバンパーのサイド左右それぞれに「サイドマーカー」と呼ばれるランプが装備されていることがありました。

 このように日本では装備することが難しいものの、海外では問題ないとされる装備はアメリカ以外にもあります。

 オーストラリアで販売されているトヨタ「ハイラックス」には、現地特有の装備として「ブルバー」と呼ばれるアニマルガードがオプション設定されています。

 オーストラリアではカンガルーなどの野生動物と接触する機会が少なくないとされています。そのため、接触時にクルマの前部分に装着されている冷却装置を保護するため、フロントバンパーやグリルのさらに前側に頑丈な合金製のバーが取り付けられています。

 日本では、車体から大きくはみ出てしまう、車体の寸法が変わってしまう、歩行者との接触時に怪我につながるなどの理由から装着することが困難な装備のひとつです。

 その国独自の法律や、それに基づく装備の違いなどによって、アメ車などをはじめとした海外のクルマを日本で走らせるためにはさまざまな注意が必要となります。

 しかし、近年はそうした事情も変化しているようです。その理由について、あるアメ車専門店のスタッフは以下のように話しています。

「かつては日本にアメリカ車の正規代理店が少なかったことから、並行輸入車が少なくありませんでした。そのため、保安基準に適合しないアメ車も多く、そのままでは車検取得ができないものもありました。

 しかし、最近はアメリカ車だからといって車検が通らないということはありません。日本でアメ車を販売する正規代理店が登場するようになって、アメリカ仕様のクルマがそのまま販売されることがなくなったのです。

 そのため、現在はメーカー側で日本の保安基準に合致するよう『日本仕様』に改良してから販売しています。

『車検に通らないアメ車』というのは、ヴィンテージと呼ばれるような日本に輸出されることが想定されていなかった時代のクルマたちではないでしょうか」

※ ※ ※

 大きな車体と大排気量などの特徴を持つアメ車は、日本車では類を見ないクルマとして多くの人を魅了してきました。

 また、日本全国に正規代理店を展開するジープは、武骨なエクステリアやタフな外観から幅広い世代から支持を得ていおり、2009年には約1000台だった販売台数も、2019年に約1万3000台と増加しています。

 このように、近年のアメ車は日本でも一定数の需要が存在し、市場としても成り立っていることから、日本仕様ともいえるアメ車の登場により、「車検に通らない」というのは過去の話になったといえます。

■ド迫力! 度肝を抜くような本場アメリカのカスタム事情

 アメリカでは、現地で人気を集めるピックアップトラックをはじめ、SUVやセダンなどの車種でもユーザーによるカスタマイズが盛んです。

 近年はインターネットやSNS、映画などを通じ、日本車をベースとしたカスタマイズや日本のカスタムを参考にした「JDM」と呼ばれるスタイルを楽しむユーザーも増えています。

 また、車高を低くし、複雑なカラーリングを施された「ローライダー」と呼ばれるカスタマイズも人気を集めています。

 ローライダースタイルのクルマには、特別な油圧サスペンションやエアサスペンションが装着され、サスペンション内の油圧や空気を急激に変化させることで、クルマを飛び跳ねさせる動作なども特徴的です。

 一方で、アメリカにはFMVSS(連邦自動車安全基準)があり、どんなカスタマイズでもできるというわけではありません。渡米経験のある自動車整備士は以下のように話しています。

「アメリカには車検がないから自由、と思われる人もいるかもしれませんが、州によっては日本の車検のようなルールも存在します。

 例えばカリフォルニア州では、マフラーなどの改造なども非常に厳しく、改造内容によっては違法になることもあるといわれており、クルマの改造が自由にできないところもあります。

 その一方、ネバダ州などでは比較的自由とされています」

※ ※ ※

 他国に比べ、日本には車検制度があり、クルマの改造に対して厳しい目が向けられているといわれることもあります。

 しかし、実際には海外にも独自の検査制度や安全基準があり、「自由な改造が許される」というわけではありません。

 ルールを理解し、適切にクルマを運行する責任を負うことは、どの国でも共通であるといえるでしょう。

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みんなのコメント

25件
  •  記憶違いだったらゴメン。記事の中にあるカンガルーバーは衝突時、歩行者に与えるダメージが大きいから、との理由でメーカー自主規制しているだけで、取り付けが違法と言う訳ではないと聞いた。うちの営業車だって大型のフォグランプを付けるためメーカー純正のカンガルーバー付けているけど、そのままで車検も通っている。もし違法なら車検時「とりはずせ」って事になると思うんだけど?だれか詳しい方、教えて!
    扱いとしては、スキーキャリアのような「取付パーツ」じゃなかったかな?
  • ボンネットにどでかい鳥の絵が描いてあるトランザムとかいたよなー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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