2023年のWEC世界耐久選手権第6戦富士6時間レースは、9月8日金曜日に走行初日を迎える予定だ。昨年に続き、9月に開催される富士での6時間レースだが、あいにく金曜日には台風の接近が予想されている。この影響がどのように出るか、サーキットの誰もが気を揉んでいた。
そんな7日木曜の富士スピードウェイのパドックから、各種トピックスをお届けする。
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■トヨタに「モンツァの再現」は可能か
金曜日に雨と強風をもたらすであろう台風13号の到来に備え、各チームは悪天候を想定したフリー走行のシナリオを用意している。トヨタのWECテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは「ふたつの走行プランを準備している。そのうちの楽観的なものはドライタイヤでのテスト、もうひとつはウエットタイヤでのテストだ」と語っている。
一方、プジョーのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニーは、「午前中の最初のセッションがかなりのウエットになることは間違いない。午後のセッションについては、日中の状況によっていくつかの選択肢がある。このすべてに対して準備するのは、少々頭が痛い」と述べた。
トヨタは、前戦モンツァと比べた場合に、他のハイパーカークラスのライバルたちを圧倒できるかどうかは定かでないという。
「大きなアドバンテージがあったのは、間違いなく(それぞれのタイヤでの)セカンドスティントだった」とバセロンは言う。
「(富士では)気温はおそらくモンツァほどは暑くならないかもしれないので、ここでそれを再現できるかどうかは分からない。したがって、タイヤの安定性という面で、大きな収穫を得られるような状況にはならないかもしれないね」
なおミシュランはモンツァと同様に、ミディアムとハードの2種類のコンパウンドのスリックタイヤを富士に持ち込んでいる。
■プジョー9X8のBoP“緩和”の影響は
プジョーはポルティマオで3日間のテストを行い、前戦モンツァで94号車のプジョー9X8に影響を与えたシフトチェンジの問題の解決策を見つけることに集中した。また、「純粋なレースパフォーマンス」の進化にも時間を割き、バーレーンでのシーズン最終戦の前に再びテストを行う予定だという。
プジョーは今週末の富士とバーレーンでは、シーズン最終戦の3レースで導入されるバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)の一環として、ハイブリッドの作動速度を下げて走行する。
これまで9X8は、150km/hからハイブリッドパワーの使用が許されていたが、シーズン終盤の2戦では、ドライコンディションではフロントアクスルのハイブリッドシステムを135km/hから作動させることができるようになる。ウエットコンディションでは150km/hのままだ。
なお、トヨタGR010ハイブリッドとフェラーリ499Pはこれまで同様、ドライ・ウエットともに190km/hからとなる。
ジャンソニーは 「どうなるのか、とても興味がある。我々はいくらかのテストを行い、いくつかのアイデアは手にしているが、富士では(その状態で)走ったことがない。シミュレーターではテストしているから、あとは我々のシミュレーションモデルの(実走との)相関性がどれだけあるか、ということになる」と語った。
■プロトンの“2台目のシャシー”がデビュー
プロトン・コンペティションは今週末、2台目のポルシェ963シャシーをデビューさせる。このシャシーは、8月21日にポルシェのヴァイザッハ・テストコースでミカエル・クリステンセンの手によってシェイクダウンを終え、空輸されて日本に到着した。
前戦モンツァ6時間レースを走ったプロトンの99号車は、8月上旬にロード・アメリカで開催されたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦し、今シーズンはアメリカでシーズンを終える予定だ。
「スタッフにとって、2回目の経験はより簡単なものになる」とチーム代表のクリスチャン・リードは述べている。
■LMDhの劣勢は変わらない?
富士スピードウェイを初めて走行するハイパーカー・ドライバーのひとりであるローレンス・ファントールは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツがポルシェ963でこのサーキットをテストしていないことから、「未知の部分が多い」と語った。
彼はまた、ル・マン・ハイパーカーとLMDh車両の性能差は、最近のラウンドと同様になるものと予想している。モンツァから富士にかけてのBoP値の変更は、サーキット特有の調整に基づくものだ。
「残念ながら、今季ここまで見てきた光景となんら変わることはないと予想している。つまり、LMDhマシンがル・マン・ハイパーカーに勝つのは現時点では難しいということだ」とファントールは述べている。
「トラックの特性がひとつのクルマだけに極端に合うような場合を除いてね。それ以外の場合、残念ながら今シーズンのこれまでのレースと異なるストーリーは見られない、ということだ。それは明らかに、紙の上での話だ。それが現実に対して何をもたらすかは、これから目の当たりにすることになる」
■サーキット・オブ・ジ・アメリカズでキャデラックがテスト実施
チップ・ガナッシ・レーシングは先日、キャデラックVシリーズ.Rのテストをアメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行い、ゼネラルモーターズの姉妹ブランドであるシボレーの次期GT3マシンとコースを共有した。
キャデラックは、WECとIMSAのスタッフによるハイブリッド・クルーによって運営され、世界選手権が来年サーキット・オブ・ジ・アメリカズに戻ってくるのに備えて、IMSAマシンをWECトリムでセットアップしたという。
■ケッセルのフェラーリが辻子に売却される
LMGTEアマクラスのケッセル・レーシングが、GTEマシンからGT3マシンへの変更に伴い、来年もヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦することは「間違いない」とチームマネジャーのティツィアーナ・ボルギは語っている。
AFコルセがフェラーリからWEC・LMGT3クラスのエントリー枠を獲得する見込みであるため、WECにおけるケッセルの地位はあまり明確ではない。
なお、2023年のル・マン24時間レースを走った74号車のフェラーリ488 GTE Evoは、ドライバーを務めた辻子依旦に売却された。ボルギによると、WECかELMSのどちらかのマシンに入れ替えが必要になった場合に備えて、シーズン終了までケッセルに預けてから日本に輸送することで両者が合意したという。
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9月8日のフリープラクティス1は、午前11時にスタートする予定となっている。
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