■新型「N-BOX JOY」が狙うのは「タフさ」よりもっと「ゆるい感覚」!?
新車販売台数トップに君臨し続けるホンダの人気軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」は、通常モデルとドレスアップされた上級仕様「N-BOX カスタム」がラインナップされ、ともに広大な室内空間が最大の魅力となっています。
その空間を最大限に活用した新たなライフスタイルの提案と、クロスオーバーテイストのデザインをまとった“第三のN-BOX”として、2024年9月19日に新型「N-BOX“JOY(ジョイ)”」が誕生しました。
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新型N-BOX JOYの外観は、フロントフェイスを中心に道具感を表現しつつ、ブラックルーフの2トーンカラーをメインに用意し、街中でも浮かないデザインに仕上げているのが印象的。
一方でインテリアは激変し、外からでも目をひくチェック柄のシートがお部屋のような雰囲気を高めているほか、後席を倒すだけでどこでも自由にくつろげるスペースが広がる、その名も「ふらっとテラス」が大きな特徴となっています。
正式なグレード体系や価格など詳細は9月26日の正式発表を待つことになりますが、新型N-BOX JOYには自然吸気モデルとターボモデルがあり、FFと4WDが設定されています。
このように新型N-BOX JOYは、他社の軽スーパーハイトワゴンがラインナップする「SUVモデル」のような「タフなギア感」や「アクティブ感」を追い求めたキャラクターとは、少し異なることがわかります。
新型N-BOX JOY開発のキーワードには、「気軽に」や「リラックス」「くつろぎ」「ナチュラル」といった、ゆるい感覚がしっくりくる言葉がズラリ。
というのも、ホンダが行った軽スーパーハイトワゴン購入意向者への調査によれば、ひと口にアウトドアレジャーといっても、たくさんの道具を用意して行う本格的なキャンプではなく、ふらりと近所の公園や河原などへ行き、サッと椅子を広げてコーヒー片手にくつろぐような、気軽な楽しみ方が好まれていることがわかったといいます。
その傾向はとくに20代に突出して多く、アウトドアにリラックスを求めていることから、新型N-BOX JOYでは「みんなが気軽に使えること」「どこでものんびり過ごせること」「ゆったりと時を味わえること」といった、楽しいマイペースを提供するクルマを目指したのです。
そんな新型N-BOX JOYの具体的な特徴について見ていきましょう。
まずエクステリアデザインは、気楽に頼れる道具感を表現する「ファンクショナルフェイス」が、相棒としての信頼感や長く愛着の持てる“いいモノ感”を表現。
とくにこだわったというヘッドライトは、形状そのものこそベースモデルから変わっていませんが、アルミとシボの組み合わせを用いてカメラのレンズのように手に馴染む感じや、時を経ても色褪せないツールをイメージさせてくれます。
そしてフロントグリルは、軽規格ギリギリのサイズの中でも立体感を出したいと、あえて凹ませることで強さ感を演出。おおらかな角丸モチーフで、機能性の高さを予感させる形状としています。
フロントバンパーは、ブラックで囲むコンビネーションデザインを採用。当初はオールブラックにする案もあったそうですが、そこまでやるとアウトドアに寄り過ぎてしまうため、日常の延長としてのアクティブ感を大切にデザインしたとのこと。
サイドのロアーガーニッシュは、キャリーボックスのように頼もしさをプラスするデザインのポイントとなるだけでなく、実際にちょっとぶつけたりしても傷がつきにくいよう、実用性も考慮しています。
また14インチとなるスチールホイールのデザインは、自然吸気モデルとターボモデルで別デザインを用意する凝りよう。
スポークのついたデザインだと、走行中に「頑張ってる感」が出てしまうため、あえて方向が出ないような自然体の円のデザインを採用し、ヘッドライトのデザインともリンクしたコーディネートを意識しています。
そのほかの変更点としては、アウタードアハンドルやドアミラーハウジング、リアライセンスガーニッシュにブラックを採用。モノトーンカラーのモデルでは、フロントドアサッシュの黒テープを廃止しています。
新型N-BOX JOYのボディカラーは全7色。近年のトレンドであるアースカラーを中心に「フィヨルドミスト・パール」や「オータムイエロー・パール」など5色の2トーンカラーと2色のモノトーンカラーが揃っています。
■チェック柄のオシャレな室内で「ピクニック」できる!?
新型N-BOX JOYの特徴、続いては激変したインテリアを見ていきましょう。
内装は、広大な室内空間を最大限に活かし、チェック柄のシートと「ふらっとテラス」の採用で心おどる空間に仕上がっています。
開発のスタート時は、「ピクニック気分を手軽に味わいたいよね」というところからはじまり、まずフラットにしたラゲッスペースジにチェック柄の布を敷いてみたといいます。
その時に自然と「お茶したいね」という気分になったのが、チェック柄を提案するきっかけだったそう。
もともと、荷室に使われることが一般的な不織布は水を吸いやすく、ついたホコリも取りにくいため、それなら撥水加工にして濡れても拭き取りやすく、荷物を積んだり人やペットが乗ったりしてガシガシ使っても傷みにくい素材にしたかったといいます。
ただ、チェック柄といっても膨大な色やパターンがあり、ジェンダーフリーで年代を問わず、飽きずに長く愛着を持ってもらえて、汚れも目立ちにくい、といった多くの要件を満たすチェック柄を開発するのはとても苦労したとのこと。
試行錯誤の末に、ブラウンとベージュをベースに、よくよく見るとオレンジとブルーが細かく混ざっている新型N-BOX JOY独自のチェック柄を開発しました。
オレンジとブルーは補色となっていて、混ぜると黒になることから、明るすぎるチェック柄よりも少し色味を落としたかったことと、複雑な色が入っている方が汚れがついた時に目立ちにくいので、気楽に使えるおおらかなチェック柄が出来上がったということでした。
室内に入ってみると、シートだけでなくアームレストも両面がチェック柄となっており、室内全体がお部屋のようにリラックスした雰囲気に。
Nシリーズ初の撥水表皮となっていますが、座り心地も身体にほどよくフィットしてゆったりと過ごせそうです。
インパネは汚れても目立ちにくいよう色味がブラウンに変更されており、全体がコーディネートされているのもオシャレです。
そして、新型N-BOX JOYの大きな特徴となっている「ふらっとテラス」を体験してみました。
使い方は後席を前に倒すだけと簡単。ホンダの軽はセンタータンクレイアウト採用による超低床がさまざまなメリットを生み出していますが、新型N-BOX JOYではあえてラゲッジのフロア後端を80mm上げることで、フラットなスペースを最大限に利用できるようにしています。
さらに、バックドア側を向いて座った時、フレームの凹凸を感じてゴツゴツすることのないようプレートを入れて座り心地の良さも追求。
日本初となる織物表皮の成形同時接着という技術を用いて、汚れを気にせず使える機能性や耐久性と、見た目のオシャレさを両立しています。
フロア後端を上げた分、アンダーフロアの収納スペースが容量18Lと大きくなり、開口部の幅は666mm、深さは182mmで折りたたみチェアなどの荷物が収納できるほど。
フロアエンドボードは自立するので、背の高い荷物を積む時にも便利です。
またしっかりとしたフラットスペースとなったフロア上には、27インチ自転車などの大きな荷物も安定して積みやすくなっています。
こうして、ナチュラルで気軽なリラックス感を追求し、新たな魅力を手に入れた新型N-BOX JOY。
若い世代を中心に、愛犬家やプレファミリー、子離れ世代にも響く1台となっています。
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