■「マツダ2」に生まれ変わってまもなく1年
マツダの主力モデルとして販売されるコンパクトカー「デミオ」は、2019年7月に車名を「マツダ2」に変更するとともに、デザインなども刷新しています。車名変更から約1年経った現在の販売動向はどうなっているのでしょうか。
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初代デミオは1996年に発売されました。その後、代を重ね4代目となる現行モデルでは、2019年7月18日に海外での販売名である「MAZDA2」へと車名を変更。それにともない、同年6月をもってデミオは生産終了、同年9月12日にはマツダ2が発売されています。
デミオからマツダ2に車名を変更した背景について、同社常務執行役員の福原和幸氏は次のように話します。
「2019年5月、『アクセラ』から『マツダ3』に車名を変えましたが、『アテンザ』も『マツダ6』に。『デミオ』も『マツダ2』に変えました。
その理由は、『マツダというブランドで選ばれたい』という想いから車名にもマツダを使いたいと考えました。また、カテゴリを表現する数字を付けるということで、海外で展開しているマツダ3、6、2という車名で統一をしていきます。
ただし、ロードスターについては、商標でちゃんと取れている日本だけの車名です。これは、本当にマツダにとって財産といえるため、今後もロードスターはそのままの車名でいく予定です」
※ ※ ※
ブランド力の訴求という背景により、グローバルでの車名に統一されたマツダ車において、マツダ2は国内市場における売れ筋のモデルです。
自動車販売協会連合会が発表する軽自動車をのぞく新車販売台数ランキングによると、デミオとして販売していた2019年1月から8月には、全体20位から30位を前後しており、マツダ2と名称を変更してからの9月から12月も、同じような順位帯に推移しています。
2020年に入ってからも売れ行きは安定しており、上半期ではランキングで26位となる1万4825台を販売。販売台数だけでみれば、緊急事態宣言の影響でほとんどの車種が販売台数を落としており、マツダ2も例外ではありませんが、ランキングの順位はデミオの頃からほとんど変わっておらず、安定した人気を獲得しているようです。
では、直近の販売動向はどうなっているのでしょうか。首都圏のマツダ販売店スタッフは以下のように話しています。
「お客さまからはコンパクトカーの運転しやすいサイズ感や乗り心地に加え、静粛性の高さや、シンプルなデザインを非常に高く評価して頂いています。
とくに、主な変更点であるフロントやリアのバンパーといったエクステリアデザインは、デミオと比べて高級感があるとの声が多く、『街で走っているのを見かけて一目惚れした』というお客さまもいらっしゃいました。
他メーカーからは人気のコンパクトカーが続々と登場していますが、マツダ2は独自のデザイン性を武器に、これからも安定した販売ができると見込んでいます」
※ ※ ※
近年のマツダ車では「人の音の聞こえ方を研究して開発をおこなった」とマツダが説明するように、静粛性に優れた車内となっており、実際に購入したユーザーからの評価も高いようです。
■支持される秘訣は静粛性&デザイン性?
いくつかの販売店スタッフが口を揃えて話していたのが、マツダ2のデザイン性への人気です。マツダが述べている、「豊かな存在感と上質感」や「生命感をカタチにするデザイン」が反映されたデザインは、多くのユーザーの心を掴んでいるようです。
前出とは別のマツダ販売店スタッフは、以下のように話します。
「大衆車とされるコンパクトカーですが、マツダ2は経済的に余裕のある高級志向のお客さまからも人気があります。セカンドカーやサードカーとして、ちょっとした買い物などの街乗りメインのクルマで購入されるケースが多いです」
車名変更後は、大ヒットとはいえないものの、マツダがこだわった乗り心地やデザイン性を中心に、一定のユーザーからは非常に高い評価を獲得し続けているようです。
マツダ2には、ガソリンモデルとディーゼルモデルがあり、それぞれ4つのグレードと、特別仕様車が設定されています。価格はガソリンモデルが145万9150円から211万2000円、ディーゼルモデルが190万3000円から270万500円です。
マツダのなかでの人気グレードは、販売店スタッフによると「15S PROACTIVE」だといいます。価格は2WDモデルが169万4000円となり、フルオートエアコンやフロントシートヒーターなどの快適装備などが標準装備となっています。
また、主に高級志向のユーザーからは上質な内装デザインや安全装備が充実した「15S L Package」も人気です。
インパネやアームレストといったインテリアの素材に合成皮革が採用されているほか、ドアやエアコン吹き出し口にもメッキ加工がちりばめられており、高級感が演出されています。
加えて、安全装備では、「クルーズコントロール」や「レーンキープ・アシスト・システム」が標準装備となっているほか、運転席ではドライビングポジションメモリー付きのパワーシートが採用されており、コンパクトカーながら充実の空間を実現している点が人気です。
※ ※ ※
このように、近年人気のトヨタ「アクア」や「ヤリス」、ホンダ「フィット」、日産「ノート」と競合関係にあるものの、マツダの強みであるディーゼルモデルやライバル車とは異なるデザイン性を持っている点などが、マツダ2が堅調に売れ続ける要因といえるかもしれません。
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みんなのコメント
マツダのボトムラインをこれまで死守する大事なモデルで、一番量販を期待されるモデルなのに、
販売実績は一向に上昇しないばかりか、低空飛行を続ける有様なのが結果に出ている。
クルマの出来は素晴らしいが、販売施策の失敗で失速しているのは明らかだ。