現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 世界で初めてCVTを採用したクルマはスバル「ジャスティ」だった! バブル期の「火の玉ボーイ」とは

ここから本文です

世界で初めてCVTを採用したクルマはスバル「ジャスティ」だった! バブル期の「火の玉ボーイ」とは

掲載 16
世界で初めてCVTを採用したクルマはスバル「ジャスティ」だった! バブル期の「火の玉ボーイ」とは

先進技術が採用されていたモデルだった

 火の玉ボーイ。スバル・ジャスティを取り上げるにあたって、編集部から冒頭のキャッチコピーをフックに……との依頼を受けた。が、じつは筆者はこのキャッチコピーを見た覚えも聞いたこともなく、ましてあのジャスティにこんなコピーを合わせていたのはいったい何事か!? 何かの間違いだったのじゃないか!? “火の玉ロック”なら知っているが……と思った。

最初は2速だった! いまやプロが操るMTより速く走れる「オートマ」の進化が止まらない

 さっそく調べたところ、どうやら1985年10月に新設計の3気筒3バルブの1.2Lエンジンを搭載した際のCMで“火の玉……”は使われていたようだ。なるほど、非常に個人的な話だが、この時期の筆者は駆け出しの編集者で、毎晩、帰宅は終電近く、ひたすら自宅と会社をJRと小田急線を乗り継ぎ、カセットウォークマンで音楽を聴きながら往復していたような暮らしぶりだったころ。従ってTVなどほとんど観ず(せめて移動中に観れるかもとSONYのポータブルTVを買ったものの、ほとんど使わなかった)、なので件のコピーも目に品かったのだろう。

レックスをベースにしていたジャスティ

 だが、初代スバル・ジャスティそのものは、仕事の上でもちろん知っていた。もともとジャスティは1983年の東京モーターショーで“スバルJ10”として姿を現し、翌1984年2月に“ジャスティ”として正式に誕生・発売されたクルマだった。当時は日本のメーカー各社からシャレード(ダイハツ)、マーチ(日産)、カルタス(スズキ)などリッターカーが相次いで登場、そのカテゴリーにスバルが投入したモデルということになる。

 ちなみにジャスティは、ザックリと解説すると当時のスバルの軽自動車のレックスをベースにしており、ドアパネルなどは共通、ボディ全幅は当然ながら拡幅され、ホイールベースもさすがにレックスの2255mmに対し30mm長い2285mmとしていた。

 どちらにしてもデザインは非常にクリーンなもので、その中で4WDモデルでは“スポーティルーフ”と呼ぶハイルーフスタイルを採用。このルーフは、標準ルーフ車に対し全高と室内高について、カタログ数値で30mmの余裕を確保していた。

CVTを世界で初めて実用化したジャスティ

 ところでジャスティというと真っ先に取り上げるべきは、CVTを世界で初めて実用化し、搭載したことだろう。電子制御電磁クラッチ式無段変速機……スバルECVT(Electro-Continuously Variable Transmission)の呼称がつけられたこのCVTは、スバルと当時のオランダ、ヴァン・ドールネ社の共同開発(ヴァ社の特許を使用)したもの。0.2mm厚の鋼板を10枚重ねたスチールベルトに2mm厚のスチールのコマおよそ280枚を組み合わせ、これと油圧で溝幅を無段階に変える一対のプーリー、さらに電磁クラッチを備えた構造だ。

 つねにエンジン出力を有効に使うことで加速性能、燃費にもいいとされての採用で、ユニットの供給体制が整ってから当時の他のスバル車にも展開されたのはご承知のとおり。なおジャスティのECVT車が正式に登場したのは1987年2月、ECVTそのものの発表は、ジャスティ登場の1カ月前、1984年1月だった。

 それとジャスティはスバル車らしく、FFだけでなく4WDも当初から設定された。4WDは今のようなフルタイムではなく、シフトノブの赤い4WDボタンで切り替える方式だった。

 またサスペンションにもこだわりがあり、“リッターセダン唯一。ストラットタイプの4輪独立懸架”とカタログでも謳われた、前後ストラット式を採用。フロントスタビライザー、強化ショックアブソーバーも採用された。

 インテリアは、サテライトスイッチを採用したインパネを中心に、シンプルで機能的な仕上がり。マルチファンクションも謳われ、カタログ写真にはポケバイ+ヘルメット(よく見るとポルシェデザイン!)、ゴールドのモデル違いのゼロハリ(ゼロ・ハリバートン)、スポーツギヤなど、アクティブに使いこなしましょう! といった訴求が成されていたこともわかる。

 なおジャスティは、初代モデルが1994年まで日本市場で展開されるも、その後は日本市場には投入されなかった。ただし欧州市場には投入され続け、2代目(1994年、スズキ・カルタス)、3代目(2003年、スズキ・初代スイフト)、4代目(2007年、ダイハツ・ブーン)とOEMで展開。その後2016年には5代目としてダイハツ・トールのOEM車が登場し、このモデルで22年ぶりにジャスティの名を日本市場でも復活させた。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ世界初!謎の「“パイ”エース」に大反響! 屋根なし&12人乗りに「成人式仕様みたい」「オトナも楽しめそう」の声! “マル秘システム”搭載の「ハイエース」がスゴイ!
トヨタ世界初!謎の「“パイ”エース」に大反響! 屋根なし&12人乗りに「成人式仕様みたい」「オトナも楽しめそう」の声! “マル秘システム”搭載の「ハイエース」がスゴイ!
くるまのニュース
頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
カー・アンド・ドライバー
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
ベストカーWeb
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
ベストカーWeb
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

16件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

196.5216.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.6213.0万円

中古車を検索
ジャスティの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

196.5216.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.6213.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村