仏流の小型EV 安全性「最低評価」も話題に
フランスの自動車メーカーであるルノーは、欧州で販売する小型EVのゾエ(Zoe)の生産を2024年3月をもって終了する。英国などではすでに販売停止となっており、11年にわたるモデルライフに幕を下ろす。
【画像】フランスのEV普及を支えた小さな大黒柱【ルノー・ゾエを写真でじっくり見る】 全20枚
ゾエの最後の1台は3月30日にフランスから出荷される予定だ。トゥインゴのEV版、トゥインゴZ.E.エレクトリックも同時に生産終了となる。
ルノーの広報担当者は本誌の取材に対し、ゾエの生産終了は、新型ルノー5 Eテック・エレクトリックを導入するためだと語った。このモデルは、2月のジュネーブ国際モーターショーで公開予定である。
ゾエは52kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電での航続距離は383kmと、最新のライバルに対して競争力を維持している。ちなみに、新型5にも52kWhのバッテリーが搭載され、航続距離は約400kmとなる。
ゾエは欧州全体で38万台以上が販売された。欧州では2015年と2016年の2年間、EVとして販売台数トップに立った。フランスだけで10万台以上が販売されるなど、ルノーのEV普及を支える基礎となった。
発売直後の2013年、初期型が自動車安全テストのユーロNCAPで5つ星を獲得したものの、2021年の改良後には史上3番目の「星なし(最低評価)」を獲得したことで話題となった。
ルノーの製品パフォーマンス責任者であるブルーノ・ヴァネル氏は最近、ゾエをアップデートしてEU(欧州連合)の新しい安全基準GSR2に適合させるためにはコストがかかると本誌の取材で語っている。
ルノーは現在、ハイブリッド車とEVを共存させたラインナップ構築に注力している。しばらくの間、EV専用車はゾエしかなかったが、現在はメガーヌEテックを販売しており、さらに今後はセニック、5、4を追加する予定だ。
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