多人数乗車が可能で、スライドドアによる乗り降りの快適性や高い積載性などファミリーカーにピッタリなミニバン。人気のカテゴリーなだけに、各メーカーから様々な個性のミニバンが発売されている。この記事では、実力モデルの「ノア/ヴォクシー」、「セレナ」、「ステップワゴン」の魅力を比較しながら紹介していこう。
「え? 嘘でしょ…」もはやカフェ。トヨタすげぇな、内装が自由に変更できるなんて…
●まとめ:月刊自家用車編集部
根強い人気で大ベストセラー TOYOTA「ノア/ヴォクシー」
ノア&ヴォクシーは、ミドルサイズのミニバンで人気の車種。ノアには標準ボディが用意され、ヴォクシーはエアロパーツなどを装着した上級シリーズのみが用意されるというのが両車の違い。パワーユニットには、直列4気筒2Lのガソリンエンジンと、1.8Lハイブリッドが用意されている。
―― ノア 267万~389万円
―― ヴォクシー 309万~396万円
◆現代のスタンダードなエクステリア&パッケージング
ノア&ヴォクシーは、ルーフの高いミニバンのスタンダードと言えるスタイルだ。
―― ノア S-Z
全長×全幅×全高(mm):4695×1730×1895
ホイールベース(mm):2850
最低地上高(mm):140
WLTC総合燃費:23.0km/L
両車のボディサイズは共通で、装備の違いなどから車重のみが異なる。3ナンバーサイズとなり、視界は良好。ノアはフロントマスクを強調したエクステリアが特徴で、ヴォクシーはエアロ仕様で個性的に仕上げられたエクステリアとなっている。
◆ステップワゴン、セレナに比べると3列目は狭いが、シートアレンジなど利便性が高い
ノア&ヴォクシーのインパネまわりは上質。
―― シンプルながらも上質さを感じられる。
1列目、2列目シートは頭上空間と足元空間は広々としていて快適だが、3列目シートがセレナとステップワゴンより少し狭い。ただ、シートアレンジは使いやすく、3列目は、レバーを引いて持ち上げ、サイドウィンドウ側に押す。これだけで自動的にロックされ、誰でも簡単に格納ができる。
―― ノア S-Z
室内長:2805mm
室内幅:1470mm
室内高:1405mm
―― 3列目格納:サイド跳ね上げ式
ターボと2モーターハイブリッドの2つを選べる「ステップワゴン」
ステップワゴンは全長が4800mmに達し、全幅も1750mmと、セレナ、ノア&ヴォクシーと比べると少しワイド。エアーと呼ばれる標準ボディとエアロパーツを装着するスパーダが用意されており、パワーユニットは、直列4気筒1.5Lターボと2Lハイブリッド e:HEVの2種類だ。
―― HONDA ステップワゴン 305万3600~391万2700円
◆他の2車種に比べるとボディはややワイドだが視界は良好
エクステリアは、3列目シートに座った際の視界に配慮し、水平基調となっている。ドライバーも乗員も視界は良好だが、セレナやノア&ヴォクシーに比べるとボディが少し大きい。
―― ステップワゴン e:HEV スパーダ FF 7人
全長×全幅×全高(mm):4830×1750×1840
ホイールベース(mm):2890
最低地上高(mm):145
WLTCモード総合燃費:19.6km/L
最小回転半径は、16インチタイヤ装着車は5.4m、17インチだと5.7mになる。
◆水平基調の視界に合理的なインテリア
水平基調のインパネにより、上面が平らで、前方視界も良好。メーターも視認しやすく、合理的なインテリアとなっている。
3列目は、頭上空間と足元空間はボディサイズ相応に確保されている。シートは床下に格納するため、荷室に張り出さず、積載性も優れるが、その代わりに座面の奥行寸法が短い。
―― ステップワゴン e:HEV スパーダ FF 7人
室内長:2845mm
室内幅:1545mm
室内高:1410mm
