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【試乗】愛犬家も絶賛! ダイハツ・タフトは独自の世界観をもつ新世代クロスオーバー軽

掲載 更新 25
【試乗】愛犬家も絶賛! ダイハツ・タフトは独自の世界観をもつ新世代クロスオーバー軽

 遊び心を感じさせる装備や作り込みがワクワクさせる

 今、飛ぶ鳥を落とす勢いのクロスオーバー界に、ちいさな新星が現れた。それがダイハツ・タフトだ。バックパッカー、ピックアップトラックをイメージしたというロー&ワイドでスクエアな、ワイルドなデザインだけでも大いに魅力的だが、じつは、軽クロスオーバーとして割り切ったコンセプト、パッケージにタフトらしさがある。

ついに発売! 軽自動車のクロスオーバーSUV「ダイハツ・タフト」は安全・快適・悪路走破性の全部載せ

 タフトは最低地上高190mmを誇るライトSUV、クロスオーバーモデルという位置づけだが、何しろ全グレード(といってもシンプルに3グレード、Gターボ/G/X、それぞれにFFと4WDのみ)にスカイフィールトップと名付けられたガラスルーフや、ダイハツ軽初の電子パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機構、そしてリヤカメラ、全17種類の先進運転支援機能=最新のスマアシなどを標準装備。一方で、あえてライバルと目されるハスラーにはある後席スライド機構を持たないなど、付けるものは付ける、付けないものは付けない割り切りがあるのだ。

 スカイフィールトップを標準化したのには、理由がある。つまり、あり、なしグレードを設定し、オプション化してしまうと2種類のボディを作り分けしなければならず、ボディ剛性、重心(スカイフィールトップの重量は約5kg)、走行性能まで変わり、設計・生産・走行性能の確認など、むしろコストがかかってしまうからである。“青空標準”というキャッチコピーは、なるほどである。

 最低地上高190mmから想像する4WD性能、悪路走破性も割り切りがある。ハスラーの4WDには、贅沢にもグリップコントロール、ヒルディセントコントロール、スノーモードがフル装備されているが、タフトはFF/4WDともにヒルホールド機能のみ。これもコストと、多くのユーザーが必要としている機能は何か? の答えでもありそうだ。

 軽自動車の荷室は、後席使用時だと奥行は最小限。そこで後席にスライド機構を持たせ、荷室の奥行をかせぐのが常套手段だが、タフトは想定メインユーザーを若い男性に設定し、彼らのパーソナルなライフスタイルから、前席優先パッケージに決定。つまり最大2名乗車として、荷室の拡大は後席の格納でOKという結論に至ったという。

 その裏側には、後席にスライド機構を持たせると、レール分の約7cm、シートの取り付け位置が高くなってしまうこともあるはずだ。全高がハスラーの1680mmに対して1630mm(ルーフアンテナを除くと1600mm)だから、シートをなるべく低くセットしたい意向もあったに違いない。

 だが、後席にレールを持たないメリットもある。まずは、後席を格納した際、角度や段差を抑えられ、フラットなフロアにできる点だ。実際、樹脂面のフロアは、例外的にフラット。フロア奥行きこそ840mm固定(前席シートバックまでは約1280mm)と、ハスラーのフロア奥行き970~1130mm(後席スライド位置による)には敵わないものの、フラットならではの使いやすさがある。後席背面部分からサイドに荷物がこぼれ落ちにくい配慮もなかなかだ。よって、タフトはハスラーと違い、車中泊には対応していない。ファミリー、子育て世代にはタント、車中泊したければウェイクがありますよ……というわけだ。

 そんな男気ある内外装が自慢のタフトの運転席に乗り込めば、天地に狭いフロントウインドウ、立ち気味のAピラー、ワイルド感溢れるインパネデザインが印象的だ。まさしく男の世界である。

 しかも、シートのかけ心地はいきなり軽自動車ベスト。分厚いクッション感を持ち、座面はお尻をふんわり沈み込ませて体重でホールドさせるタイプで、背もたれは背中をやさしく包み込むようにホールドしてくれるからゴキゲンだ。聞けば、ロッキーのシートフレームを奢っているのだとか。

 運転席まわりで感心したのは、電子パーキングブレーキの装備でハスラーやタントにある足踏み式ブレーキがなく、足もとがすっきりしているだけではない。スマホ専用を思わせるセンターコンソールのトレイ、その前にあるふたつのUSBソケットの位置関係が見事。これほどスマホが置きやすく、充電、接続しやすいクルマをボクはほかに知らない。

 少しハード目な乗り味がアクティブギア感を強調

 さて、今回、試乗したのはGグレード。つまり、買いやすい価格のNAモデルで、オプションのACCとレーンキープコントロール、ステアリングスイッチを含むスマートクルーズパック装着車だった(4万4000円高。Gターボには標準装備)。

