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スーパーフォーミュラ第4戦富士レポート|アレックス・パロウが最後までトップを譲らず初優勝! ナカジマに9年ぶり優勝もたらす

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スーパーフォーミュラ第4戦富士レポート|アレックス・パロウが最後までトップを譲らず初優勝! ナカジマに9年ぶり優勝もたらす

 2019スーパーフォーミュラ第4戦富士の決勝レースが行われ、TCS NAKAJIMA RACINGのアレックス・パロウが参戦から4戦目にして初優勝を果たした。

 朝のフリー走行はウエットコンディションだったが、お昼にかけて天候は回復傾向にあり、ドライコンディションのレースも期待された。

■ オワード、将来はF1を目指すも「今はスーパーフォーミュラに集中したい」

 直前の8分間ウォームアップでも雨が止んでいたこともあり、スリックタイヤを装着するマシンもいたが、その直後から雨が降り出し、フルウエットに近いコンディションとなった。スタート時刻が近づくにつれて雨量が増したこともあり、セーフティカー先導でレーススタートが切られることとなった。

 4周目を迎えたところでセーフティカーがピットインし、本格的にレースがスタート。ポールポジションのパロウを先頭に各車が1コーナーに突入した。

 パロウは1コーナーで若干滑りつつも、大きくラインを外れることはなくそのままトップをキープした。

 その後ろではニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)がダンロップコーナーでインに思い切った飛び込みを見せ、野尻智紀(TEAM MUGEN)をオーバーテイク。4番手にポジションを上げた。キャシディはそのままペースを上げ、前のマシンを追いかけたが、5周目の1コーナーでオーバーシュート。しかし、後続に抜かれることなく4番手をキープした。

 先頭のパロウは快走を続け、6周目時点で2番手の坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)に対して、3.9秒のギャップを築いた。

 9周目、B-Max Racing with motoparkのハリソン・ニューウェイとルーカス・アウアーのチームメイトバトルが激しく繰り広げられた。ニューウェイがホームストレートでアウアーに並びかけると、両者ともオーバーテイクシステムを使用。ウォータースプラッシュを撒き散らしながら、そのままサイドバイサイドで1コーナーに突入した。

 しかし両者ともに恐れを感じさせない走りで一歩も引かず、なんとかインを奪ったニューウェイが15番手に浮上した。

 10周目、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)に対してスタート手順違反によりドライブスルーペナルティが科された。セーフティカー明けのリスタートの際にスタートライン通過前に追い越しを行ってしまったことが原因だった。平川はその周の終わりにピットインしペナルティを消化した。ポジションを16番手まで落とした。

 12周目を終了したところでアウアーがピットイン。タイヤを交換してピットアウトした。またその後ろではアーテム・マルケロフ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)がフロントウイングを失った状態でピットイン。タイヤ交換は行わず、フロントウイング交換と少量の給油を行いコースへ戻った。

 レースは15周を消化したが、トップのパロウはファステストラップを刻む走りでリードし続け、約10秒と大きく差をつけた。

 17周目、9番手を走行していた山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が縁石を踏んだタイミングでスピンを喫してしまった。12番手までポジションを落とした。

 またコカ・コーラコーナーでマルケロフもスピンを喫するなど、強まる雨脚の中で苦戦するマシンが多かった。

 そんな中、目覚ましい追い上げをみせたのが19番手スタートの小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)だ。19番手スタートから各所で追い抜いていくアグレッシブな走りを披露。24周目には9台を抜いて10番手に浮上した。

 レース前半は1分42秒台のペースで周回を重ねていたパロウ。2番手の坪井に対して10秒以上の差をつけていたが、周回遅れの処理や無給油で最後まで走りきる戦略も考えていたため、中盤は著しくペースダウン。坪井とのギャップも8秒ほどまで縮まった。

 それでも可能な限りプッシュを続けたパロウは30周目の1コーナー、さらにコカ・コーラコーナーでミスを連発。後続とのギャップも心配されたが、大きな影響はなかった。

 上位陣はこう着状態が続く中、小林の追い上げはさらに続いた。9番手を走る福住に接近すると、33周目の最終コーナー立ち上がりで並びかけ、1コーナーまでサイドバイサイドのバトルを披露。そのバトルは3コーナーまで続き、小林が9番手にポジションアップ。さらに36周目には大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)を捉え、ついにポイント圏内までやってきた。

 先頭に目を戻すと、パロウは一時は落としていたペースを戻し、2番手の坪井に対して10秒のギャップに戻した。

 2番手を走る坪井は終盤になりペースが落ちると、3番手の関口との差が徐々に詰まりはじめ、残り14周のタイミングで約2秒と接近を許してしまう。

 42周目、ピットインしていたニューウェイのマシンから火の手が発生。即座に消火剤が撒かれ事なきを得ると、再びコースに戻った。

 残り12周、ここまで3番手を走っていた関口が給油のためピットイン。8.4秒の作業時間でコースに戻ったが、一気に8番手まで後退してしまった。

 これにより3番手のキャシディは燃費走行を続けるパロウ、坪井を追いかけるべく1分43秒台のペースで追い上げを開始。まずは2番手を走る坪井の背後に接近した。

 キャシディはオーバーテイクシステムも使用しながら更に差を詰めていき、残り6周になるところで1秒後方まで迫った。

 50周目を迎えたところでキャシディはダンロップコーナーでサイドバイサイドに持ち込みチャージをかけたが、ここは坪井がなんとかポジションを死守。メインストレートに入るとオーバーテイクシステムを使用して逃げ切りを図った。

 今回は55周のレースだったが、それよりも前に上限時間である95分を先に迎える形となり、53周目に入ったところで規定時間を迎えた。

 パロウは最後の最後までアグレッシブな走りをみせ、ポール・トゥ・ウィン。参戦4レース目にして初優勝を飾った。さらにTCS NAKAJIMA RACINGにとっては2010年の開幕戦鈴鹿以来となる、9年ぶりの勝利となった。

 2位には坪井。3位はキャシディが続き、各所でオーバーテイクを見せた小林は6位まで順位を上げ2戦連続でのポイントを獲得した。

 一方、ポイントリーダーとして富士に乗り込んだ山本は、11位フィニッシュでノーポイントという結果に終わった。ランキングは首位を維持したものの、同2番手のキャシディが3位を獲得したことで、その差は5ポイントとなった。

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