現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜそこにワイパーが!? ヘッドライトにワイパーが装着されてた理由

ここから本文です

なぜそこにワイパーが!? ヘッドライトにワイパーが装着されてた理由

掲載 更新 6
なぜそこにワイパーが!? ヘッドライトにワイパーが装着されてた理由

■ヘッドライトワイパーはなぜ付いていた?

 ひと昔前のクルマには、ヘッドライトにワイパーが装着されている車種も存在しました。また、最近ではその代わりとして、「ヘッドライトウォッシャー」なる装備が付いているようです。一体どんな機能があるのでしょうか。

ヘッドライトなぜ黄ばむ? 見た目が古臭くなる黄ばみ・曇りの対処方法とは

 一般的にワイパーといえば、フロントガラスやリアガラスの雨や雪を払う役割を持っており、ホコリなどで汚れてしまった場合でもウォッシャー液と併用することで視界を確保しています。

 では、なぜヘッドライトにもワイパーが装着されているクルマが存在したのでしょうか。

 ヘッドライトにワイパーが採用され始めたクルマは、メルセデス・ベンツやボルボなどの欧州車に多く、その理由はそれぞれの国の道路事情に関係しているようです。

 ひと昔前は、地域によっては街灯が極端に少なく薄暗い道を走行することが多かったり、夜道はライトに虫などの汚れが付きやすい状況でした。

 少しでも灯りを確保するため、ヘッドライトにワイパーをつけ、汚れを落とし綺麗なレンズにすることで光量を増やすといった役割をしていたようです。また、雪が降る地域ではライトに雪が付着するのを防止するといった効果もありました。

 世界でヘッドライトワイパーが初めて採用されたのは、1972年に発売されたメルセデス・ベンツの初代「Sクラス(W116)」といわれています。

 当時のヘッドライトはレンズの素材がガラスであったり、バルブがハロゲン仕様であったため、現在よりも数段に光量が少なく夜道での事故やトラブルが多かったようです。

 しかし、1990年代後半になると「ハロゲンバルブ」から「キセノンヘッドライト(HIDヘッドライト)」へと移り変わることとなります。加えて、ライトカバーの素材もガラスから透明度の高いプラスチック素材へと変わり、当時の数倍の明るさを確保できるようになりました。

 そのため、少々の汚れが付着したほどでは暗く感じることも減り、それと同時にワイパーの必要性もなくなったことから、現在のクルマにはヘッドライトワイパーの装着が見られなくなったようです。

 しかし、キセノンヘッドライトの画期的な明るさと引き換えに失ったものがあります。それはハロゲンバルブで発生していた「熱」です。

 この熱はヘッドライトの内に蓄積されるため、バルブ点灯時は常にライト全体が温かくなっている状態になります。そのため、雪が降った場合でもライトの熱によって雪を溶かしてくれるといったメリットがありました。

 一方のキセノンヘッドライトは熱を発生させにくいため、バルブ点灯時でも雪を解かすことができません。そこで考えられたのがワイパーではなくウォッシャー液を噴射させる装置です。

 主に欧州車で採用されることが多いですが、国産車ではマツダ「CX-5」やスズキ「ジムニー」など、SUVをはじめとして採用車種が増えています。

 ヘッドライトウォッシャーについて、カー用品店スタッフは以下のように話します。

「国産車ではメーカーやディーラーのオプション設定のある車種は少ないため、あまり見かけません。しかし、後付けでダミーのヘッドライトウォッシャーカバーというものがあり、一定の人気があります。

 とくに、白いボディカラーであればフロントマスクの『目元』の印象が変わるため、顔を重要視するユーザーに人気です。ミニバンなどのオラオラ顔のクルマに乗る人に多い印象です」

※ ※ ※

 ちなみに、日本においてヘッドライトのウォッシャー装置は、2000ルメーン以上の明るさを放つライト類に設置の義務があり、明るさを改善させる目的ではなく、汚れによる乱反射で周囲のクルマの運転を妨げないためとなっているようです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP

みんなのコメント

6件
  • HIDでは雪がとけるけど問題はLEDヘッドライト。
  • >ガラスから透明度の高いプラスチック素材へと変わり

    ガラスから傷つきやすいプラスチック素材へと変わり。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1556.02289.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.92298.0万円

中古車を検索
Sクラスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1556.02289.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.92298.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村