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時代のせいか一般人には理解できなかったのか? 結局売れなかった7台の「ひねり系」クルマ

掲載 更新 86
時代のせいか一般人には理解できなかったのか? 結局売れなかった7台の「ひねり系」クルマ

ミニバンがブームだった終わり頃に登場したモデル

 とても個人的なこととして以前にも書かせていただいたが、筆者はユーミンこと松任谷由実サンの大ファンであり、荒井由実サン時代から現在で39枚のオリジナルアルバムの音源はすべて揃えている。さらにベスト盤的な企画アルバム数枚分もカウントに入れると、愛用のiPod touch 128GBの中には今現在、624曲が入っているようだ。この年末年始を使い、最初の「ひこうき雲」から順に可能なだけ聴いていたのだが、そこで実感したのは、すべてユーミンの作とはいえ、なかには「このアルバムは印象が薄かったな」とか、反対に「今あらためて聴くと味わい深いな」とか、さまざまな感想をもつということ。

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 音楽評論家ではないからアルバムごとのできの善し悪しを言うつもりはないが、ただ1ファンとして、ものすごく気に入ったアルバムとそうではなかったアルバムとがあったというのは、厳然たる事実だ。

 それはクルマにもあてはまる。エンジニアの尽力、熱意から生まれたクルマや営業的な理由から生まれたクルマなど、市販車の登場の背景はさまざま。とはいえ発売された市販車である以上、クルマそのもののできがよくないクルマはないといっていい。

 けれど問題はそこから先で、売れたかどうか、人気が出たかどうかは、クルマを出す前には神のみぞ知る……の部分もある。そのため結果を見ると、(平たくいうと)人気がイマイチ盛り上がらずに終わったクルマというのがあった。そうした意志半ばであったであろうクルマは、ミニバンがブームだった終わりころに登場したモデルに多かった。

パッケージングは良かったものの……

 甚だ心苦しくも挙げさせていただくと、トヨタではオーパ(2000年)、ナディア(1998年)、マークX ZiO(2007年)などがそう。オーパは全長4250mm×全幅1695mm×全高1525mmの手ごろなボディサイズに2700mmのロングホイールベースを組み合わせた、新種の乗用車といった趣のクルマ。

 ミニバンでもワゴンでもなく、人が快適に移動でき、シートアレンジによる実用性の高さも特徴。シャープでシンプルなスタイルも独創的だったが、いかにもスマート過ぎたところがウィークポイントだったというべきか。

 ナディアも同様で、のちにシトロエン・ピカソが登場し、筆者は「ナディアのコピーじゃないか!」と思ったほど。

 要は3列シートのミニバンのイプサムのショートボディ&2列シート版で、床がフラットで広い後席など、少し時世がズレるが、コレをジャパンタクシーにすればよかったのに! といったできだった。運転席の660mmのヒップポイントは初代イプサムと共通。このクルマも外連味のないピープルムーバーだった。

 もう1台、マークX ZiO(ジオ)もまたユニークなピープルムーバーだった。

 乗車定員は6名または7名で、ひと味違う趣のミニバンといった風だったが、「大人のライフステージに!」と奨められた大人たちはやや戸惑いを持って受け止めていたというべきか。パッケージングが工夫されいいクルマだったが、そのことが広く理解されなかったのが残念だった。

走らせるととても良かったアヴァンシア

 一方で“大人たちの官能を揺さぶる4ドアクラブデッキ”を謳ったホンダ・アヴァンシア(1999年)も、良さが理解されきれなかったクルマだったかもしれない。

 登場時にPL(プロジェクト・リーダー)のHさんから「アルファ156スポーツワゴンみたいでしょ?」と言われ、思わず言葉を詰まらせたことはここだけの話……。だが、セダンよりやや高い着座位置で走りも静かで滑らかな、走らせるといいクルマだった。

 同じホンダでも、2004年に登場したエディックスは、1世代で終わってしまったことが惜しまれたクルマだった。

 ユニークだったのは3×2(スリー・バイ・ツー)の前後とも横3座席のシート配置としていた点。そのために全幅は1795mmとなっていたものの、俯瞰で見てシートをV字に配置した楽しげなコンセプトは理解されないまま終わってしまったということか。

デザインも機能も日本車離れしたピープルムーバー

 日産ティーノ(1998年)もフロント2+1シートで、2列6名乗りを可能にしたピープルムーバーだった。

 しかも後席は欧州車のように3脚が個別に脱着可能とし、デザインも機能も日本車離れしたムードのクルマだった。全幅は1760mmで、今ならば受け入れられたかもしれない。

広々とした室内空間とオットリとした乗り味がよかったビスタ・アルデオ

 そのほかにも、ふたたびトヨタ車に話題をもっていくと、ビスタ・アルデオ(1998年)、初代ラウム(1997年)、ファンカーゴ(1999年)なども、なくなってしまったのが惜しまれるクルマたちだ。とくにビスタ・アルデオは、1515mmとやや全高を高くとったワゴンタイプのクルマで、清々、広々とした室内空間とオットリとした乗り味がよかった。

 ラウム、ファンカーゴの2台も、コンパクトなボディサイズながら、床が低く広い使い勝手のいい室内空間を持っていて、実用前提にこういうクルマを1台持っていたら便利だろう……と思わせられるクルマだった。

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みんなのコメント

86件
  • ファンカーゴに乗ってました。ラゲッジスペースが広大で開口部の床面も低く、ミニバイクが余裕で積載出来ました。燃費も悪くなく、丈夫で本当に良いクルマでした。
  • こうして見ると「空間を有効に使える2列のミニバン」の考えは以前から良くある物なのに、続いてるのはフリードシエンタ位なんだな
    安牌なようでいて意外に安定しない難しいクラス
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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