 試乗はいきなり高速道路、高速走行だったのだが、ダイハツのNAエンジンはトルクに定評があり、G(FF)で車重830kgととくに軽量ではないものの、平たん路なら出足からクルージングまで、十二分な動力性能を発揮してくれる。車内の静粛性については、クルマのキャラクターとして特別にこだわっていないというが、そこそこ静か。

 ところがだ。乗り心地は、エクステリアデザインに合致した(!?)けっこうハードなタッチと言っていい。良路やうねり路ならフラットで快適だが、荒れた路面、段差越えでは、165/65R15サイズのエアボリュームの大きいタイヤを履いていながら、けっこう直接的なショック(音、振動)が伝わってくる。ショックの角は丸められているので、乗り心地のいいクルマに慣れた彼女を乗せて失礼にあたるほどではないものの、軽スポーツカーを除く軽自動車のなかではかなり硬目の部類である。

 本格SUVでも上級車になるとサルーンのような快適な乗り心地を誇るクルマも少なくないが、方向性としては、繰り返すけれど、エクステリアデザインに見合ったワイルドな乗り心地をあえて演出しているのかもしれない。もし、フワフワな乗り心地だったら、これはもう拍子抜け確実ではないか……。

 操縦性はなかなかのものと言っていい。パワーステアリングは低速域ではごく軽く、扱いやすさを前面に出しているものの、速度が高まるとビシリと引き締まる、安心感あるフィールに変貌する。とくに切り方向の雑味のないスムースさは、軽自動車のなかではトップレベルと言っていいほどだ。

 高速走行中、ちょっと気になったのが、タントより前車との追従車間を詰めたという(タントの車間では割り込まれるケースが多かったらしい)ACCの操作性だ。ステアリングスイッチはオン/オフを担当するCRUISE、+RES、-SET、車間調整の4つのみとシンプル化。高速走行中ゆえブラインド操作が求められるため、それはいいのだが、スイッチ自体が小さめで、位置がステアリングの外側に寄りすぎていて、あくまで個人的な感想だが、親指での操作がやりにくかった。もう少し、センターより、上位置にあるとより操作しやすいのではないだろうか。

 高速道路を下りて一般道を走り始めると、乗り心地の印象に関してはさほど変わらないものの、カーブ、山道での低重心感覚、姿勢変化の少なさが好印象。それを引き立てるのが、先に触れた、シートの極上のサポート性だ。ハスラーの場合、前席まで使ったベッド化、車中泊対応によって、前席背もたれのサポート性はほぼないのだが(背もたれをフラットにしないとフルフラットアレンジ性が損なわれるため)、こちらは見事に上体をしっかりサポート。

 乗員の揺すられ感は皆無に近く、安心・快適。長時間のドライブでも、これなら疲労感は最小限で済むはずだ。もし、NAエンジンの動力性能で不満を感じるとすれば、上り坂、フル乗車ぐらいだろう。エンジンは5000rpmぐらいまで回しても不快なノイズや振動とは無縁なのが、そうした好印象を後押ししている。

 もちろん、つねに運転視界に入るスカイフィールトップによる解放感もまた、他車にない大きな魅力、商品力となる。晴れた日の青空も雨の日の雨滴も、そして星空さえも、運転視界の景色の一部になるのである。

 前席では硬めの乗り心地を示すタフトだが、タフトユーザーがめったに使わないであろう後席に乗ってみると、これが、想定外に乗り心地自体は良かった。座面長がほかの軽自動車と比べても短く(約410mm。他車は490mm前後)、ちょい掛けしているような着座姿勢にはなるものの、スライド機構を持たず、クッションの厚みがたっぷりしているせいか、不快な微振動、ショックを感じにくいのだ。前席のみの使用がほとんどだとしても、例えば、愛犬を快適に乗せるのに適切な後席と言えるかもしれない。

 それにしても、タフトは軽自動車界でどんなクルマにも似ていない、独自の存在感、デザイン性あるクロスオーバーモデル。ビビッドなボディカラーも用意されているが、やはり、試乗したレイクブルーメタリックのような、アースカラーがお似合いだ。乗り心地に納得できれば、ボクだって欲しいぐらいで、これはもう買い、「男は黙って、タフト」である。

 試乗車には付いていなかったが、前後の表情が一段と精悍になるメッキパック、またはダークブラックメッキパックは、値は少々張るものの、タフトのエクステリアデザインを完結させる必須のオプションだと思える。Gグレードの場合、高速走行の機会が多ければ、最新制御のACC=スマートクルーズパックもぜひ注文装備すべきだろう。

 そうそう、最後にひと言。タフトのG、Gターボは、なんと、クルマをより魅力的に見せる2トーンカラーが無料、という話。というのは、ダークガラスで黒く見えるスカイフィールトップの前部を黒く塗っているため、パッと見、ブラックルーフに見えるのである。他車の2トーンカラーは税別4万円高ぐらい(ハスラーの例)にはなるので、2トーンカラー好みの人にとっては、スカイフィールトップやリヤカメラなどの標準装備分を含め、けっこうお得、ではないだろうか。

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