―― 3列目格納:床下格納式
3車種で唯一5ナンバーが設定された「セレナ」
全高が1800mmを超える背高のミニバンで、標準ボディとエアロパーツを装着したハイウェイスターが用意される。標準ボディは全幅が1695mmと小ぶりで、ノア&ヴォクシーやステップワゴンとは異なり、唯一5ナンバー車が設定されている。パワーユニットは直列4気筒2Lのガソリンエンジンと、燃費に優れた1.4Lハイブリッドのe-POWERの2種類だ。
―― NISSAN セレナ 276万8700~489万8200円
◆V字型グリルが特徴のエクステリア
セレナのエクステリアは、V字型グリルを備えたフロントマスクが特徴。視線の高いミニバンにありがちな左側方付近の死角も、サイドウィンドウの下端を低めにするなどの工夫で抑えられている。
―― セレナハイウェイスターV・FF 8人
全長×全幅×全高(mm):4765×1715×1840
ホイールベース(mm):2870
最低地上高(mm):135
WLTC総合燃費:13.0km/L( e-POWER だと19.3km/L)
最小回転半径はどのグレードでも5.7mと少し大回り。床の位置もヴォクシーより70~80mm高いため、乗降性に注意したい。
◆3列目も広く、アレンジも多彩な室内
セレナの室内は3列目も広く快適だ。身長170cm程度の大人が2列目に座り、膝先空間を握りこぶし2つ分に調整すると、3列目の膝先空間は握りこぶし2つ半程度になる。さらに、セレナは座面の奥行き寸法も長い。2列目の中央が1列目の間までスライドするなど、シートアレンジも見どころだ。
―― 運転に必要な情報はモニターに映し出され、タコメーターなどは廃止された近未来的なインパネまわり。
―― ハイウェイスターV・FF 8人
室内長:3145mm
室内幅:1545mm
室内高:1400mm
―― 3列目格納:サイド跳ね上げ式
結局、3車種ではどれがおすすめ?
今回紹介した3車種は、価格と機能のバランスが良く、どれを選んでも後悔はないだろう。しかし、価格帯も近く選ぶのが難しい。そこで、どのように選べばいいのか紹介していこう。
◆先進機能と外観の高級感を重視するなら「ノア&ヴォクシー」
ノア&ヴォクシーは、渋滞時にステアリングから手を離しても運転支援が継続するなど、先進機能が充実している。ヴォクシーは、エクステリアも個性的で、リセールバリューも高い。
とにかく安定志向の強いユーザーには、ノア&ヴォクシーがおすすめだ。
◆走行安定性と乗り心地なら「ステップワゴン」
ステップワゴンはシンプルなデザインで、走行安定性と乗り心地が見どころ。2L e:HEVのスムーズで力強い発進や、段差などを乗り越えた際の突き上げのいなしなど、日常使いでのストレスを感じさせにくい。さらに、乗員のクルマ酔いを抑えるため、室内から外を見たときに目に入る内装のデコボコした部分を少なくするなどの工夫がされている。
ドライバーにも乗員にも優しいミニバンが欲しいならば、ステップワゴンが間違いなしだ。
◆広い室内空間とシートアレンジに魅力を感じるならばセレナ
セレナの魅力は、広い室内空間と多彩なシートアレンジだ。2列目の膝先空間を確保しながら、3列目も広い。ロングドライブで、どの席に座ってもストレスフリーだ。また、2列目シートの中央を1列目にスライドし、2列目、3列目間のウォークスルーを可能にする「スマートマルチセンターシート」も、小さな子どもがいるユーザーには嬉しい機能だろう。
ミニバンとしてのど真ん中の性能を持ちながら衝突安全性能や予防安全性能も高い。ファミリーカー用途としてミニバンが欲しいユーザーにはピッタリだ。
ぜひ、自分のニーズに合ったモデルを見つけてほしい。
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